office不正アクセス事件判決の解説
CNET Japanに「不正アクセスとは何か」と題するoffice氏事件判決の詳しい検討が載っている。
特定電子計算機の概念について断定的なことはいうことができないが、記事に紹介されている限りでは、やはり疑問を持たざるを得ない。
今、一台のコンピュータが様々な作業を同時平行的に行い。かつサーバーとしても多数のアクセスを同時に受け入れて処理している。他方、一人のアクセスにおいて多数のコンピュータ上にあるデータやファイルが同一作業中に同時に利用され、一つの仕事をこなしている。
そのような現実を前にして、特定電子計算機は物理的なサーバーを意味するというのは、やはり違和感がある。
それから、別のところでよく聞くたとえ話だが、鍵がかかっていないからといって勝手に入って情報を取得していくのは不法侵入となってよいという見解、これは妥当だろうか?
不正アクセス禁止法は、鍵のかかっているところへの侵入を禁止しているのであるから、鍵のかかっていない領域であれば禁止されていない=許されている、と解するのが普通である。
このイコールが成り立つのは、もちろん罪刑法定主義だからなのだが。
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コメント
ウエッブを一当たり見ますと,判決の「罪となるべき事実」「補足説明」と「量刑の理由」をゴッチャにして論じている(マスコミもだいたいそう)ものが多いですね。
判決書の構成(フォーマット)を一般の方は知らないので,無理もないですが。
投稿: 謎の現職 | 2005/04/02 14:36