arret:接見禁止は違法だが過失がない
最判平成17年4月19日
弁護人が接見を申し出たのに対して検察官が接見室のないことを理由に拒否した場合において、秘密面会ができないような態様で接見することでもよいか確かめずに拒否した行為は違法だが、専用設備がない検察庁内での接見は認めないという方針を地検がとっていたり、そう説明してきた状況の下では、担当検事に過失が認められないとして、賠償を認めなかった事例。
なんとも紛らわしい判決内容なのだが、確かに接見室など専用の部屋がなくとも、短時間、秘密が保障されない場所での接見なら可能という場合はそのことを弁護人に確認するべき配慮義務が検察官にあると判示し、本件でもその点では違法があるとした。
にもかかわらず、その当時の取扱に従っただけだから過失がないというのである。
しかし、接見交通の権利を侵害する取扱をしておきながら、それが一般的だったから過失がないというのであれば、行政庁ぐるみの違法な取扱はすべて無過失ということになる。 担当公務員の個人のミスやルール違反でない限り、行政庁の内部ルールに従って行われているのであり、それを是正するのが国家賠償責任というものであろう。
これが、判例変更の遡及効を認めないという趣旨であれば、納得もできるし、その可能性につながるのであれば評価に値する。また、わざわざ原審をひっくり返して請求棄却にしておきながら、違法だという判示をするのは、そうした考慮に基づくもので、法廷メモ裁判などと同様に将来の司法行政に影響を与える目的であったのだろう。
しかし、それにしても行政庁の内部ルールに従っていれば常に無過失、というのでは、少なくとも過去の違法な行為に対する救済をまるで否定するに等しい。
担当検察官の過失は問えないとしても、組織の体制として過失があったという評価が可能であり、仮に自判が無理ならば、その点を審理するため差し戻すというのが本来の判決のあり方である。
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