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2005/05/16

beginner言い分方式(1)

ある交通事故に関する両当事者の言い分である。単純な話なので、ロースクール生のみならず法学部生にも簡単に法的整理がつくのではないか。

【山田春子の言い分】
 私は免許を取って以来、無事故で3年間通してきました。ところが、先月末の29日に、ついに初めての事故を経験してしまったのです。
 その日は勤務先の事務所を6時くらいに出て、同僚の吉岡良子さんを送ってから自宅にむかうつもりで、まず吉岡さんの家へ行くところでした。吉岡さんのお宅は私の通勤路から少しずれたところにあるので、普段通らない名古屋の住宅街を通ることになりました。雨が降っていましたから、少しゆっくり目のスピードで進んでいたのです。
 ところが、途中の見通しが悪い四つ角に入ったところで、左から出てきた車とぶつかってしまいました。私の方の道には一時停止の標識もありませんでしたし、交差点の前では徐行しました。そのとき左から相手の車が来ていたのが見えましたが、向こうが「止まれ」でしたし、交差点の手前で止まったように見えましたので、こちらが交差点に進入したところ、向こうが突然突っ込んできたのです。
 お互いスピードはそれほど出ていなかったので、ほとんど止まりかかったところで衝突したものですから、怪我は全くありませんでした。ただもう、初めてぶつかったのがショックでショックで、どうすればいいのかわからず、とりあえず雨の中ですけど車から降りてみました。すると、ぶつかったところは軽くへこんでいたのですが、幸いバンパーだけのへこみで済んだようでホッとしました。
 相手の車から出てきたのは、20歳くらいの男の方で、ちょっとなんていうんですか、今時の若者といいますか、変な髪型のこわそうなお兄さんです。私が名刺を差し出すと、
「すいません、名刺は持ってないす」といってノートの切れ端に名前と住所を書いてくれました。鈴木和郎というお名前で、名古屋市内にお住まいの方でした。
 それからお互いの車の状態を見ましたけど、こちらはバンパー、あちらもバンパーがへこんでいるだけで、あまりひどく傷ついているようにも見えませんでした。ただ、鈴木さんの車はドイツのBM車でしたから、修理代は高くなりそうです。
 飛び出してきたのは向こうの方ですし、こちらが直すとしたら整備工場で見積もりしたり色々しなければなりません。ですから、まあいいかなと思って、「どうします? 警察呼びますか?」と聞いたんです。
 すると鈴木さんはこういいました。
 「警察なんていらんでしょ。傷、直すんなら知り合いが工場やってるし、頼めるよ。」
 そんな誰だか分からない工場に車を預ける気にはなりません。
 「いえ、結構です。直すんだったら、私のいつも頼んでいるディーラーで頼みます。でも傷は大したことないし、保険を使うまでもないかなと思いますが、もし保険を使うんなら警察呼んで事故証明をとらなければなりませんわ。」といいました。
 鈴木さんの方も警察を呼ぶのは面倒だったらしく、保険は使わなくても良さそうだというので、それでは一度ディーラーに見せて、修理代が高くなるようならまた連絡すると言って分かれました。

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コメント

正直に言います。

私は、司法研修所で研修を受けた身ですが、後期修習まで、「言い分方式」のことを「even方式」と思っていました。

投稿: Toshimitsu Dan | 2005/05/17 14:49

え、そんな昔から(失礼)あったんですか、この言い分方式という言い方は。

投稿: 町村 | 2005/05/17 16:46

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