弁論で相手方弁護士を罵倒した実例
弁護士さんが相手方の代理人弁護士に対してこういう事書くかな〜という実例
東京地判平成五年七月八日判タ八二四号一七八頁
「倫理感が完全に麻痺し、事の是非、善悪の判別もできない。弁護士であれば何をしてもかまわないという特権的な思い上がった意識、観念にとりつかれている。まともな主張立証ができない場合は、相手方に対して名誉毀損、恐喝を常套手段として使用していることが推測される。このような悖徳の徒が法曹の間に紛れて存在していることは不思議である。原告の回答は明白に原告が精神異常であることを示す。品性は低劣、行為は卑劣」
こうまで言われなければならなかった弁護士さん(上記文の原告)のやったことと言うのは、医療過誤訴訟の被告代理人となって、医療過誤原告の身上調査を調査事務所に依頼し、プライベートな内容を含む調査報告書を和解期日に裁判官に提出したというもの。裁判官から見せられた医療過誤原告とその代理人が激怒して、上記のような内容の準備書面を作成し、提出・陳述したものだ。
この件は、罵倒された弁護士さんが原告となって医療過誤原告とその代理人とに名誉毀損の損害賠償を請求した。結果は上記判決を参照のこと。
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コメント
ここまで罵倒する準備書面?を書く先生は,もう一度研修所で「刑法各論」を勉強し,次いで,新任弁護士研修で,弁護士倫理を勉強すべきでしょう。情けない。_| ̄|○
投稿: 謎の現職 | 2005/03/04 20:12
おはようございます。
上記に掲載された例は相手弁護士の行動に怒りを覚えて行われたようですが、、
そのような契機がない場合においても、準備書面に相手方人格を非難するような、、、こんな表現するかぁ~というような記載例を見ることがあります。
叱責をおそれず言えば、「若い、未熟な、女性弁護士」のなかにときどき見ます。
一生懸命、、、が節度を喪失させる??
自戒します!!
投稿: 五右衛門 | 2005/03/05 08:15
まあ、女性かどうかはともかく、若気の至りということは誰にでもあるでしょうねぇ。
若い頃は自信がないものだから、馬鹿にされたと感じて思わず激しい言葉を使ってしまったり、要するに人付き合いという点でも下手ですから。
弁護士さんの知り合いでも若い頃は武闘派っていうか罵倒派っていうか、そういう人だったのが最近ではすっかり丸くなっているのを見たりします。丸くなれない人ももちろん結構いますけどね。
投稿: 町村 | 2005/03/05 11:10