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2005/10/28

arret:ダスキン議事録等ウェブ開示事件控訴審判決

大阪高判平成17年10月25日

結論は双方の控訴棄却であり、非訟事件に提出された弁護士の意見書や任意開示された取締役会議事録をウェブに公開した被告の行為は、これらをむやみに公開されないと言う法的保護に値する利益を侵害するもので不法行為を構成するとの1審判決が支持された。

我らが壇先生の代理人事件である。
名誉毀損やプライバシー侵害は認められなかったが、非訟手続に提出されたり任意開示された文書の公開は原則として不法行為になるとすると、名誉毀損で認められるような表現の自由との調整が全く施されないことになる。現に本判決は、次のように判示している。
(1) 1審被告は,1審被告の行為が名誉,情報プライバシー又は信用の毀損に該当するとしても,公共の利害に関し,専ら公益を図る目的でなされ,その内容が主要な点において真実であるか,若しくは真実と信じたことに相当な理由があるから,その違法性は阻却される旨主張する。
(2) しかし,1審原告ダスキンとの関係で1審被告の不法行為とされるのは,前記のとおり,当然には公表されるべきでない1審原告ダスキン又はその代理人弁護士作成の文書を1審原告ダスキンの意に反して公表したことによって1審原告ダスキンの社会的評価を低下させたというものであるから,同文書の内容の真実性はそもそも問題にならない。
 また,本件においては,1審原告ダスキンの食品衛生法違反事件及びその事後処理が国民の関心事であり,同様の事件の再発防止が社会的に要請されていたことが認められるものの(乙第7ないし第32号証等,弁論の全趣旨),既にみたとおり,1審被告が本件各文書を公表したこと自体が法規の趣旨,目的に反し,著しく信義に反するものであって,それ自体違法と評価されるものである以上,上記の点を考慮にいれても違法性が阻却されることはないというべきである。

ということなので、名誉プライバシー保護よりももっと表現の自由に対しては厳しい判断といえる。

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コメント

この事件、仮処分では著作権の問題とされ、原審では信用毀損の問題とされ、高裁では誰も主張してないはずの信義則の問題とされたという流浪の事件です。決定書と判決を並べて読んでみるととてもおもしろいです。。。

が、私はどこに流れていくのでしょうか?

投稿: Toshimitsu Dan | 2005/10/28 20:57

壇先生、なかなか興味深い判決ですね。詳しく知りたいところです。

投稿: 町村 | 2005/10/28 23:23

 辛口で恐縮ですが、木を見て森を見ない(見えない)裁判官に次々と当たったような雑感を受けました。

投稿: 通行中 | 2005/10/29 00:12

地裁判決は最高裁HPにあります。
http://courtdomino2.courts.go.jp/chizai.nsf/Listview01/6352B976419969D649256FD2000A2599/?OpenDocument

仮処分の抗告の決定書は最高裁のHPには出てないですねぇ。

投稿: Toshimitsu Dan | 2005/10/29 01:15

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