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2005/12/27

arret:婚姻費用請求権の差押えと診療報酬

最決平成17年12月6日
家事審判で認められた婚姻費用の請求権は、民事執行法151条の2で、期限が到来していない将来債権についても差し押さえることができる。

原審は、「社会保険診療報酬債権は,保険医が被保険者を診療することによってその対価として受ける個別的な債権の集合であって,同一の契約関係から継続的に発生するものではないから,『継続的給付に係る債権』には該当しない」と判示した。
しかし最高裁は、次のように述べて、差押えを認めた。
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法律の規定(健康保険法63条3項1号,国民健康保険法36条3項等)に基づき保険医療機関としての指定を受けた病院又は診療所は,被保険者に対して診察等の療養の給付をした場合,法律の規定(社会保険診療報酬支払基金法1条,15条1項,健康保険法76条,国民健康保険法45条等)に基づき,診療担当者として,保険者から委託を受けた支払基金に対して診療報酬を請求する権利を取得することになる。そして,上記の診療担当者として診療報酬を請求し得る地位は,法律の規定に基づき保険医療機関としての指定を受けることにより発生し,継続的に保持される性質のものであるため,上記指定を受けた病院又は診療所は,被保険者に対し診察等の療養の給付をすることにより,支払基金から定期的にその給付に応じた診療報酬の支払を受けることができる。また,診療報酬債権に係る上記の法律関係は,病院又は診療所が生活保護法に基づき指定医療機関として指定を受け同機関として療養の給付をした場合,児童福祉法に基づき指定育成医療機関として指定を受け同機関として育成医療の給付をした場合等,支払基金が法律の規定に基づき委託を受けて医療機関に対して診療報酬を支払うものとされている場合についても,基本的に同様である(社会保険診療報酬支払基金法15条2項,生活保護法49条,53条,児童福祉法20条,21条の3等)。
 そうすると,保険医療機関,指定医療機関等の指定を受けた病院又は診療所が支払基金に対して取得する診療報酬債権は,基本となる同一の法律関係に基づき継続的に発生するものであり,民事執行法151条の2第2項に規定する「継続的給付に係る債権」に当たるというべきである。
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