新任講師の頃
落合先生新任検事の頃を読んで、今、あんなに凄い人に見える方でも新人の時は苦労したんだなぁと思う次第。
振り返ると、私も新任講師の時代は思い出すのもつらい(というと大げさだが、それくらいの)時期があった。
書き始めると終わらないので1000字程書いて消してしまったが、大学の先生の場合は研究、教育、学内行政、そして社会的活動の4つの柱があるが、新人の私は教育にエネルギーを割かれ、研究で焦り、行政で無能を露呈した。社会的活動といえば、司法委員をしたこともあったが、これは裁判所が積極的に司法委員配置をしなかった時期でもあり、無能を露呈する機会もなかったというところだろう。
(落合先生の原因分析)
1 一通りの法律知識はあるが、実務に即した知識ではないため、現実の事件処理等に生かせない
2 実務上、定着、確立している手続、書式、文章表現などが身に付いていないため、上司等から見て明らかに不十分としか見えない場合が多い
3 若くて未熟なため、いわゆる「報・連・相」(報告・連絡・相談)がうまく行えなかったり、仕事の段取りが悪く、手持ちの仕事がうまく処理できない上、周囲から見ていても危なっかしい
これを大学の先生バージョンにしてみると、
1 一通りの法律知識はあるが、理解しているのは専門分野の奥底に限られるため、授業という形で学生レベルにあわせた開陳が出来ない
2 大学行政の全体や従前の経緯などを知らないため、誤解に基づく発言や行動がしばしばある
3 若くて未熟な一方で同僚は対等扱いをするので、そのギャップやリアクションが本人を追いつめ、同僚の態度も悪い方向に変わる
というところだろうか。
少なくとも同僚は選ぶことが出来ず、相手の環境を理解しないで勝手なことを高圧的に言う同僚や相手を無能と見ると頭から無視するタイプに出会うとますます事態が悪化するのだが、その一方で、それなりの敬意も失わず必要な援助は惜しまない神様のような同僚もいる。
石の上にも3年というが、私の場合も3年間は苦しみながら仕事を覚えていった時期だ。最初の年の学生さんには本当悪いことをしたと思うが。
| 固定リンク
コメント
はじめまして
落合弁護士のブログ経由でお邪魔しました。
ひょっとしたら同じような境遇でいらっしゃいますでしょうか。
ときどき覗かせていただきます。
投稿: y-yabe | 2005/08/23 14:05