« Publicコメントの組織票見本 | トップページ | law:筆界特定と確定 »

2005/04/06

laicite:法王へ弔意の半旗掲揚は政教分離違反か

ルモンドには以下のような記事が出ている。
Alors que la communauté internationale continue de rendre hommage au pape Jean Paul II, le recueillement en France a tourné à la polémique. Les drapeaux en berne et la proclamation du deuil officiel de l'Etat ont suscité de vives réactions parmi les laïques et les Verts.

フランスも、政教分離は厳格に守ろうとする国であるだけに、カトリックの長の死に対して政府や自治体の行為として弔意を表すなどするのは、問題といえば問題である。
ましてや、長年の論争の末、イスラム教徒女性のスカーフを公立学校内で禁止することを目的とした宗教的シンボル排斥の法律を施行して摩擦が続いているときである。
スカーフを着用したら学校にも立ち入れないのに、その学校を設置する自治体がカトリックの長の死に弔意を捧げるのはなんなんだ、ダブルスタンダードではないか、というわけである。

もちろん首相府はフランスが特別の関係を有する国(バチカン)の元首の死に弔意を表していると主張している。
過去にもジスカールデスタン大統領はパウロ6世の死に弔意を捧げ、ドゴール大統領はヨハネ12世に同様の弔意を捧げているので、今に始まったことではないとも言う。

しかし、やはりダブルスタンダードの香りは拭えない。

それにしても、このような論争が巻き起こるということ自体、社会が健全な証拠であろう。

|

« Publicコメントの組織票見本 | トップページ | law:筆界特定と確定 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

教皇(「法王」ではなく「教皇」が正しい名称)はカトリック長としての側面だけではなく、バチカン市国という国の元首でありますから、かえって何も弔意を表さないほうが不自然だと思います。英国は聖公会が国教であり、その長は英国国王です。しかし英国国王の死に対して弔意を表すことは、政教分離とは言われないでしょう。また天皇は(日本の憲法学上争いはありますが)日本国の元首である一方、神道の大祭司でもありますが、これに対して弔意を表すことは、政教分離になるのでしょうか。ちなみに両者の死に際しては反旗掲揚をしているはずです。
しかも、フランスでは、何もスカーフだけではなく目立つ十字架なども禁止されています。
信教の自由のために存在する政教分離が、信教の自由を侵害している良い例ではないかと思います。
フランスらしい議論だと感じました。

投稿: 通りすがり | 2005/04/06 17:41

まあ、バチカン市国の元首であり宗教指導者であるという関係と、イギリスの王様が同時に国教会の長という関係は同列には論じられないでしょう。
いずれにしても、政教分離という言葉は一つでも、国によりまるで意味が違います。
ローマ法王の存在も、極めてユニークです。

投稿: 町村 | 2005/04/06 17:49

昨日のコメントでは、吟味が足りず、後で見直すとずいぶん舌足らずでややもすると無礼なニュアンスをかもし出すような書きこみをしてしまいました。どうかご容赦ください。

一点補足させていただきますと、政教分離が地域によって沿革や意味が異なるということはまったくおっしゃるとおりで、一般に日本ではその制度の沿革からアメリカ的な政教分離の理解が教壇から語られることが多いのだと思います。私もそのような考えに無意識的に引きずられていたのかもしれません。しかしそうだとしても、そのことはこの話においてはあまり関係ないことだと思ったのです。

もっともライシテの理解については、京大の大石眞先生のご論文をいくつか前に読んだくらいなので、私に誤解があるかもしれません。

投稿: 通りすがり | 2005/04/08 00:22

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31412/3588679

この記事へのトラックバック一覧です: laicite:法王へ弔意の半旗掲揚は政教分離違反か:

« Publicコメントの組織票見本 | トップページ | law:筆界特定と確定 »