LS認証評価員研修
昨日は、日弁連法務研究財団による法科大学院認証評価事業の評価員研修がクレオで行われた。
評価員の候補者のための実践的研修なので、非公開ではあるが、認証評価がどのようになされる予定なのかは一般の法科大学院教員も学生も、その他の関心を有する人々も知っておいた方がよい。
少なくとも日弁連法務研究財団のやろうとしている認証評価事業は、シビアで真面目なものである。
現在はトライアル評価を積み重ねて、2年後以降に始まる本番のためのノウハウを積み重ねている段階だが、そのトライアル評価でも受けた大学には十分なインパクトがあり、また評価員として参加した教員自身にも、我が身を振り返っての授業改善圧力となる。
トライアル評価のための調査は、大学から自己点検評価報告書を提出してもらうところから始まり、教員と学生とから認証評価事業の事務局が直接アンケートを徴収する。
これを元に、大学の実情について十分下調べをした評価員が、泊まりがけで大学現地調査をする。
現地調査は、授業見学、答案閲覧、教員からのヒアリング、学生からのヒアリングであり、トライアル評価は一日で現地調査を終えるので内容的に偏りがあるが、3日間のスケジュールで現地調査を行う本番の場合はかなり突っ込んで調査をすることができる。
特に、厳格な成績評価が求められる法科大学院が、従来の法学部のようなユルユルの単位認定にとどまっているかどうかは、定期試験の答案を見れば一目瞭然であろう。
また授業の現場を視察される経験は、大学の先生にとって大きなプレッシャーとなる。学生からのアンケートやヒアリングで直接意見聴取があるので、調査当日だけ取り繕ってもすぐばれるし、普段からの授業風景をそのまま出すしかない。
問題は、その認証評価事業実施が対象法科大学院の教育効果向上に結びつくかどうかだ。この点は、評価基準との関係もあり、また新司法試験の内容にも関係するので、まだまだ試行錯誤が必要である。
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最新の日弁連新聞に、トライアル評価に関する記事が載っています。
投稿: 暇弁 | 2005/03/12 22:04