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2005/07/16

arret:第三者異議訴訟を法人格否認の法理により排斥した事例

最判平成17年7月15日

ボツネタ経由で知った重要判例である。

判決要旨部分
「 2 甲会社がその債務を免れるために乙会社の法人格を濫用している場合には,法人格否認の法理により,両会社は,その取引の相手方に対し,両会社が別個の法人格であることを主張することができず,相手方は,両会社のいずれに対してもその債務について履行を求めることができるが,判決の既判力及び執行力の範囲については,法人格否認の法理を適用して判決に当事者として表示されていない会社にまでこれを拡張することは許されない(最高裁昭和43年(オ)第877号同44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号511頁,最高裁昭和45年(オ)第658号同48年10月26日第二小法廷判決・民集27巻9号1240頁,最高裁昭和50年(オ)第745号同53年9月14日第一小法廷判決・裁判集民事125号57頁参照)。
 ところで,第三者異議の訴えは,債務名義の執行力が原告に及ばないことを異議事由として強制執行の排除を求めるものではなく,執行債務者に対して適法に開始された強制執行の目的物について原告が所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有するなど強制執行による侵害を受忍すべき地位にないことを異議事由として強制執行の排除を求めるものである。そうすると,第三者異議の訴えについて,法人格否認の法理の適用を排除すべき理由はなく,原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されないというべきである。」

ロースクールの学生さんたちは、是非、この判旨の意味を理解し、他の事例、たとえば当事者確定の場面でよく出てくる別会社を設立して被告を誤らせた事例に当てはめるとどういうことになるのか、考えてみよう。

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

「所論引用の前掲最高裁昭和53年9月14日第一小法廷判決は,本件と事案を異にし,本件に適切でない。論旨は採用することができない。」
といってるところから
・執行文付与の訴えにおける場合は、適用されず第三者異議の訴えの時は適用される。

・法人格否認の法理は事案限りで適用される。実定法の段階で認められても、当然に
訴訟法上認められることにはならない。


・法人格否認の法理はいわゆる訴訟法(執行法)にも適用される。
・いわゆる濫用事例に適用がある
*これまで下級審が訴訟法上においても
認めてきたのは形骸化事例だけだったような。

「第三者」の解釈で却けることはできなかった
のかという素朴な疑問
あるいは、権利濫用で却けることもできたのに
という疑問。

>当事者確定の場面でよく出てくる別会社を設立して被告を誤らせた事例
法人格否認の法理を適用するまでもなく、
任意的当事者変更ではだめですか?

#商法においては法人格否認の法理に対して否定的な見解の方(江頭教授等)が多いですが、
民訴法学者のなかではどのような見解が
現在の通説なのでしょうか?

投稿: 東馬 | 2005/07/17 19:05

法人格否認の法理は、民訴法学者の中ではあまり異論が聞かれないようです。訴訟法上の効果を左右するよりも実体的な解決を図っているから、実体法で法人格否認が認められるのであれば、それはそれで良いという態度なのかもしれません。

任意的当事者変更ということになると、それまでの訴訟状態は引き継げないことになるでしょう。ただ、そこも信義則上変更前の当事者の訴訟行為を変更後の当事者が否定できないとするのであれば、それはそれでも良いのかもしれません。でもそうなると、もう何でもありかな、という気になってしまいますが。

投稿: 町村 | 2005/07/17 23:35

>訴訟状態は引き継げない
恥ずかしながらメリットとして単純に訴訟費用の節約だけを考えていました。

町村教授のお考えですと、任意的当事者変更によるのではなく、表示の訂正ないしは
表示の訂正の拡張という方法で信義則ないしは法人格否認の法理を根拠に認めるのかなと
コメントから推察してみます。

ただ、任意的当事者変更でも通説の見解に
立たなければ信義則を根拠に
無駄のない従前の訴訟資料の引継ぎという
観点から、法人格否認の法理を用いずとも
比較的容易に認めることが解釈上可能と考えます。

後は、判例では否定されている、訴訟行為に表見法理を適用するという解決策が考えられますが、自信はありません。

>法人格否認の法理は、民訴法学者の中ではあまり異論が聞かれないようです。

貴重な回答ありがとうございます。

*コメントが遅れて申し訳ありませんでした。

投稿: 東馬 | 2005/07/23 01:22

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