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2005/11/11

arret:隠し撮り写真はもちろん法廷イラストによる肖像権侵害

最判平成17年11月10日
林真須美が新潮社を訴えて勝訴した。

1 刑事事件の法廷における被疑者の容ぼう等を撮影した行為及びその写真を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とされた事例
2 刑事事件の法廷における被告人の容ぼう等を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為のうち,手錠をされ,腰縄を付けられた状態を描いたイラスト画の掲載は不法行為法上違法であるが,その余のイラスト画の掲載は違法ではないとされた事例

1はまあ当然として、2も一部とはいえイラスト画の違法性を認めた点は、評価が難しい。

ただ、原審ではイラスト画のうち手錠腰ひも姿以外のものも違法としていたのを、最高裁が破棄を免れないとしたのであり、以下の判示がポイントだ。
「法廷において,被上告人が訴訟関係人から資料を見せられている状態及び手振りを交えて話しているような状態が描かれたものである。現在の我が国において,一般に,法廷内における被告人の動静を報道するためにその容ぼう等をイラスト画により描写し,これを新聞,雑誌等に掲載することは社会的に是認された行為であると解するのが相当であり,上記のような表現内容のイラスト画を公表する行為は,社会生活上受忍すべき限度を超えて被上告人の人格的利益を侵害するものとはいえないというべきである。」

 この限りでは、支持できる。

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コメント

「支持できる」とのことですが、肖像権侵害はともかく、侮辱・名誉毀損でないと言い切れるのか疑問です。正当な提訴行為に対するあからさまな侮蔑であって、表現の自由の範疇を越えていると思いますが。
あと、被告人の氏名は、「実」ではなく、「美」です。

投稿: 増田尚 | 2005/11/12 19:17

ご指摘ありがとうございます。直しました。

それと侮辱・名誉毀損は、手錠腰ひも姿を別にすると、イラストだけの問題ではなくて記事内容もあわせて評価されるべきでしょう。

投稿: 町村 | 2005/11/13 00:17

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