横浜地裁が入学金も辞退者に返還せよと。
横浜地判平成17年4月28日(読売新聞より)
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河辺義典裁判長は「営利を目的としない公益法人である大学が、教育とは関係ない、すべり止めという保険的な利益の対価として入学金を得るのは認められない」との初の判断を示し、5人のうち、4月1日より前に入学を辞退した2人の入学金計58万円を返還するよう神奈川大とフェリス女学院大に命じた。
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ということで、入学金は返さなくとも良いという常識が通用しな司法判断が出てきている。
この判決が一般的になると、学生が合格して入学手続をとっても、よそに逃げられるかもしれない大学はますます不利になる。引き留めるために何か姑息な手を使っても、逆効果になるだろうし。
全入時代の大学の苦悩は、そのまま明日のロースクールの苦悩でもある。
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コメント
その件に関しては、
・入学検定が非常に儲かる事業なので個別入試が日本で一般的である(先進国では日本だけ)
・個別入試であるため入学しない学生の入学金を取ることもできるため、それに経営が依存するようになった
という事情があります。
一番根本的な要因は、私立大学中心に大学教育をやっているのに、大学への補助も、学生への奨学金も非常に乏しいから、こんなことで金を儲けるしかないわけです。
それじゃ、どうしたらいいか。私は大学入学者資格者総数を、ある種の検定で数を絞るべきだと思う(仏のバカロレア、独のアビドゥアのようなもの)。その上で、十分な補助金や奨学金を投入すれば、入試や入学金で儲けなくても、経営が成り立つようになるわけです。
大学が、個別に面接や学力試験などをやっている「多様な選抜」(マスコミが好きな言葉)は日本独特のもので、これに大量の資源が費やされている現状は看過しがたい。
投稿: 井上 | 2005/04/29 07:34
おはようございます。
横浜地裁判決の結論は是とするとしても、この判決理由の「営利を目的としない公益法人である大学が・・」と判示する「営利」の表現なんですが、少し、勘違いした表現のような気がします。
PS
町村さん、お尋ねなんですが、先日のミニオフ会でお渡ししました別表計算くん、マックで作動しましたでしょうか。教えて頂けると嬉しいです。
投稿: 五右衛門 | 2005/04/29 11:07
フランスについていうと、大学とそれ以外の高等教育機関(グランゼコール)とで状況が違いますね。
大学はすべて国営で、授業料もただ。入試もなく、バカロレアを通った学生はどこでも何学部でも好きに登録できます。ただフランスは中央集権国家ではありますが、学生がパリだけをありがたがるという風潮はなく、先生もパリにとにかく行きたいという風潮はないらしいので、パリにばかり集まるということはなさそうです。
そして真の選別は、そこから始まるのです。2年生にあがることができるのは、医学部などでは10%とか20%のレベルらしいので(ニュースソースは現地の医学生)、1年生は大教室でマスプロ教育を受けますが、2年からはぐっと絞られます。
法律でも似たり寄ったりで、1年2年は大教室で一斉に先生の言葉を写し取るディクテ授業ですが、3年生(リサンス)や4年生(メトリズ)は数人から数十人程度の教室でゼミに近い雰囲気が溢れています。まあ先生にもよりますが。
グランゼコールは私立も国立も学費が高く、エリート養成の色彩が強く、入試で選別をします。大学2年卒とか4年卒とかを入学条件にすることもあります。というかエリート養成過程はだいたい大学4年卒からでしょうか。
こうしてみると、日本とは全く比較が難しいです。
投稿: 町村 | 2005/04/29 16:11
>グランゼコールは私立も国立も学費が高く、エリート養成の色彩が強く、
グランゼコールの学生は公務員で給与が出るですから、学生というのも憚られます。グランゼコールのひとつ、鉱山技師学校卒のゴーンによると、そこでのエリート教育が何か役立ったかというと、そうではないらしいです。単にエリート意識を育てているだけです。「知的体操」をしているだけで、ティームワークやコミュニケーションはまったく無視されていたといいます。
先進国は、どこも、高等教育は無償か、それに近い体制です。私学が強いといわれる米国でも、7割が州立大学で、学費は日本の国立よりもずっと安いです。
投稿: 井上 | 2005/04/29 20:02
あ、国立のグランゼコールは給費制でしたか。
そうでないところもあると聞いていましたが・・・。
私立は高い学費がとられますよ。
投稿: 町村 | 2005/04/30 00:08
手元に「世界の大学危機」(潮木守一、中公新書)という本があります。
「グランゼコールの学生はすべて国家公務員であり、給与が支給される。これが大学とグランゼコールの大きな違いである」
私立のグランゼコールというのは、何かの勘違いではないですか?
投稿: 井上 | 2005/04/30 12:42
フランスにもいわゆるビジネススクールに類する数多くの高等教育機関があり、これをUniversiteではなくGrands Ecolesと称しています。
その本の著者がどこからデータをとっているのか分かりませんが、ENAとかENMのような国立高等教育機関(井上さんのお知り合いはMime の学校でしょう。ENSM)のみならず、多数の私立教育機関がグランゼコールといってます。
http://www.essec-japan.com/qa.htm
こちらによると、むしろENAなどをグランゼコールでないかのような書き方もしていますが、これまた正確ではないでしょうね。
http://www.edufrance-japan.com/etudes02.html
簡単ですが、こちらも有用です。
投稿: 町村 | 2005/05/01 02:22
五右衛門さん、
いただいたディスク、東京で試した時はちゃんと読めましたよ。
今は手許にないので再試出来ませんけど。
投稿: 町村 | 2005/05/01 02:23