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2006/01/08

anonyme:落合弁護士の見解

備忘録として
[匿名性]「ネット事業者は周囲の迷惑を顧みずに利潤を追求してもよいのか?」

小倉さんのBENLI ANNEXの記事に対する反応である。

付け加えるべきことは色々あるのだろうが、きちんとまとめていると日が暮れるので、感想だけ。

インターネットのビジネス可能性が、その敷居の低さに起因するスケーラビリティにあることは間違いなく、その敷居の低さの要因は様々あれども、匿名性がある程度保持されているところも重要だと思うのだ。

良くも悪くも使えるのが匿名性だが、自分のリアルなアイデンティティとは異なる自分を発展させたいというのは別に精神病的な行為というわけではない。様々な社会で様々な自己実現を図りたいということも、自然な欲求だし、それぞれをひも付けされたくないと思うのは立派なプライバシーだ。

もっとセンシティブな話をする場合でも、少なくとも西村真悟のお友達が銃弾を撃ち込みにきたり、上場企業のサラ金が盗聴にきたり、誹謗中傷を仕掛けたり、30年間雑用ばかりで昇格昇級の望みを絶たれたり、そんなリスクは誰しも負いたくない。
平和ぼけの日本では、せいぜいその程度のリスクかもしれないが、権力が牙をむき出しにしている局面では、匿名性排除は権力者が最も望む環境だ。アメリカでは大統領自ら、令状なしの恣意的盗聴の正当性を堂々と主張している最中である。そんな主張をする必要もないのがビルマや北朝鮮というところだろう。中国もか。アジアには限られないが。

さて、そうはいっても匿名の陰に隠れて他人の権利を侵害する輩を放置してよいとか、被害者は泣き寝入りを強いられても仕方がないということにはならないので、発信者情報開示の仕組みが現在以上に効率的になることには賛成である。裁判外で発信者情報開示に応じるISPが多く存在するという話は、言う人によって違うので、局外者にははっきり言って真相藪の中だが、いくつかの裁判例でも和解や任意の開示に応じた例がちらほら見られるので、実際にはかなり任意開示の例はあるのだろう。
それは発信者が同意した場合に限られるという説明もあるところから聞かされたが、そういう認識のISP(と弁護士さん)もいるということであろう。
またアクセスプロバイダに対する仮処分による開示は、確かに東京地裁の方針はノーということのようだが、それはまあ今後の課題で、発信者情報開示請求権の手段性とか、ドイツ流の情報請求権と段階訴訟制度とかをもう一度まじめに取り上げて、それ開示請求権の性質を突き詰めていく必要がある。

そうやって発信者情報開示請求が効率的に実現できるとなると、逆に発信者の不開示の利益をどう保障するかが問題となるだろう。
これは2月末までに考えみたい。
#結局色々書いてしまったが。

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

小倉弁護士の発言にはどこにコメントすれば良いのか分からないのですが

落合弁護士の blog への小倉弁護士のコメント

    ># 小倉秀夫 『 むしろ、ブログ主以外の人が
    >議論のやり方に介入する方が場が荒れることに
    >なりやすいような気がします。
    > それはともかく本論に移るとすると、
    >インターネットの魅力を維持するために国策として、
    >ネット事業者に責任を負わせず、
    >さらに被害者が加害者を追跡できない環境を放置する場合、
    >損害の持って行き場所がない被害者のためには、
    >憲法第29条第3項を類推適用して、
    >国がせめて経済的な補償でもしてあげる
    >と言うことになるのでしょうか。

ここに集約されるのかな?と感じました。
首相が新聞記者を追い出して「テレビで国民に直接呼びかける」ということが我が国でもありました。
1990年ごろ東ヨーロッパ諸国の政権転覆は衛星放送の影響が大であるとされています。
情報というものが、政府すらも倒してしまうのですから、以前に出来た法律が情報のコントロールに無力である、というのはいかんともしがたい現実だと思います。

小倉弁護士が「魅力を維持するために国策として、ネット事業者に責任を負わせず」と指摘するのは一面としては事実だろうと思いますが「魅力を維持するために国策として」ではないのは明らかで「国策としてネット事業者に責任を負わせず」でしょうね。

しかしなんで「ネット事業者」だけが問題になるのか?というこれは程度問題ですね。
放送・週刊誌から郵便まで責任を負っているとはちょっと思えない。

一方、魅力の方は放送、新聞、出版などが影響を受けるくらいのものだから、政府としてはそれを擁護しないと、国民が政府に対して怒り出すでしょう。
つまりは政府は否応無しに推進することなる。

「これではどうにもならない」という面はあると思いますし、それを小倉弁護士は「なんとかしよう」と言っているのは分かりますが、世論によって徐々に変わるしか無いでしょう。
インターネット事業者という定義自体が融けてしまいそうな情況の時に、責任を追及する相手が確実ある、という前提に問題があると思ってしまいます。

投稿: 酔うぞ | 2006/01/09 10:41

 ネット上での誹謗中傷を苦にして自殺をする人がばたばたと現れたり、ネット上で流布されたデマによって倒産する会社がばたばたと現れるまで、我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。あるいは、そのような被害者が現れても、我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。
 あるいは「被害者が自分のみを自分で守ればよい」だけであるから、ネット空間と現実空間でのバランスをとる必要から、学校等でいじめを放置・容認し、その結果いじめられた生徒が自殺したり、精神的に病気になってしまったり、退学に追い込まれたりしたとしても、学校等は一切責任を負わないということにすべきでしょうか。
 多くの産業は、そのビジネスモデルが一方で他者の権利を侵害する危険を含むとき、これをできる限り解消するために相応のコストの負担を求められています(どの産業だって、そのようなコストを負担しなくともよいのであれば、現在の利潤を維持したままで価格を引き下げることができる、というか、価格は需要との関係で決まることを考えると、現在の価格を維持したまま利潤を増大させることができる。)。インターネット関連事業者だけがこのコスト負担から開放されるべきだとされる議論には、なぜ、インターネット関連事業だけが特別なのだということを説明できていないように思います。

(なお、新聞・雑誌・テレビ等が、特定人に対する誹謗中傷記事を執拗に掲載し続ければ、法的な責任を免れることはできません。すなわち、プロバイダ責任制限法第3条第1項のような「発言者」の責任と伝達者の責任とを遮断する旨の規定はないので、伝達者として、その発言に関する法的責任を引き受けることになります。だからこそ、発言者が誰であるのかを探知し、確認し、開示可能な状態におく必要は、外部との関係ではないというにすぎません。)。

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/09 12:26

 小倉先生ご心配なく。
 ネット上で犯罪を行う者は人的物的範囲の限界内とはいえ警察が検挙しています。警察庁ホムペの統計や警視庁ホムペの検挙例をごらんください。先生の意見は極論暴論です。
 個人情報を曝したACCS事件は有罪が確定しておりますし、公衆多数の著作権法違反(違法ワレズ)を助長したWinny事件は検察庁に起訴してもらいました(なぜか先生はWnny
事件の逮捕起訴に反対なすっていたけど、著作権法違反を故意に助長するソフトを流布される人を野放しにしろというおつもりかな)。

投稿: ハイテク犯罪捜査官ファン | 2006/01/09 13:45

 先生は、以前に、デュアルユース論に基づき、殺人者を処罰する際に包丁を作って売った人を幇助犯で処罰するのはおかしいって言ってましたよね。
 ならば、(1) 誹謗中傷罵倒する人を処罰したり損害賠償を請求する際に、ネット事業者を幇助犯で処罰したり損害賠償の肩代わりを請求するのはおかしくないですか。
 それに、(2) 同じ通信インフラなんだから電話電報郵便で誹謗中傷罵倒を行われたら、電話会社や日本郵政公社も被害者の損害賠償を肩代わりさせないといけないですね。ところが先生はそこまで主張されていない。
 何かISP等のインターネット関連事業者だけを意図的に攻撃するバイアスが見え隠れするんで信用できないのですが。
 前記(1)と(2)について「なぜ、インターネット関連事業だけが特別な」『先生の攻撃対象な』「のだということを説明できていないように思います。」

投稿: 通り過ぎた人 | 2006/01/09 14:04

小倉さん

    >ネット上での誹謗中傷を苦にして自殺をする人が
    >ばたばたと現れたり、ネット上で流布された
    >デマによって倒産する会社がばたばたと現れるまで、
    >我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。
    >あるいは、そのような被害者が現れても、
    >我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。

話は逆で「そういう情況に対して何ができるのですか?」なのです。
小倉さんは「ネット事業者の責任を追及すれば回避できる」とおっしゃっているように思いますが、そんなの不可能でしょう。

だから「どうしようない」というのもアリだろうと思うし、それはやがて社会が徐々に変えていくことだと思います。
問題はあるけど、対処法が違うのではないか?と言いたいのです。

投稿: 酔うぞ | 2006/01/09 15:57

 それは逆です。

 ネットでの匿名の卑怯者による誹謗中傷なんて些細な損害であって、そんなものを防ぐためにコストをかけるべきではないという意見が強く叫ばれていたので、些細な損害だというのならば、ネット事業者の方で代わりに賠償してあげたらよいのではないですかということを言っているのです。 
 ネット上での匿名の卑怯者による陰湿な誹謗中傷行為が問題となってからもう何年も経つのに、この問題は全く解決しないし、プロバイダやブログ事業者なんかも基本的には解決しようという気すらなさそうです。それは、現行法では、そのような誹謗中傷行為による被害はほぼ100%被害者に押しつけることができる(発信者情報開示請求訴訟を提起された場合だけ、弁護士費用その他の裁判費用がかかる。)から、システムを設計する側に、解決するインセンティブがないからでしょう。

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/09 16:35

    >ネット上での誹謗中傷を苦にして自殺をする人が
    >ばたばたと現れたり、ネット上で流布された
    >デマによって倒産する会社がばたばたと現れるまで、
    >我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。
    >あるいは、そのような被害者が現れても、
    >我々は手を拱いてみているしかないのでしょうか。

 「誹謗中傷」と「デマ」を「著作権侵害」におきかえると判りやすいですね。
 著作権侵害を生業とする会社のサーバが東京高裁で差し止め食って確定したり、著作権侵害に使うソフトを意図的に開発した研究者が逮捕起訴されたり。
 弁護士も警察も手をこまねいてなんかいないですね。「酔うぞ」様がいうとおり、そうなる前に日本の有能な弁護士や警察は立ち上がると思います。
 小倉先生の意見は被害妄想に近いと思うけど何かタメにする意図があるんじゃないですか?

投稿: 通りすがり | 2006/01/09 16:37

>ネットでの匿名の卑怯者による誹謗中傷なんて些細な損害であって、そんなものを防ぐためにコストをかけるべきではないという意見が強く叫ばれていたので、


いいえ。
それは逆です。
少なくとも私は、下手に個人情報が明かされる方法ではマイナス面が大きすぎる。
それが最も大きなポイントです。

いくら小倉さん自身がそのマイナス面を小さな問題だと思っていても……


……あれ?
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/e/99c25684223586052eb5f2d10272052b

>仮名で情報発信している人がその仮名とリンクする形で実名を公表されることをいやがることは同じく仮名又は匿名で情報発信を行っている方々には重々おわかりだと思うのですが、demonize済みの相手に対しては、そういう配慮を一切できなくなるということなのでしょうか。いずれにせよ、人間としての器の小ささを感じます。


卑怯者としてdemonize済みの相手ならそれが許されるなんて、小倉さんも器が小さいなぁ(苦笑)


私はその嫌がることを無益に起こさないようにということで、前提は賛成だが手段は反対・バランス悪、と言っているだけなのですよ。

投稿: サスケット | 2006/01/09 20:14

小倉さんはご承知の上でこのようなことを言ってらっしゃるのですよね?

    >ネットでの匿名の卑怯者による誹謗中傷なんて些細な損害であって、
    そんなものを防ぐためにコストをかけるべきではない
    という意見が強く叫ばれていたので、
    些細な損害だというのならば、
    ネット事業者の方で代わりに賠償してあげたら
    よいのではないですかということを言っているのです。 

そもそも、情報通信の手段としてインターネットを利用するのは極めて安くできるから普及したのです。
だから、通信事業者は僅かな賠償も出来ないのが当然でしょう。

上記のご意見には暗黙の内に「通信事業者は儲かっているのだから」というのが前提になっていますが、ご承知の通り全く個人サーバなんてものあるわけです。
そして経済の流れとしてはより安い利用の方に向かうのが当然です。

一方、例えば無言電話を取締なんてのは複数の県警が連携しないと出来ない、つまりもの凄い高コストになります。こればかりは現実でどうしようもない。

比較考量できるところに無いですよ。
だから「仕方ないだろ。社会はいずれ安定させるだろう」と言っているのです。
小倉さんの意見の骨子は肯定しますが、実現不可能な意見だと思うから賛成できないのです。

投稿: 酔うぞ | 2006/01/09 21:29

 そのサービスを提供する際に顧客や第三者に損害を生じさせることを回避するためには一定のコストがかかるということは、通信事業に限ったことではありません。そして、どの産業においても、価格を低下させよという圧力が高く加わっています。しかし、ネット業界以外では、顧客や第三者に損害を生じさせることを回避するために、一定のコストがかかる措置を講ずることを法が要求し、多くの事業者はこれに応えています。ネット業界だけは、社会に外部不経済を押しつけたまま知らん顔をして利潤の極大化を目指しても構わない、否、ネット業界に対してだけは、外部不経済の垂れ流しの解消を要求すべきではないというのは、合理的な理由がありません。
 ネットを利用した匿名の卑怯者たちによる執拗で陰湿な嫌がらせ、誹謗中傷、デマの流布等々は、ネット産業が生み出した一種の「公害」です。公害の除去、被害の縮小に業界をあげて取り組むことはむしろ当然だし、業界が自主的に取り組まないのであれば、これに取り組むように法が規制を課すのは当然ではないですか。

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/09 23:39

>ネットでの匿名の卑怯者による誹謗中傷なんて些細な損害であって、そんなものを防ぐためにコストをかけるべきではないという意見が強く叫ばれていたので、

いつどこでどなたがそのような意見を叫ばれていたのか、
ご提示いただけないでしょうか?
小倉さんの目的とすることに反対する意見は見かけたことがありませんので。
#私が見るのは手段に反対の方ばかりです

投稿: 断 | 2006/01/10 00:03

世の中のトラブルって、どちらが悪いかがはっきりしていることって少ないのですよ。

投稿: 町村 | 2006/01/10 00:11

外食産業もコストを抑える為に安い中国産の材料などを使っているところが多いですが、農薬の問題など直接体に害のある危険な話もよく聞きます、こういう場合全て日本産の無農薬野菜を使えばよいという事でしょうか?>小倉さん

投稿: 高木信敏 | 2006/01/10 00:20

    >ネット業界だけは、社会に外部不経済を押しつけたまま
    >知らん顔をして利潤の極大化を目指しても構わない、
    >否、ネット業界に対してだけは、外部不経済の垂れ流しの
    >解消を要求すべきではないというのは、合理的な理由がありません。

いやですから小倉さんの定義する「ネット業界」とは具体的にどの会社なんです?
そして将来もその会社は「ネット業界の中核」たり得るのですか?

わたしは「ネット業界」というのものがすでに融けているし、将来は無くなると考える者です。
だから事実として誹謗中傷などがあることを否定はしませんし、また経済的な損害であることも知っていますが、個々の事件ではなく一般論として持って行く先が見えないのですよ。
だから小倉さんの「責任を取れ」論に対して「誰が?」になってしまうのです。

世の中に個々の事件ではなく一般論として責任を取れとは言えないことは沢山あるでしょう。
(ほとんどがそうなのかね?)
子供が殺人とか傷害とか引き起こすと「教育の問題だ」となりますし、それは正しいけど「責任を取れ」とはちょっと言いにくい。
そういうこととどこが違うのか?全然理解しがたいです。

それを「ネット業界」と少なくもとわたしには分からない「業界」があるかのようにして「責任を取れ」となっているから、違和感があるのですよ。
(なんかこの範囲からちっとも進まない話ですね)

酔うぞ拝

投稿: 酔うぞ | 2006/01/10 14:06

 例えば、権利侵害情報の発信者がどこの誰であるのかを把握し、被害者に対し発信者情報を開示できる状態にしておかなかった特定電気通信役務提供者はプロバイダ責任制限法第3条第1項による免責を受けられないこととすることなどを提唱しています。ファイルローグ事件では、会員登録にあたって、会員の戸籍上の氏名及び住民票上の住所を登録させなかったことを「過失」と捉えていますので、従前の裁判例で認められた免責の範囲を明文化するという上記条項の制度趣旨にもそれは合致します。

 何も難しいことなど言ってはいません。

 ネットを利用した不法行為の被害者が、加害者たる発信者に対して法的な責任を追及できるようにするか、法的な責任を追及されることなく権利侵害情報を流通させることを可能とするサービスを提供しつつこれが権利侵害情報の流通に使用されないような対策をとることを拒んでいる特定電気通信役務提供者に対して法的な責任を追及できるようにしようといっているにすぎません。これに対しては、表現の自由が大切だとか、ネット業界は大変だからそんな些細なことのためにコストをかけさせるのはけしからんだとか、被害者は自分のみを自分で守るべきなのであってネット業界にコストをかけさせて自分を守ってくれなどとはけしからんとか、「嵐にはスルー」が原則だの、何をやっても無駄だから社会が安定させるのを待てだのと、結局のところ、「被害者が泣き寝入りをすれば万事うまくいくのだから、被害者は泣き寝入りしなさい」ということしかいっていないわけです。

 端的に言えば、公害をまき散らしている企業は、公害をまき散らさないようにコストをかけてでも対策を講ずるか、公害の被害者に対して経済的な補償をしなさいと言っているだけです。積極的に公害をまき散らすことを放置する理由があるというのならば、せめて被害者に対しては経済的な補償をしなさいといっているだけです。

 公害対策はしたくない、経済的な補償はしたくない、そう悪いのは自分のみを自分で守らないくせに、この程度の被害をおとなしく泣き寝入りしない被害者だというのが、インターネット上での匿名の卑怯者による誹謗中傷問題での現状です。

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/10 15:58

上記コメントにおいて「これに対しては~」とありますが、
「これ」とはその前段を指すのではなく、
「小倉式共通ID構想」を指しているというのが現状ですね。
前段すなわち目的に対してではなく、共通ID構想という手段に対しての意見があるのみです。
そういった意見に対して「目的そのものを否定するのか」と言われても、話が進展するわけがありません。

そろそろ、目的と手段を混同することは止めにしていただけませんか。

小倉さんの現状に対する問題提起やそれに対する草案作成といった行為そのものは、
(内容の是非は別として)敬意に値するものだと考えています。
だからこそ、目的と手段の混同により議論が進展しない状況を解消していただきく思います。

投稿: 断 | 2006/01/10 23:45

小倉さん

わたしも、断さんとほぼ同じ意見です。

わたしは、具体的な手段が無いよと言っているのですらか「ここを、こうすれば出来る」という提示をお願いするのです。

小倉さんの考えている骨子には同意なのですから。

しかしわたしには具体的な方法論が立たないから小倉さんと同じ意見は書けない、となっています。

そこで小倉さんにはわたしよりはもう一歩進んだ対策があるから強く主張されているのでしょう。

>何も難しいことなど言ってはいません。

わたしは難しいと言っているのですから「なぜ簡単か」を説明していただかないと、話が進みません。

なお「簡単だ」に掛かるのが

>例えば、権利侵害情報の発信者がどこの誰であるのかを把握し、
>被害者に対し発信者情報を開示できる状態にしておかなかった特定電気通信役務提供者はプロバイダ責任制限法第3条第1項による免責を受けられないこととすることなどを提唱しています。

社団法人日本インターネットプロバイダ協会・会長の渡辺さんは個人的によく存じていますが、会長自身だ「プロバイダは事業として難しい」と言っていて、技術的にも近い将来に無くなる可能性のある業種ですよ。

つまりはプロバイダ責任制限法は空洞化する可能性があるのです。

正直な話がこういう将来への判断をしている私にとっては小倉さんが描いているインターネットの将来像が想像出来ないのです。
もしプロバイダを強化して・・・といった事をお考えなら、IPv6やP2Pのような個々のIPアドレス同士で直接通信する時代には全世界規模でユーザ登録するぐらいしか、特定なんて出来ないしそのコストは「簡単」などとはとても言えない。

インターネットを利用する最大の理由が「安いから」であって、政府ですらそれを理由に使っているのてす。
コスト問題は絶対に避けて通れません。
「簡単です」と抽象的に言われても了解出来ません。

酔うぞ拝

投稿: 酔うぞ | 2006/01/13 00:06

 酔うぞさんは、「Aという業界では、他人の迷惑を顧みずに公害を垂れ流しにすることを前提としてビジネスモデルを組んでいる。したがって、Aという業界に公害対策を強いてはならないのであって、公害の被害者は、『自分の身は自分で守る』か『泣き寝入りをする』べきである」ということを、資本主義社会における普遍的なルールとして認めよといいたいのですか?公害対策を一切しない状態を基準として、それと比べてコストがかかるものは全てだめだと言ってしまってよいのであれば、もはや公害対策など一切要求することは許されないと言うことになり、各事業者とも、自社の利潤の極大化を目指して第三者を傷つけまくって構わないということになりそうです。

 それともプロバイダ業界のような絶滅危惧業界については公害を垂れ流しにしても構わないということが言いたいのですか?
 トラック業界は過当競争に苦しんでいるから、有毒な排気ガスを垂れ流しにして構わないとすべきですか?紙パルプ業界は、過当競争で利幅が小さくなったら、ヘドロ対策なんてする必要はないことにしますか?マスコミ業界は、競争が厳しくなったら、裏付け取材なんかせずにセンセーショナルなスキャンダル記事を書いても一切責任を取らなくとも良いことにすべきですか?
 それとも、プロバイダ業界は、特別に偉いんですか?
 
 プロバイダ業界のような絶滅危惧業界を滅ぼさないために、プロバイダ等には「匿名の卑怯者による誹謗中傷」などの公害を制御するための負担を国策として課すべきではないというのであれば、国等の公共部門が被害対策に乗り出すしかないでしょう?プロバイダ業界は自分たちの力では公害対策などできないというのであれば、公共部門の力を借りればいいではないですか。なんで、プロバイダ業界は、そこで被害者にばかり負担を押しつけて平然としていられるのですか。
 
 

投稿: 小倉秀夫 | 2006/01/13 01:06

>なんで、プロバイダ業界は、そこで被害者にばかり負担を押しつけて平然としていられるのですか。

これは違うでしょう。
現状でIPアドレスによる照会が無意味というのならともかく、
妥当な有効性がある状態で、『ほとんど効果のかわらないが、新たな手間、別の問題点が発生する手段』をプロバイダに押し付けるのは無駄であろうと言うことです。

それはプロバイダにとっても、利用者・被害者にとっても。


#効果がほとんど改善しない理由、あるいは問題点が増加するという理由については、エントリからずれるため割愛。
#もしなんでしたら別途質問してください。
#津かいろんなところで繰り返してるので検索してログ読むと言う手段も蟻。 
 


手間もかからず簡単に導入できる手段、画期的な手段であれば歓迎しますよ?

投稿: サスケット | 2006/01/13 02:10

小倉先生へ
何でネットワークサービス業者が公害の流出元って話になるのか分かりません。
名誉毀損関係は置いておくと、ネット上ではVirusやWormやspamを流す人間が公害元で、ISP他通信業者は公害で言えば汚染される空気や水みたいなインフラでしかありません。

>マスコミ業界は、競争が厳しくなったら、裏付け取材なんかせずにセンセーショナルなスキャンダル記事を書いても一切責任を取らなくとも良いことにすべきですか?

Wikipediaから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E
1989年4月20日付の夕刊において、沖縄の珊瑚に「K・Y」という文字が刻まれていたことを取り上げ、モラル低下を嘆く記事を掲載する(「百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。」)。しかし疑問に思った地元ダイバーらの調査の結果、記事は捏造、珊瑚に文字を刻んだのも記者自身という事実が発覚して社長が引責辞任に追い込まれる事態へと発展した。

朝日「誤報だらけ」記事に広告掲載拒否VS新潮
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_12/t2005121528.html
朝日新聞はインポだ!元記者烏賀陽弘道氏が腐敗暴露
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_12/t2005122801.html
朝日新聞社:記者倫理行動基準を策定へ 編集改革案
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051227k0000m040082000c.html
http://nokan2000.nobody.jp/mas/asahi01.html

>国等の公共部門が被害対策に乗り出すしかないでしょう?プロバイダ業界は自分たちの力では公害対策などできないというのであれば、公共部門の力を借りればいいではないですか。


http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20093929,00.htm
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0512/15/news031.html
↓このような内政干渉を平然とする中国のような国なら可能かもしれません
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060110AT3K0900C09012006.html

しかし、憲法で「表現の自由」を謳っている日本では、国や自治体がそうした規制に関わるのならば「知る権利」も規制される可能性がある以上猛反対が起こると思います。

投稿: sakimi | 2006/01/13 14:02

> 小倉秀夫 さん

>それともプロバイダ業界のような絶滅危惧業界については公害を垂れ流しにしても構わないということが言いたいのですか?トラック業界は過当競争に苦しんでいるから、有毒な排気ガスを垂れ流しにして構わないとすべきですか?紙パルプ業界は、過当競争で利幅が小さくなったら、ヘドロ対策なんてする必要はないことにしますか?マスコミ業界は、競争が厳しくなったら、裏付け取材なんかせずにセンセーショナルなスキャンダル記事を書いても一切責任を取らなくとも良いことにすべきですか?それとも、プロバイダ業界は、特別に偉いんですか?(中略)プロバイダ業界は、そこで被害者にばかり負担を押しつけて平然としていられるのですか。

 そんなことを誰一人言ってないでしょうに、それもわからないのですか? そういう誰も想定だにしていない極端例や極論を持ち出す暴論を言っているのは、小倉秀夫さん貴方ただ一人で独自の見解で他に誰一人採用していないのですよ。常識から言って貴方の極論暴論を相手にぶつけて回答を強要する態度は、経験則違背や論理法則違背が明瞭な非常識と言っても妨げないものであるし、議論に混乱を招くだけで周囲を困惑させるし、スレタイからも離れた自己の見解の宣伝活動に近いと言われても止むをないでしょう。
 しかも、あなたはISP業界に対し、不自然不合理な私怨紛いの攻撃を公害垂れ流し状態に加えていますが、極めて不快です。真摯に問題点を検討・指摘して「ここがおかしいよプロバイダ業界」というのならまだしも、貴方は、粗雑な分析で一方的に攻撃を加えるだけなので、公の場で議論する態度とは到底解せません。
 論旨は理由がなく、所論は採用の限りではない。

投稿: 常連研究者の一人 | 2006/01/13 14:08

そんなにネットサービスが凶悪なサービスなら、使わなければいいと思うよ>小倉秀夫

とりあえず、小倉秀夫は論拠が明らかでないし具体性にも欠けるんで、
・ネットでの誹謗中傷での被害規模
・小倉式共通IDの具体的要件(仕様)
・その実装にかかるコスト
・その運用にかかるコスト
あたりをキッチリ出してからやってくれませんかね。

文字通り話になりません。今の段階では小倉秀夫名義で妄想をあちこちに振りまいて場を荒らしているだけです。

小倉式共通IDが誹謗中傷等の防止に役立たないものであることや、新たな被害を生むものであること、膨大なコストがかかるものであること、技術的に困難であることはすでに指摘されているとおりで、単なる手段の否定にすぎません。
以前もコメントしましたが、手段として「無駄なことはしない」のがベターです。

さて、では卑怯者にどうやって償わせればよいのだろうか?

簡単です。プロパイダや掲示板管理者に責任を負わせ、かつ、かれらも被害者であればよい。
そのために民事訴訟を起こした過程を考えてみましょう。

金田真一が小倉秀夫を名乗る卑怯者に「では、あなたは卑怯者が自由に誹謗中傷ライフを謳歌できる社会がお望みなのですね?」などと、あたかも金田真一自身がそのような社会を望んでいるかのように吹聴されたとして、名誉毀損を訴え出る
  ↓
金田真一は書き込みがあった掲示板の管理者を匿名のまま訴える
  ↓
掲示板の管理者は「書き込みによって被害を受けた」として、書き込みのログからプロパイダを訴える
  ↓
プロパイダは「書き込みによって被害を受けた」として、会員(匿名の卑怯者)を訴える

それぞれの訴訟は原告にとって一回で済みますね。しかも、最終的に匿名の卑怯者はプロパイダに被害を賠償することになります。が、めぐりめぐって金田真一も救われていますね?
さらに、金田真一には小倉秀夫の個人情報は伝わらず、それ自体も不要です。
いきなり損害賠償にいかなくても、削除要請ができます。掲示板やblogなどの管理者に削除要請を行い、それでも埒があかないときに上記手順を踏めれば妥当でしょう。しかも、個人情報の開示請求そのものが不要になります。
これなら小倉秀夫はプロパイダ以外に個人情報を伝える必要はありません(プライバシーとしての情報コントロールが維持できる)し、犯罪的な誹謗中傷を行った場合は最終的に償いをしなければならないでしょう。

それぞれの段階で海外プロキシを遮断(技術的に簡単なことはおわかりですね?)してさえいれば国内の法整備だけで追跡は可能だと思われますし、必要な法整備はそのような訴訟が可能になればよいわけですから、実装コストもかかりませんし、日本だけが特殊なプロトコルで切り離される危険もありません。
プロキシを弾いておらず損害賠償の訴訟を起こせない場合は、管理義務を怠ったものとして甘受するしかないでしょう。善管義務の解釈としてその程度は受け入れてもらえはしないでしょうかね?

小倉式共通IDなんてものがなくても、被疑者不詳のまま訴訟できれば解決しちゃうんじゃないですかね?
さらに、プロパイダは訴訟に耐えられるよう、またリスクマネジメントできるように、会員の個人特定に力を入れるでしょう。それによって偽名の会員が減ればいいんじゃないですか?
海外からのアクセスやトラックバックに対応できない点では小倉式共通IDと大差ありませんし、こちらのほうは明らかに「個人情報が簡単に流出することによるリスク」を生まずに済んでいますし、ネットで誹謗中傷に遭った被害者を救済するという目的も達成できています。
それに書き込みなどが明確に違法であるなら事件化すればよいわけですし、事件化するまでもないなら緊急性もそれなりに低いでしょう。
繰り返し言われてきたことですが、小倉式共通IDなんて不要ですね。

要するに「新聞記事でウソを書かれた」ので「新聞社を訴え」たとして、結果として「社内で処分されて記者が償う」といった手順が、司法の場でも同様に段階を追えればいいじゃんか、ってことです。
刑事事件になるくらいひどいことになっていたなら、事件化して捜査してもらえば警察ががんばってくれるでしょう。小倉式共通IDのような「記事を書いた記者の住所氏名」を把握して裁判外の自力救済をやりなさい、なんて人治主義的対応を推奨しなくても、法治主義的に解決できるんです。

暴力的な結果を生みやすい小倉式共通IDでなくても、法治主義に則って適切な司法手続を踏めればいいんじゃないですかね。

また、提案した被告人不詳の民事訴訟が可能となっている場合、たとえば「暴走族がラクガキしたせいで被害を受けた商店主」が、取締り不備を理由に警察を訴え、警察は国庫から賠償するとともに暴走族を検挙し、賠償金相当額を暴走族を訴えて損害賠償として補填し、国庫に返納する、とすることができるなど、ネット以外にも充分応用できると思いますが、どんなもんでしょう。

投稿: 金田真一 | 2006/01/13 15:42

そんなにネットサービスが凶悪なサービスなら、使わなければいいと思うよ>小倉秀夫

とりあえず、小倉秀夫は論拠が明らかでないし具体性にも欠けるんで、
・ネットでの誹謗中傷での被害規模
・小倉式共通IDの具体的要件(仕様)
・その実装にかかるコスト
・その運用にかかるコスト
あたりをキッチリ出してからやってくれませんかね。

文字通り話になりません。今の段階では小倉秀夫名義で妄想をあちこちに振りまいて場を荒らしているだけです。

小倉式共通IDが誹謗中傷等の防止に役立たないものであることや、新たな被害を生むものであること、膨大なコストがかかるものであること、技術的に困難であることはすでに指摘されているとおりで、単なる手段の否定にすぎません。
以前もコメントしましたが、手段として「無駄なことはしない」のがベターです。

さて、では卑怯者にどうやって償わせればよいのだろうか?

簡単です。プロパイダや掲示板管理者に責任を負わせ、かつ、かれらも被害者であればよい。
そのために民事訴訟を起こした過程を考えてみましょう。

金田真一が小倉秀夫を名乗る卑怯者に「では、あなたは卑怯者が自由に誹謗中傷ライフを謳歌できる社会がお望みなのですね?」などと、あたかも金田真一自身がそのような社会を望んでいるかのように吹聴されたとして、名誉毀損を訴え出る
  ↓
金田真一は書き込みがあった掲示板の管理者を匿名のまま訴える
  ↓
掲示板の管理者は「書き込みによって被害を受けた」として、書き込みのログからプロパイダを訴える
  ↓
プロパイダは「書き込みによって被害を受けた」として、会員(匿名の卑怯者)を訴える

それぞれの訴訟は原告にとって一回で済みますね。しかも、最終的に匿名の卑怯者はプロパイダに被害を賠償することになります。が、めぐりめぐって金田真一も救われていますね?
さらに、金田真一には小倉秀夫の個人情報は伝わらず、それ自体も不要です。
いきなり損害賠償にいかなくても、削除要請ができます。掲示板やblogなどの管理者に削除要請を行い、それでも埒があかないときに上記手順を踏めれば妥当でしょう。しかも、個人情報の開示請求そのものが不要になります。
これなら小倉秀夫はプロパイダ以外に個人情報を伝える必要はありません(プライバシーとしての情報コントロールが維持できる)し、犯罪的な誹謗中傷を行った場合は最終的に償いをしなければならないでしょう。

それぞれの段階で海外プロキシを遮断(技術的に簡単なことはおわかりですね?)してさえいれば国内の法整備だけで追跡は可能だと思われますし、必要な法整備はそのような訴訟が可能になればよいわけですから、実装コストもかかりませんし、日本だけが特殊なプロトコルで切り離される危険もありません。
プロキシを弾いておらず損害賠償の訴訟を起こせない場合は、管理義務を怠ったものとして甘受するしかないでしょう。善管義務の解釈としてその程度は受け入れてもらえはしないでしょうかね?

小倉式共通IDなんてものがなくても、被疑者不詳のまま訴訟できれば解決しちゃうんじゃないですかね?
さらに、プロパイダは訴訟に耐えられるよう、またリスクマネジメントできるように、会員の個人特定に力を入れるでしょう。それによって偽名の会員が減ればいいんじゃないですか?
海外からのアクセスやトラックバックに対応できない点では小倉式共通IDと大差ありませんし、こちらのほうは明らかに「個人情報が簡単に流出することによるリスク」を生まずに済んでいますし、ネットで誹謗中傷に遭った被害者を救済するという目的も達成できています。
それに書き込みなどが明確に違法であるなら事件化すればよいわけですし、事件化するまでもないなら緊急性もそれなりに低いでしょう。
繰り返し言われてきたことですが、小倉式共通IDなんて不要ですね。

要するに「新聞記事でウソを書かれた」ので「新聞社を訴え」たとして、結果として「社内で処分されて記者が償う」といった手順が、司法の場でも同様に段階を追えればいいじゃんか、ってことです。
刑事事件になるくらいひどいことになっていたなら、事件化して捜査してもらえば警察ががんばってくれるでしょう。小倉式共通IDのような「記事を書いた記者の住所氏名」を把握して裁判外の自力救済をやりなさい、なんて人治主義的対応を推奨しなくても、法治主義的に解決できるんです。

暴力的な結果を生みやすい小倉式共通IDでなくても、法治主義に則って適切な司法手続を踏めればいいんじゃないですかね。

また、提案した被告人不詳の民事訴訟が可能となっている場合、たとえば「暴走族がラクガキしたせいで被害を受けた商店主」が、取締り不備を理由に警察を訴え、警察は国庫から賠償するとともに暴走族を検挙し、賠償金相当額を暴走族を訴えて損害賠償として補填し、国庫に返納する、とすることができるなど、ネット以外にも充分応用できると思いますが、どんなもんでしょう。

投稿: 金田真一 | 2006/01/13 15:42

>金田さん

大変詳細な議論であり、傾聴に値するものと思われます。もちろん小倉先生の案も、それ自体は検討すべき価値のあるものだと思います。

 掲示板管理者はともかくとして、プロバイダに第一次的責任を負わせるというのは、小倉先生の案と共通するのではないかと思います(だからといって、金田さんの批判が失当なわけではありません。ご注意を)。
 ただ、その後の処理の仕方が異なっており、共通IDを導入すれば免責されるというのが小倉説、発信者への賠償請求または求償で適宜対応すべきというのが金田説というように理解しました。

投稿: 佐藤 | 2006/01/13 15:50

もちろん私も小倉説の本来の趣旨(?)であるところの「ネット上で誹謗中傷された人を救う」という目的は達せられてしかるべきと思っております。ただ、その方法として共通IDは妥当性に欠けるため批判してきただけです。

まだ私の中でも本当にベターな提案なのか考えが固まっていませんが、プロパイダに責任を負わせる、というより、便宜的に責任追及のための責任(?)を負うべきだろう、とは考えています。そのためには、適切なログの取得とアクセスコントロールは善管義務の範囲として解釈した上で、手の届く範囲で追跡責任を移していくべきだろう、と考えました。
ただし、被害者が何度も開示請求をしていくのは負担が大きい(一部の言う泣き寝入りの強要)というのであれば、途中段階の処理を簡略化するために賠償等を行い、かつ、その賠償を被害と考えて次段階の追求を行うという手続なら、それぞれの段階でひとつひとつの事案を完結できるだろう、と考えたのです。
これなら各当事者はひとつの損害賠償請求で事案を終結できますし、しかも最終的に誹謗中傷を行った存在まで到達できるだろう、というところです。また、プロパイダや掲示板管理者にコストを強要する必要もありません。

被害者が直接的に加害者(?)に報復しようというのでなければ、そもそも個人情報を得なければならない理由はないのではないか?という考え方の上で、実装と運用にコストのかからない方法として稚拙ながら一案を投じてみました。

ただし、この案では途中段階で適切なログが無い場合や、時間がかかった結果プロパイダがすでにログを破棄している場合などに対応できないといった問題があるわけで、決してこのままどうにかできる提案ではありませんが。

投稿: 金田真一 | 2006/01/13 17:29

>金田さん

>もちろん私も小倉説の本来の趣旨(?)であるところの「ネット上で誹謗中傷された人を救う」という目的は達せられてしかるべきと思っております。ただ、その方法として共通IDは妥当性に欠けるため批判してきただけです。

なるほど。私も同意見です。この点についてはあまり対立するところがないでしょう。

 問題は掲示板やプロバイダに追求されるべき責任をどう考えるかだと思います。
 適切なログの取得とアクセスコントロールを怠り、誹謗中傷に手を貸したという点において過失が認められると解するならば、「匿名の卑怯者」との共同不法行為責任と構成するべきでしょう。ただ、そうすると最終的な賠償責任者たる「匿名の卑怯者」に全責任を転嫁する理由付けが困難となります。
 この点、小倉先生の案はプロバイダ自身の不法行為責任のようにも読めるし、はたまた本来「匿名の卑怯者」が負うべき責任をひきうけているようにも読める。小倉先生には恥ずかしながらもう一度ご教示願いたいところです。「途中段階の処理を簡略化するために」という目的を重視するならば、代位責任的な構成がとれるでしょう。つまり、掲示板やプロバイダの過失を問わないという方向です。被害者救済の便宜という点からは、「適切なログの取得とアクセスコントロールを怠ったという」ことを不法行為の要件というよりは、代位責任の要件ととらえた方がよいかもしれません。
 はたまた、プロバイダや掲示板のリスク管理体制の不備それ自体をひとつの不法行為と構成することも可能かもしれません。プロバイダ等は直接には権利侵害行為を行っていないことからすると、この考えが妥当かもしれません。ただ、個々具体的な状況によって責任の成否が異なるかもしれません。全損害の賠償が認められるかについても同様です。
 さらに、町村先生のおっしゃるように、犯罪被害者給付制度や保険を活用することも考えられます。保険については問題もありますが。「匿名の卑怯者」によって蒙った損害は社会全体で負担すべきという考えです。
 私は、基本的に町村先生の考えが妥当ではないかと思います。プロバイダや掲示板の責任は個々具体的なケースでは認められるかもしれないし、そうでないかもしれない。ただ、被害者救済の観点からはプロバイダ等が被害者補償基金的なものを創設出資し、さらにプロバイダはリスク管理を徹底し「匿名の卑怯者」の利用者に対しては断固たる措置をとるべく規制を施すべきです。
 それで、発信者情報開示の容易化と共通IDはどうかという点については、前者はともかく後者は最終的な解決方法として考えた方がよいのではないかと思います。ただ、共通IDの内容がはっきりしない(typekeyの自主的な導入(プロバイダ責任の免責を前提としない)であれば何もそれを禁止する必要はありませんし)ので、どの程度のものを導入するべきかについては、ゆっくりと、慎重に考えるべきでしょう。

投稿: 佐藤 | 2006/01/13 18:56

私の案の問題点は、
「壁の落書きや貼り付けられたビラで中傷された」場合に、壁のある敷地の管理責任者をまず訴えるというような、理不尽さにあります。
これを改善するには、掲示板等の管理者はアクセスログを提示すれば免責される、とした上で、該当の書き込みのアクセスがあった発信元の業者から責任の追跡を開始する、という方法があるでしょうか。

壁にラクガキをしたりビラを貼るのとは違って、ネットでは少なくとも直前の経路が把握できるようになっています。これをもとに、現行の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律に則って責任の制限と開示請求を求めれば良いのではないかと。そうすりゃ、少なくとも掲示板の運用等に無用な負担をかけずにすみますし、プロキシサーバやプロパイダなどの業者や生業としてシステム管理をしている人、いわゆるプロに責任を負わせるというところに落ち着けそうです。

要するに私の発想は過去に発言した「現状のままが対案」と大差ないんですよね。
現状ではアクセスログをもとにプロパイダに開示請求でしょ。仕組みは同じで、みんなが順番に一人一回ずつ手続するようにすれば見た目楽になるよねってことで。被害者が全部やらずに済めば小倉式共通IDの主張である「泣き寝入りの防止」は達成できるんだから。
泣き寝入りの防止が復讐の達成を意味するなら、私の案は役に立ちませんがね。

共通IDについてはメリットを超大幅に上回りまくる致命的なデメリットがある上にコストが莫大ですから、最初から話になりません。そうでないというなら、ちょっとは具体的な提案をしてから言って欲しいものです。

投稿: 金田真一 | 2006/01/13 19:46

金田さん、
発信者が匿名で名誉毀損書き込みをしたという場合、書き込まれた媒体の管理者が発信者の身元を開示できるようにしておかないと、賠償責任を負うというのでは、小倉説よりもプロバイダにシビアです。
小倉説は、そこで共通IDなるものを導入し、プロバイダが書き込み者のIDを取得する仕組みを作れば、その身元開示によって賠償責任を負わなくてもよくなるというように、プロバイダに逃げ道を開いたものですから。

>適切なログの取得とアクセスコントロールは善管義務の範囲として
>解釈した上で、手の届く範囲で追跡責任を移していくべき

プロバイダがすべきことは、第一に被害を受けた人からなんとかしろと要求されたら、発信者が自ら正当性を主張したければそうできる場を用意するか、発信者が反応しなければとりあえず被害が拡大しないように名誉毀損書き込みの削除なり送信停止なりをすることでしょう。
つまりノーティス&テイクダウンです。

それ以上に発信者の身元を突き止める責任を負うのなら、共通IDでもないとやってられんのではありませんか?

投稿: 町村 | 2006/01/13 19:52

言葉が足りなかったかもしれませんが、

>発信者が匿名で名誉毀損書き込みをしたという場合、書き込まれた媒体の管理者が発信者の身元を開示できるようにしておかないと、賠償責任を負う

ということではありません。こんな感じを想定してました。

金田真一(プロパイダAの会員・誹謗中傷を発信)
プロパイダA
プロキシサーバA'
無料blogサービスを利用する町村先生(blogger)
被害者B(町村先生blogで金田真一により誹謗中傷された被害者)

この登場人物で、金田真一がプロパイダAからプロキシ経由で、無料blogサービスを利用している町村blogに誹謗中傷を書き込んだとして、

・被害者Bは町村に情報開示請求 → 町村先生は応じて免責
・町村先生の提供したログからプロキシサーバA'に被害をもとに賠償請求訴訟
・プロキシサーバA'の管理者は、自身が管理するログからプロパイダAに賠償請求訴訟
・プロパイダAは金田真一に賠償請求訴訟

この流れなら、被害者が町村先生・プロキシサーバA'・プロパイダAと三回の開示請求をしなくても、一回の開示請求と一回の民事訴訟で済みます。blogger の免責には今でも掲示板等でよくある「悪質な書き込みに対してはアクセスログを開示します」といったことで対応できるかと。
手続きとしては最初の民事訴訟で被害が確定したら、あとは機械的に確定した被害をアクセスログという証拠に基づいてスライドさせるだけで、単純に処理できるのではないでしょうか。
 なので、プロパイダは従来どおり料金を徴収できる程度には身元を把握しておき、かつ、アクセスの際に不法行為があった場合の責任を負うと明確にした契約を行うことで対応できますし、削除要件を明らかにして、適切に削除していけば対応できるのではないかと。
 他の段階では、それぞれ賠償責任は一時的なものというか、便宜的にそう呼んだものですが、「自分の1HOP前の相手」が特定できていれば、最終的に回収・復旧(?)できる、という目論見です。

また、これは暗黙の前提として端折った私のミスですが
>プロバイダがすべきことは、第一に被害を受けた人からなんとかしろと要求されたら、
(中略)
>つまりノーティス&テイクダウンです。
 これは大前提だと思っています。訴訟に踏み切る前にそういったアプローチはあってしかるべきだろうと思っています。プロパイダが間に入って会員に注意したり警告したり、あるいは苦情を伝えることもできるでしょうし、今までもいくつかそうやって解決したケースもあったようです。場の管理者、つまりこの例では町村先生に「金田は誹謗中傷が酷い、なんとかしてくれ」と申し入れがあり、金田真一が周囲の注意も聞き入れずにいるなど悪質で、アクセス規制をかけてもプロキシを変えてやってくるなどの場合は、そりゃ訴訟になっても仕方ないですし、その場合に町村先生が巻き込まれないようにアクセスログを渡して「あとは勝手にやってくれ」となるのが普通でしょう。
 が、一部で懸念されている多段プロキシ(懐かしい響きですが)の場合、開示請求が複数回に及ぶのが問題だというなら、一発で終わらせればいいだろ、という浅はかな考えです。

 ということで、プロパイダはすでに対応しているはずの会員の接続状況の把握を維持していればよく、他の段階ではそれぞれアクセスログが適切に取得されていればよい、と考えています。ですから、
>発信者の身元を突き止める責任
はプロパイダが会員情報を正確に把握していればよく、言ってみれば被害者のもとに発生した債権をバケツリレーのように伝えて、パケットの経路を逆に辿って発信者までたどり着かせよう、という発案です。

 実際には先に私自身も書いたように稚拙な発案ですし、そのままではどうにもならないものですが、ほとんどの場合はすぐに発信者が直接的に利用したプロパイダや会社・大学などのネットワークに行きつけると思います。
 あとはそこがクライアントを把握しているかどうか、といったところではないでしょうか。

 とはいえ、債権のバケツリレーができるのか、途中で途絶えたらどうなるんだ、そもそもボットネットやそれに近いものに対応できてねえぞ、など、他にも私が気付いていない問題はきっと山積しているはずです。

 が、プロキシが根絶できない以上、段階を追うのも仕方ないかなあと。

投稿: 金田真一 | 2006/01/13 21:18

「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」中間取りまとめの公表
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060126_1.html
が出ています。
 刑事責任がクローズアップされていますが、古い裁判例にもとづく議論でして、急先鋒の名古屋地裁では通用しません。

投稿: 奥村徹(大阪弁護士会) | 2006/01/27 10:53

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