LSは自然淘汰に任せようby最高裁
岡口ブログで知った明日の裁判所を考える懇談会(第15回)協議内容での記述。
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教育内容については,一部の法科大学院では,いまだ学生に対して法曹となるために必要にして十分な水準を明確に示すことができず,次にご説明する司法試験の合格者数の問題との関係もあり,学生が不安感を抱いているといった話も伝わっている。
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恐らく,各法科大学院の司法試験合格率は均一的ではなく,大学によってかなりの格差が生じるだろう。その結果,自然現象として,合格率が著しく低い法科大学院への入学志望者は減少し,総数の上でも自ずと全体の枠は縮小されるのではないか。もちろん,人為的な操作と自然現象とでは,少し問題を異にするであろう。
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最高裁は、一方では自然淘汰による調整を述べつつ、次の記述などでロースクールの養成目標を法曹以外の法律専門家にも広げてはどうか、と考えているようだ。
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今回の法科大学院の創設に当たっては,法科大学院の設置によって法学部の職域が侵されるのではないかという不安感も手伝ってか,非常に無理をして多数の法科大学院が設置され,初年度が始まってしまったようにも思える。この二,三年のうちには,法科大学院の自然淘汰というプロセスが起こることも予想されるが,やはり長期的に見ると,法学部の役割を見直す必要があるだろう。法科大学院には,法曹三者への人材供給という目的もあるが,従来の法学部における行政官や企業のトップエリートを養成する機関としての役割を,法科大学院が引き継ぐのが一つの理想型ではないだろうか。
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コメントすることはあまりないが、ともかくも日々勉学/仕事に励むしか現場でできることはない。
予習がつらいとかレポート添削がつらいとか泣き言言っている暇があったら勉強/仕事せねば。
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コメント
五・七・五ですね。>タイトル
投稿: 増田尚 | 2005/06/04 13:52
鋭い!
投稿: 町村 | 2005/06/04 14:48
まぁもう制度として始まってしまった以上「ともかくも日々勉学/仕事に励むしか現場でできることはない」んでしょうね・・・。そして「この制度の存在自体」に内在する問題点については省みられず風化していきそうな気がします。
投稿: 法科大学院反対論者 | 2005/06/05 01:12
実務家のblogで論じられている、「金がかかる」「時間がかかる」「一部階層の人しか法律家になれない」ってことでしょうか?
投稿: 井上 | 2005/06/05 11:47
まぁそんな所です。とくに3つめの点ですね。
「そんなことはやる気しだいでどうにでもなる」と言われればそれまでですけど。
投稿: 法科大学院反対論者 | 2005/06/05 12:38
お金は借りれば用意できますが、時間はどうにもなりません。寿命は延長できない。時間を節約する教育制度があってしかるべきです。
私は「高校から大学院への飛び級」を主張しています。実験系に限った話ですけど。
投稿: Inoue | 2005/06/05 15:18
私は法学部3年から飛び級で法科大学院既修コースに入学することで、大学入学から5年で法務博士になれるコースを確立するのだと思っていました。
理論的には今でも可能と思いますが。特に日弁連法務研究財団の適性試験は大学3年生でも受験可能ですし。
投稿: 町村 | 2005/06/05 16:03