神奈川県知事のBLOG
松沢知事のブログは、現在コメントスクラム((C)小倉秀夫弁護士)状態となっている。
問題は、残虐ゲームソフトの有害図書指定を行うという方針であり、これに対する多数の反対意見が殺到している。
500件から1000件以上のコメントが、関連するエントリに殺到している。
それらが皆有害無益な卑怯系コメントかというと、そうでもない。
尻馬に乗って騒ぐ輩は確かに含まれているが、かなりの割合で、まともな反対論が寄せられているのである。
最近のコメントで良くまとまっているものを無理矢理要約すると、残虐ゲームの有害図書指定の問題点がくっきりと浮かび上がる。
○自主規制団体の活動強化が先
○規制のための科学的(学術的)根拠がない
○『言論・表現の自由』をどういうものとして受け止めているのか。
○特定の誰か(今回の場合は松沢知事)が特定の価値観によって作品を規制することは反民主的
○表現規制関連の問題は国民の自主性に任せられるべき
○少年犯罪がどんどん増えている事実は存在しない。ゲームの存在が少年犯罪の発生原因でないことは明白
○審査の方法に問題がある。
○審査基準は”残酷””性的”の定義もはっきりさせておらず、いくらでも拡大解釈が可能
○「犯罪を犯した少年は残虐ゲーム愛好者だった。だから少年を犯罪に走らせた原因は残虐ゲームだ」などという
○残虐、非人道的な内容を含むドラマ作品、映画作品、報道番組などは野放し
○過度に残虐、性的な内容を含む作品は悪影響と同時に抑圧された欲求の捌け口として機能する
○過激な内容の作品がこの世の中にはあること、上手な付き合い方を教えることこそが真の意味で青少年の健全育成に有効
○反対意見になど耳を貸さない
○現実と虚構を混同しているのは松沢氏の方。
○安易な規制強化アニメ、ゲーム産業を衰退させる
○「ゲームの長時間プレイによる子供の脳への有害性の科学的証明」は信頼するに値しないイカサマ
○ゲーム規制よりも、地域社会の育成や性教育の見直し、家庭問題、世代を超えた交流の推進などの問題に取り組んだ方がよっぽど有益
私も残虐ゲームを子供に与えたいとは思わないが、法的に規制することは別であり、ましてゲーム脳がどうしたとかいうトンデモ理論に影響されているのだとすれば、話にならない。
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コメント
「高校や大学の運動部が、女性を集団レイプした事件が相次いでいるが、スポーツを規制しないのはなぜか?」というコメントもありましたね。ごもっともです。
投稿: 井上 | 2005/07/24 17:17
審査の方法が稚拙すぎますよ。
1、ゲームに詳しい職員が問題のありそうなものを売り場で選んで買ってきて、
2、ゲームに詳しい職員がプレイしてみて、
残虐なところをビデオに撮り(10分ほど)、
3、そのビデオ(10分ほど)を審査員が見て判断する、
というお手軽なものですから。
それはともかく、コメントスクラム((C)小倉秀夫弁護士)している人たちは、内容に統一性があるので、
「組織的なネット右翼」((C)小倉秀夫弁護士)なんでしょうかね?
投稿: 七誌 | 2005/07/25 16:25
組織的なことはネット右翼の要件だったかな?
投稿: 町村 | 2005/07/25 20:13
で、町村先生としては、松沢知事はどうすべきだとお考えですか?
コメントスクラムが納得するまで批判的なコメントに答えるなんてことを松沢知事が実践していたら、神奈川県政は滞ってしまいそうな気がしますが。
ブログを持つ政治家は匿名コメンテーターをいらだたせるような政策を実践すべきではないということになると、ブログを持つ政治家はマイノリティの人権に配慮した政策を行うことができなくなりそうです。
投稿: 小倉秀夫 | 2005/07/26 08:53
別に匿名コメンテーターを満足させることは必要がないです。コメント欄にいちいち丁寧に答える必要もないかもしれません。
ただ、コメント欄に寄せられた意見の内容自体は、知事にとっては貴重な情報源ともいうべきでしょう。
本来なら給料を払っている職員に考えてもらったり調べてもらったり、あるいは外部に報酬を支払ったりして得られる知見を、タダで、提供してくれるのですから。
自分の意見と違うことを突きつけられたとき、それをどう取り扱うかはブログを開いた人の裁量だし、その対応自体もブログ開設者に対する評価につながるのでしょう。
もちろん中には異常な執拗さや攻撃性を見せる人がいて、相手すんのはアホらしいと言いたくなるときもありますし、人を貶めることを目的にしたような内容とか、実際被害が発生することもありますけども、それはネット上だけの問題ではないでしょうから。
マイノリティの人権に配慮した政策を行うための障害も、ブログなんかではなくて、現実の選挙民を説得するのが難しいからなんでしょう。
逆に選挙民の多数が納得してもらえるなら、ブログで何か書かれても、政治家としてはまあ痛痒を感じないだろうし、かえって宣伝になって良いかな、と。
これは政治家の話ですよ、皆さん。私は市井の人なので、コメントスクラム(C)小倉は遠慮します。
投稿: 町村 | 2005/07/26 15:17
>ブログを持つ政治家は匿名コメンテーターをいらだたせるような政策を実践すべきではないということになると、
もう真面目に取りあうべきではないと分かっていても、改めて感心する。
a)知事が全員納得行くまで返事
か
b)匿名コメンテータを苛立たせる政策はしない
の二択か。はあ。
投稿: 匿名希望 | 2005/07/26 18:45
>小倉先生
人を小馬鹿にしたような誤読(ミスリード?)は止めましょう。ここはあなたのブログではなく他人のしかも大学供述のそれなりにアカデミックなブロクです。
あなたの筆による他人のオピニオンに対する解釈や反論は,常に極端例を持ち出してミスリード攻撃し(極端例の誤謬),最後はあり得ない二者択一を強引に設定する(オプションマジックの誤謬)という手口に収斂されており,その誠実さに疑義が生じるだけです。
投稿: 通行人 | 2005/07/28 22:16
荒らしはスルー(http://www.virtual-pop.com/tearoom/archives/000077.html)なんて昔から言いますが、要するにこういうときの対応にネットリテラシー能力が現れるのかなと。
能力が低いと変な発言をして批判しかない状態を作り出し、更に変な発言をして悪循環とか起こりえますが、発言が一考に価する場合――そのように説得と言いますか、自己の意見を理解させる能力があれば、賛同者も増えるわけで。
もちろん、『尻馬に乗って騒ぐ輩』にはどんな正論も無意味ですけど、「コメント要因皆アホウ」とかそんな状況ではないわけですし、そこまでいったら、意見も聞かずに荒らし対策で充分と。
もちろん義務でない以上、コメント量のコントロール(コメント停止とか)に走っても構わないでしょうし、別に無視したところで何の問題もない。
結局は周囲にどう思われるかと言うことだけで、例えばコメントを無視したときに、「アホウ相手に面倒くさくなったのだから当然」と思われるか、「逃げたな」と思われるかはそれまでのアクション次第。「逃げたな」と思われたところで、自分に自信があるなら気にする必要もなく。だって周囲の「マトモな人間」はそんな風には思わないはずだろうから。
というわけで、まがりなりにも社会に出るのだから、最低限のリテラシー能力は備えて欲しいなと思うものであり、松沢さんも特になんかアクションしろとも閉鎖するなとも思わないが、ちゃんとした発言は抜粋して思考してくれると「ブログであった意味があるのにな」と思います。
せっかく、責任ある大人が「言捨て意見受け付けず」ではないコメント付ブログを選んだのだから。
#まさか流行だから、で安易に選んで後悔とかされたてたらいやだなぁ…
そのあたり7/27のアナウンスで触れられているので今後に請うご期待と言うところでしょうか。
>匿名希望さん 通行人さん
ところで話し変わってあんまりにもヘンテコな煽りはスルーすると言うのもリテラシー能力だと思うのですけれどどんなもんでしょうかね?(笑)
投稿: サスケット | 2005/07/29 00:26
サスケット様>
>あんまりにもヘンテコな煽りはスルーすると言うのもリテラシー能力だと思うのですけれど
そのとおりでした。失礼仕りました。
投稿: 通行人 | 2005/07/29 13:44
>あまりにもヘンテコな煽りはスルー
だってヘンテコ弁護士があまりにも面白いんだもん。
誠実とか有意義な議論とかいうレベルはとうに解脱なされた煽りfor profitというか純粋ヘンテコ芸人なのは分かってるんだけど、つつくのもスルーもジレンマというか。
投稿: 匿名希望 | 2005/07/29 19:25