copyright侵害対策の限界はどこまでか?
CNET JAPANのMPAA、著作権侵害サイトを提訴--ユーザーを誘導する検索エンジンも対象にによれば、MPAAがUSENETの違法ファイルを検索するためのエンジンを提供しているサイトに対して、著作権侵害の責任を追及する訴訟を提起したとのことである。
記事からはどういうサイトなのか、どういう責任を追及したのか、曖昧模糊として不明だが、ともかくも違法ファイルの配布サイトとファイル交換システム提供者に続き、検索エンジンまでもが著作権侵害の責任を追及されたということで、このニュースは注目している。
しかし、このことから直ちにすべての検索エンジンが責任追及されるおそれがあるとはいえないであろう。
記事によれば、「提訴された複数のサイトは、Googleのような検索エンジンとは異なり、著作権が保護されているはずの映画作品やソフトウェア、楽曲のみを対象に扱っている。」ということである。
一応MPAAも理性があるのだ。
著作権侵害にせよ、違法なポルノにせよ、そのものずばりでなくとも、違法行為を助長するために行為した場合は幇助として民事刑事の責任が生じる。しかし、「助長するために」というところをきちんと限定的に解釈して適用しないと、幇助の範囲はずるずると広がることになる。
幇助という構成を取らなくても同じで、違法行為を助長する行為が違法行為そのものと評価できる場合はあるにしても、違法行為を助長する側面が含まれればそれだけで違法行為そのものと評価してよいことにはならない。
この当たり前なことを考えさせられる一つの事例として注目に値する。
なお、クレージーな権利者が闇雲にディープポケットを求めてネット関連サービスプロバイダを訴えるとか、愉快犯のような地方警察が幇助の拡大解釈をもとに捜査権限をおもちゃにして摘発するとか、そういったことはいくらでも考えられるのだが、そのときに砦となるのが裁判所である。
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コメント
超古典的な刑法で,幇助とか教唆というのは罪刑法定主義に反する危険があるのだから,適用に慎重でなければならないと教わりました。当時(もう20年以上前です)はあんまりピンとこなかったんですが,こういう話を見ると実感しますね。理論刑法は「実務に関係ないじゃん」とかいう人もいますが,実務と距離を置いていることでフェイル・セーフ機能をもっているというのが私の考えです。
処罰に都合が良いこと=実務に通用するという考えは安易にとられるべきではない。
投稿: h | 2006/02/25 11:55
言論の自由は守らなければ成らない。如何なる言論も自由だ。サイバー攻撃・言論封鎖・規制等の行為を抑制する為の認識を広める事は重要なブログ活動の一つです。今後も御健闘を期待します。
投稿: 佐藤 一郎 | 2006/02/25 14:15
ここのやり取りで見ていて良いものなのか?と思うところがあります。
ネット(パソコン通信)以前には、素人の一般人が意見を世間に述べるということ自体がありませんでした。
それぞれの業界に加わることで発言権を得ていた、つまり純粋な素人は発言していなかった。
いささか乱暴ですが、大半はこの解釈で説明できると思います。「プロ市民」なんて矛盾しているような表現もなんとなく理解されているくらいです。
わたしがNIFTY-Serveで「冒険小説フォーラム」の運営を手伝わされた時に「著作権はどうするの?」と聞いたら「評論者が仲間に居るし、出版社に話を付けるから大丈夫」なんてことになりました。
(今も書店向けの新刊案内を受け取ってます)
この時期(1990年ごろ)がターニングポイントで、純粋な素人が世間に発言する時代に徐々に変わると思ってます。
では「プロ」と「素人」で何が違うのか?というと、プロはやはり業界内のバランスなんてものを考えてしまうからちょっと書き方が違います。
何よりも業界で「あれを書いているのアンタなの?」とか「○○をやっているA氏を知ってます?」なんていう会話に展開したりする。
結局どこまで行っても「業界インサイダー」であり「業界紙」のような位置づけになるわけで、それだは「外見的な著作権問題は無い」となります。
これを「業界内には加わらない」として発言すると「X氏というのは何者なのさ?」なんてことなるわけで、場合によっては大騒ぎになります。
これを「法的な判断基準」で切ることが出来るのか?というと、「業界」というものを無くせば良い、となりかねないのそれは無理でしょう。
インターネットを巡る議論の多くが「リアルワールド vs ネットワールド」のような二分論で行われることが多いのですが、現実にはもっと漠然としていて二分できるものではないですよ。
著作権全体が出来た当時の本に印刷するぐらいのところ前提にしている限り、ネットの普及とデジタル技術が一般化することで、見直しの必要とういか著作権そのものの危機といったところにあると思うのですが、そんなこと言ったって人類の利便のためにネットやデジタル技術は著作権とは無関係に進歩するのに決まっているわけですから「元はオレだ」とかいひたすら言い張るのでは続かないですよね。
投稿: 酔うぞ | 2006/02/26 09:50
>いささか乱暴ですが、大半はこの解釈で説明できると思います。
ていうか全く分からないですけども、なんとなく世間にはばかるような発言をされている雰囲気は伝わってきています。
投稿: 町村 | 2006/02/26 13:24
>ていうか全く分からないですけども、なんとなく世間にはばかるような発言をされている
う~んそうですか(^^ゞ
えっとですね。わたしは基本的に機械(CAD/CAM・NC)業界の人間です。
そうなると、CAD/CAM業界のあれこれについて言えること・言えないことが出てくるわけです。
これは著作権とかと関係なことで、そこにパソコン通信が出てきたから、業界人として著作権の正確な適用をしないでなんかやっても「業界人としてはOK」になってしまいます。
これを「そりゃ業界の掟と違うだろ」となると、機械業界には権威というのものが無い世界なので、切り取り勝手の自由競争の社会なので、とても大変なことになります。
一方、業界人ではない人が入ってくると「なんだいアイツは?」という情報が飛び交うことになります。
つまり「どこまで行っても業界優先」であって、機械業界における知的所有権の問題はかなり独特な慣習で解決している、と言えます。
何を言いたいのか?というと、著作権一般と言う以前に「業界の作法」のようなことの方が実際には問題になるし、場合によっては著作権の法的な権利と権利の侵害といった問題よりも「業界の作法」の方が問題になったケースがあった、今後もすぐに変わるとは思えない、いったことです。
投稿: 酔うぞ | 2006/02/27 23:40