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2005/05/26

News:銀行の業績回復

結構な話で、バブル期につぎ込んだ不動産等の無謀融資の焦げ付き分とその後の景気低迷でさらに増大した焦げ付き分の手当がようやくついたらしい。
しかし、その金を出したのが我々一般庶民であることを考えると、テレビで得意顔の銀行員に対して釈然としない思いを禁じ得ない。

いうまでもなく、銀行の業績が回復したのは、債権回収に力を入れたこと、リスクは回避し、あぶないところからは撤退したことに加え、ゼロ金利時代ということで、本来なら資金調達コストがかかるところをほとんど免れていることによる利益、そして巨額の公的資金投入によるカンフル(信用維持)、この三つのおかげである。

このうち公的資金投入は、まあいいとしよう。足利銀行のようにつぶれてしまえば回収困難になり、投入しなければ拓銀、長銀、日債銀といった死屍累々が再現すること必定で最悪の事態となったはずだ。それを回避できたこと、それに回復した銀行は、JRと違って、いつかは返してもらえるお金と当てにできそうだ。

しかし本来あるべき資金調達コストを免れているのは、許せない。誰がそのコストを負担しているかというと、預金者である。
先日の民訴学会総会で収支決算がなされ、その収入に占める利子がたったの34円であったのを見ても、いかに銀行全体が預金者から収奪しているかがわかろうというものだ。

業績回復したなら、コストも負担しろ、といいたい。

そして債権回収についても、当然の企業努力であるとはいえ、行きすぎれば取引先を犠牲にして自分の身だけを安全なところに置くという醜い姿が現れてくる。
公的資金を投入し、預金者からの収奪も公に認めて、なんとかつぶれないように政策的努力を重ねてきたのは、そのような醜い企業ではないはずだが。

これでは高利貸しと博打が仕事の無頼者と呼ばれても仕方がないではないか。

この最後の点は、本来やるべき業務をきちんとやっているだけ、という反論が聞こえてきそうだが、要はバランスの問題であり、リスク評価を取引先にも開示して透明性を確保するなど、やり方の問題でもある。一概にはいえないが、指摘されている問題事例には、きちんと答えていくべきであろう。

ということで、儲かり始めた銀行がなすべきことは、バブル期のような不動産投資の再開ではなく、免れているコストをきちんと負担することと、公益性とは何かを考え直すことだ。

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コメント

 銀行預金金利は低くありません。昨年が消費者物価が1%下がりましたので、金利が0%でも、実質的に1%の金利をもらったことになります。普通預金で年利1%。かなり高いです。
 もしも、年利0.5%であっても預金者に支払うと、その分の金利コストを貸し出し金利に上乗せしなくてはならず、成長の足かせになると思いますよ。

投稿: 井上 | 2005/05/26 11:51

はあ、さようで。

でもそれは元本取り崩しを前提にした話です。

それに金利コストを預金者に与えないことをよりどころにする成長ってのは、異常事態だと思いますが。

私は赤字国債依存症とかゼロ金利依存症とかが、麻薬中毒患者のように見えます。

投稿: 町村 | 2005/05/26 13:16

細かい計算とかはいろいろあるようですが、現在の経済状況で、手元資金全体に対して1%の運用収益を稼ぎ出すのはかなりたいへんなようです。
バブル期までは、普通預金にいれておくと、物価上昇率が利率をうわまっていて、実質目減りとかしたのではないでしょうか。それがないだけましかと。

1000万の元本保証という低リスクを享受しながら、利息を高くというのも、ある意味いいとこどりすぎるのもあります。
資金運用で高配当を望むなら、リスクテイクする運用をとるというのでよいのではないでしょうか。

投稿: tedie | 2005/05/26 16:01

あまりに低金利が長く続くと、それを基準に考えてしまう習い性ができてしまうのでしょうか。
利息を高く、と言ったつもりはなく、それなりの利息を付けるべしといったまでです。どの程度が適切かは、議論が分かれるところでしょうが、過去の不況期の例や諸外国の例、それに法定利率というのがさしあたりの目安でしょう。あるいは百歩譲って国債とか。

それに預金者にリスクテイクを求めるのは流行の議論ですけども、一般庶民や財団にとっては無茶な要求です。

投稿: 町村 | 2005/05/26 16:18

銀行間の短期決済の利率がほぼ0%に近いレベルにある以上、普通預金にそれをはるかに超える利率を要求するのは、えぐい要求ではないでしょうか。
公定歩合は今0.1%くらいでしょうか。定期預金の利率がこれに相当していればとりあえずよしとしても問題ないように思います。
預金者にリスクテイクを求めているのではなく、資産運用するのにリスクテイクは必要ということです。元本の目減りは防いでくれたり、多額の現金を保管してくれたりということを代行してくれる機能で十分ではないですか。
資産運用しないのであれば、複数の金融機関に預金を分散することで、一般庶民は資産を確保できます。

投稿: tedie | 2005/05/26 21:37

そもそもの問題はゼロ金利政策それ自体で、依存症状態となって金融政策はもはや硬直化して抜け出せなくなっているわけです。
もっとも銀行の金利というのは大昔に自由化されて、もはや公定歩合に連動するものではなくなったし、横並びも崩れているはずですがね。

投稿: 町村 | 2005/05/27 02:15

 町村さま。ゼロ金利下だからこそ、預金金利は横並びなんです。今以上に下げられないから。わかっていらっしゃることと思いますが。
 銀行側は、できることならマイナス金利を取りたいくらいでしょう。米国の銀行なみに、小額預金からは管理費を徴収する銀行も一部にはあります。

 ゼロ金利を抜け出すにはインフレをおこして物価上昇率を上げることが必要であり、そのための量的緩和ですが、奏功していません。「金融はヒモ、財政は棒」で、引き締めはできても無理やり増やすことはできないというのです。
 しかし、リフレ論者の八田辰夫や岩田紀久男に言わせるなら、日銀の国債買い入れという最終手段が残っており、それは1930年代の高橋財政において実際に有効だったと論じています。

 もっとも、それでマイルドインフレがおこると、名目金利は上がっても実質金利はさらに低下します。

投稿: 井上 | 2005/05/27 04:20

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