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2005/03/09

externship報告会

南山法科大学院では、エクスターンシップを実施し、学生を法律事務所に派遣しているが、その報告会が本日開催された。

修習生と異なり、試験に合格しているわけでもない彼らに対して、受入事務所の方々は本当によく指導して下さり、学生たちもリアルな実務を目の当たりにして考えるところがあったようだ。

ただ、学生をどこまで関与させるかをめぐっては、裁判所や相手方代理人、さらには行政の担当者も、まちまちの対応を見せていた。
相手方が問題ないといっていても学生が弁論準備手続に関与するのを拒もうとする裁判所、あるいは相手方が拒むこともあった。
センシティブな話題が多い法律関係の実務家の懇談会ともなると、確かに生々しい話題がまるごと出てくるわけだが、担当する行政の公務員が学生の参加を拒むこともあった。

接見に立ち会えないのはやむを得ないとしても、弁論準備手続などは当事者が申し出た者に傍聴をさせない権限は裁判所にないと思うし、手続を行うのに支障が生じるおそれなどをそう軽々しく認めてもらっては、公開主義と準備とのぎりぎりの調和点を考えて立法に至った経緯をないがしろにするものといわざるを得ない。とはいうものの、裁判所は「事実上・・」というフレーズが頻発する場所でもある。
そのような実務のあり方と法の建前との乖離に直面して、その間で解釈論がギリギリと詰められているということを、学生たちが体得してもらえば、エクスターンシップによる理論と実務の架橋が果たされたというものである。

もとより、実務家からすれば、一場面をかいま見たにすぎないのだから、それで何かを得たつもりになってもらってはちゃんちゃらおかしいという感想もあるだろうが、学生にとっては、汲めども尽きない興味の源泉に少しだけでも触れる機会が得られ、勉強の見方が変わるかもしれない。
司法試験も、そのような体験を踏まえて法を学んだ者に適合的な問題であるとよい。

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