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2006/02/11

Googleのメディエーション

CNET Japanの記事によれば、グーグルが妊娠した女性従業員を差別したという問題について、連邦地裁で付調停の決定が出たとのこと。
日本語ではそう書かれていたが、実は調停ではなく、仲裁arbitration条項が雇用契約にあったため、仲裁によるべきだとして、日本風に言えば訴えを却下したのだ。
本家CNET参照

誤訳の問題はともかくとして(院生諸君、日本語記事や翻訳物を鵜呑みにするなかれ)、労働関係での仲裁が被用者側の裁判を受ける権利を直撃していることが、如実に表れた例である。
日本の場合は、こうした事態を懸念して、労働契約上の仲裁付託条項は「無効」とされている。
消費者契約よりも徹底した規定だが、裁判よりも仲裁の方が紛争解決機能が高いと考える立場からすれば、遺憾な話である。

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

労働契約の場合は
仲裁前置という意味ではないのですか?
まず仲裁をしてからそれでも納得が得られない場合は裁判所という風に。
私的自治と裁判を受ける権利の両者を調和させる解釈としてはこのように考えるのが
妥当ではないかと思うのですが。
無効となるのは仲裁法14条1項1号からでしょうか。

あと
arbitration clauseとmediation clauseで
前者が仲裁条項、後者が調停条項
となりますけれども、

調停で和訳するとarbitrationも出てくるので
間違えるも仕方ないのかも。

それと仲裁と調停の何が違うのという
のが根本的にあるのかも知れません

下記はADR検討会からの引用です

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/adr/dai23/23gijiroku.html

「「第四 調停手続法的事項」につきましては、まず、情報の利用制限、論点16でありますが、これは最初の○にありますように「賛否それぞれの立場からの意見が相当数寄せられた。賛成意見の理由としては、情報利用の制限は理念上当然のことである、わが国における仲裁と調停を混同する傾向への歯止めとなる、UNCITRAL国際商事調停モデル法に示された国際水準に合わせるべきである等があった。他方、反対意見の理由としては、情報の利用を制限すれば調停において率直な話合いが行われると捉えるのはあまりにも理念的に過ぎる、仲裁と調停の混同は批判的に捉えられるべきではなく、むしろ、積極的に評価されるべきである、実務における意識からすると実情にそぐわない面があり、むしろ現場に無用の混乱をもたらす懸念がある等があった」ということであります。」


もっとも記事は「正確」に伝えられるべきではありますが。

投稿: 東馬 | 2006/02/11 15:06

いやいや、仲裁と調停とは決定的に違います。
この点は欧米各国語とも共通です。

あなたの引用したのは、情報の利用制限の問題であって、調停手続から仲裁手続に移行した場合に、調停手続中の資料を仲裁判断に流用できるかという問題で、両者が決定的に違う手続だと言うことを前提にした上での話です。
(同じ問題は和解と訴訟にもあります)

>調停で和訳するとarbitrationも出てくる
というのは辞書に書いてあると言うことであれば、単にその辞書が間違っているだけです。

投稿: 町村 | 2006/02/11 17:01

>調停で和訳するとarbitrationも出てくる

Goo和英訳の方でした。
調停で検索すると
ArbitrationとMediationの二つが出てきます

ちょうてい 調停

arbitration; mediation.
・~する arbitrate ((in, between)); mediate ((between)).
・~役を買って出る take on the role of arbitrator [peacemaker].
・当局が~に乗り出した The authorities stepped in to mediate the dispute.
調停案 a mediation plan; an arbitration proposal.
調停委員 a member of a mediation committee [arbitration board].

英訳でも間違いなんでしょうか。


>いやいや、仲裁と調停とは決定的に違います。この点は欧米各国語とも共通です。

肝心なのは欧米ではなく、契約意識の発展途中の国日本では両者の違いが意識されているかだと思うのです。各国語に日本も含まれているのでしたらごめんなさい。

引用についても不適切でした。

投稿: 東馬 | 2006/02/11 18:37

ここでの話は法律用語としての調停と仲裁の違いですから、一般の辞書よりも法律用語辞典を見た方がよろしいでしょう。

ちなみにアメリカにはnon-binding arbitrationという制度もあり、これなどは日本の調停に代わる決定とよく似ているわけですが、それでも基本となる概念は違うことが前提です。

投稿: 町村 | 2006/02/11 21:02

町村先生。こんにちわ。
ブログ初心者でトラックバックがどうもうまくできません。以下に記事掲載しました。こちらのコメントであしからず。
http://listen-watch-listen.cocolog-nifty.com/mediation/2006/02/mediation_arbit_f86f.html

投稿: たなかけいこ | 2006/02/15 23:57

門外漢の私ですが、田中英夫編『英米法辞典』で、arbitrationとmediationの役が違うんだなと、一応、理解しましたが・・・(^^;。

投稿: しがない憲法研究家 | 2006/02/17 17:31

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 今日は、午前中法務省への訪問、そして午後は法律扶助協会の理事会、その後ちょっと [続きを読む]

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