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2006/01/27

ワシントンポストのBLOGコメント削除問題

またまた、五右衛門さんには注意されるかもしれないが、匿名の卑怯者関連ニュースだ。
ワシントン・ポスト、読者のコメントを一斉削除--ブログ界に波紋広がる
とりあえず、日本のブログではよく見られる現象であり、コメントを削除して火に油を注ぐ結果となるのもまた、おなじみだ。以下はこの削除を発表したエディタの声明エントリである。
Comments Turned Off
As of 4:15 p.m. ET today, we have shut off comments on this blog indefinitely.
By Jim Brady | January 19, 2006; 04:22 PM ET

それにしても、問題のあるものもないものも一斉にまず削除してしまって、それから問題のないものは個別に対応ないし再掲載するというやり口、投網をかけてみそもくそも一緒に扱ってからみそだけ取り出すやり口は、この年末年始に行われた楽天のポイント騒動を想起させる。
そうしたやり方は、外野から見てても気分の良いものではない。大企業の傲岸さみたいなのが感じられるからだ。

もっとも不快なコメントというのがどのようなものかは、現物を見ていないので分からないし、その削除の当否も従って判断を下しようがない。上記の声明エントリを見る限り、ワシントンポストの言い分が正しそうに見えるが、それは一方当事者の評価というものだろう。
まあ、一般的にいって、コメントを付けた人の許容基準と付けられた人の許容基準は、前者より後者がより厳しくなりがちなので、ただでさえモメごとになりやすいし、外野が一方当事者の主張のみを鵜呑みにすることはできない場面だ。

なお、ワシントンポストのエディタであるJim Bradyと3人のブロガーが、この問題について公開討論を行ったようである。Live Discussion on Comments
残念ながら、その内容は登録をしないと見られないようである・・。 

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コメント

日本国内でも例があります
http://benli.typepad.com/annex_jp/
http://jbbs.livedoor.jp/computer/21886/
判断は見た人間に任せます

投稿: emanon | 2006/01/27 18:36

 一般的に言って、ブログの評価は、適切なエントリの設定と読者を満足させる内容、コメント欄の管理の2構成要素から成り立ちます。
 後者について論じると、もちろん、管理人には、管理するブログのコメント一方的に削除する権限があることに争いはありません(権限に文句を言うほうがおかしい)。
 管理人には、削除すること(しないこと)の管理責任を問われることもあるからです。そのほか、適切なコメント欄管理によって高評価を受け常連が増加することもありますし、不適切な管理によって重要な常連を失い、非難や批判を受けることもまれではありません。
 これらは全て一重に強大な一方的削除権を有する管理人の自己責任です。常連の賞賛や尊敬も、非難や批判をも甘受すべきなのは、自己責任の当然の結果です。
 これらはリアル社会における言動の責任と何ら変わらず、賞賛や尊敬は欲しいが非難や批判は嫌だという幼児並のメンタリティは通用しません。
 その意味でブログは極めて社会性を有する存在で、真の自分を写す社会の鏡と言っていいでしょう。

投稿: ブログ管理 | 2006/01/27 23:03

>その意味でブログは極めて社会性を有する存在で、真の自分を写す社会の鏡

 そうなんでしょうね。
 私小説作家が、自らを曝すように?!
 そのようなBlogを毎日のように記載される方を尊敬してしまいます。
 私なんぞは、生来の気ままな性格なので、、、Blogを書こうという気持ちになりませんし、書けません。

投稿: 弁護士五右衛門 | 2006/01/28 18:14

ワシントンポストの”Comments Turned Off"に目を通してみました。

コメント欄を閲覧不能にした経緯として、

ー 個人を攻撃すること
ー エロ画像かエロサイトのリンクをコメントしたのでしょうか、Use of profanityとあります。
ー Hate Speachをコメントしたということですが、これは差別的な発言をコメントしたのでしょうね。

一般人にも議論を場を提供するという当初の目的とは異なった類のコメントが殺到したことが問題であったようです。

他のメディアでどのような取り上げられ方をしているのか興味があります。暇な時に検索して見てみます。

投稿: koneko04 | 2006/01/29 05:47

 自社の管理しているブログのコメント欄に、特定の個人を攻撃するコメントや、特定の人種・民族等をヘイトするコメントや、「罰当たりな言葉」を含むコメントやらが大量に投稿された場合、削除すべきコメントとそこまでではないコメントを精査しきれないことというのはあり得ることであって、まともな企業であれば、「精査しきれないから個人攻撃やヘイトスピーチを放置することになってもやむを得ない」とは考えないのであって、とりあえず怪しいコメントは一旦不可視状態にしておき、掲載しても問題がないと判断したものから可視状態に戻すという運用は誠実な部類であるように思います。それをもって「大企業の傲岸さみたい」なものを感じられてしまうと、企業としてはつらいでしょうね。

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/30 12:16

ワシントンポストのブログのコメント欄は閉鎖されたとありますが、コメントを削除したとは書いてありませんでした。

日本語版のCNETでは「削除された」と見出しにありますが、このソースはどこにあるのでしょうか。

英語版のCNETを見ればわかるのかもしれませんが、日本語のメディアは誤訳や権威があるメディアや人の名を語り、勝手なことを書くという傾向があるなと個人的には問題視しています。

今回のCNET JAPANの記事のタイトルについてネットで情報を集めて検証してみたいのですが、なんか面倒なのでやる気になりません。

どなたか奇特な方にが英語圏のメディアの記事を検索してもらいリンクを貼っていただけるといいのですが。。。 そうしたら、さっと記事に目を通して日本語の要約を投稿するようにします。

投稿: koneko04 | 2006/01/30 17:41

koneko04さま
引用があるので少々長くなることをお許し下さい。
ワシントンポストの当該ブログを読みますと、コメントが一旦削除されたのは事実のようです。
1/17付けの"Problems With Comment Publishing"では投稿したコメントが掲載されない
トラブルについて、
"We may also have unintentionally caused or made the problem worse by trying to
remove a few comments -- about a dozen -- that failed to make a substantive point
and were simply personal attacks on Howell and others."
と、一部のコメントを削除しようとしたことが原因かもと書いてあります。
そして、1/19付けの"Comments Turned Off"のUpdateとして、
"We removed hundreds of these posts over the past few days, and it was becoming
a significant burden on us to try and keep the comments area free of profanity and
name-calling. So we eventually chose to turn off comments until we can come up with
a better way to handle situations like this, "
と、数百通のコメントを削除し、その後コメント欄を閉鎖したとあります。
さらに、1/20付けの”Some Comments Returned”で、
"Some previously posted comments have been returned to post.blog.
Specifically, all comments that meet washingtonpost.com's standards for
community interaction have been returned to the post "Deborah Howell Responds.""
と、一旦削除されたコメントを再掲したことを記しています。
また、ワシントンポスト紙エディターのJim Bradyとブロガーとの討論会のページを
ざっと読んでみましたが、Bradyはコメントを削除したことを認めてるようです。
URLは以下のとおりです。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/discussion/
2006/01/20/DI2006012000566.html
(長いので2行になってしまいました)
なお、CNETの英語ページも見ましたが、原題は"Post steeped in blog comments kerfuffle"
(「ワシントンポスト紙ブログコメントで大騒動」って感じでしょうか?)なので、
「ワシントン・ポスト、読者のコメントを一斉削除」とは大分ニュアンスが異なりますね。
本文中でも、日本語で"コメント削除"と訳されてる部分は"turned off comments",
"shut off all comments"で、「コメント欄閉鎖」の方が正しいですね。
ただ、後半のBradyへのインタビューにおいて、
"We did that for four days (and) we had two people doing it full time,"
Brady told CNET News.com, referring to his team's removing comments
it deemed unsuitable."
と、Bradyが「コメント削除」を行ったと答えています。
なので、CNET JAPANの記事は大筋では間違っていないんですが、
「コメント削除」→「コメント欄閉鎖」→「コメント復活」(コメント欄は閉鎖のまま)の
流れをもう少し分かりやすく書いて欲しかったです。
P.S.英語の記事は斜め読みなので、見落としているところがあるかもしれません。
どうかその時はご容赦下さい。

投稿: Stone | 2006/01/30 20:23

Stoneさん

コメントはやはりまとめて削除されたのですね。

過去にスパムコメントと一緒に、アタシのコメントもある方のブログで削除されたことがあります。ないなと思って探したのですが、アタシのコメントと前後してスパムコメントが幾つもあったで間違えて削除したのだろうなと想像しています。

アタシのコメントはまじめな内容でしたが、ブログ主に削除されたからと言って頭に来るというような感情の起伏はありませんでしたね。

コメントを削除された人って、どうして削除されたことに腹を立てるのでしょうか。アタシにはその心がわかりません。

投稿: koneko04 | 2006/01/31 15:30

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