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2005/02/24

jurisprudence判例変更は法の下の平等違反?

岐阜の弁護士さんが、注目すべき訴えを提起した。
最高裁が同種の訴訟で半年内に違う判断を下したので、「裁判を平等に受ける権利を侵害された」として国賠を求めたのだ。

例の、火災保険の免責で、故意による火災かどうかの証明責任が保険会社にあるか被保険者にあるかが争われたケースに絡み、原告美和勇夫弁護士が代理人となって保険金を請求した事件では、名古屋高裁が被保険者に証明責任有りとして請求を棄却した。そして上告は不受理となった。
ところが上告不受理決定から半年後に、別の事件で保険会社に証明責任があるという判断を最高裁が示した。
最判平成16年12月13日
そこで、美和弁護士が、何故自分の事件では不受理となって今回の判決と違う結論が維持されてしまったのか、と怒り、国賠請求に至ったというわけである。

国賠は、結論から言って難しいだろう(不受理判断について違法とするのは限りなく無理であろうから)が、理論的には極めて興味深い論点だ。
これを認めてしまうと、そもそも判例変更は不可能となる。常に変更前の判断により負けた側が賠償を求めてくるだろうから。
しかし判例変更は、確かに以前の判断と今回の判断とで当事者に不均一な解決をもたらす。古い例だが公務員スト禁止が違憲かどうかも、短期間に政治的な理由で判例変更があり、しかも刑事事件であったから被告人相互間の不公平さが浮き彫りとなっていた。
今回の美和弁護士の事例も確かに不公平さが際だつ。
ただ、刑事事件であれば、判例変更の遡及効を認めず、将来に向かって判例変更する(その事件の被告人はとりあえず以前の判例に従う)というやり方もできるが、民事ではそうはいかない。どちらに転んでもいずれかの当事者が不利益を被るのであるから。

また、上告受理申立制度も、確かに裁量上訴制の導入なのだが、裁量と恣意とは異なる。そして前述の12月13日判決の事件が上告受理申立された時点で、美和弁護士の事件が不受理となっていたのかどうか、前後関係が不明なのだが、仮に同時期に同種の事案が受理申し立てされて一方のみ受理、他方は受理せず、しかも確定した判断が食い違うというのでは、特段の事情がない限り法の下の平等に反するということになるだろう。
加えて、平成8年に上告受理制度を立法したときは、アメリカ型のサーシオレイライ導入ということで「重要」かどうかの判断はまさに裁量に委ねられているといわれていた。しかしその後、「重要」とは結論に影響を及ぼすべき法令違反のことなり(つまりすべて)という主張が裁判官の中からも出てくるなど、「裁量性」を否定する方向での議論が有力化している。そのような中で、今回のケースはいかにもまずい処理だったということになりそうだ。

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント


◆ 私のこくばい事件・、とりあげていただけるのは非常にありがたいのですが・・
   最高裁は 火災保険の判例判断を 6ヶ月のあいだに変更したのではありません。
   火災保険立証責任の判例は、高裁でわかれていただけです。
  
  第二小法廷は【最高裁の生命保険13年判決】(立証責任が保険金請求者に有るというもの)を誤解して・・
  その射程を誤認して・・・私の上告を110万円も裁判料をとりながら、不受理扱いにしてしまっただけです。 
    
    最高裁第二小法廷が16年12月に、新判例(新しい考え方)を、打ち出したのではありません。
    
    調査官が13年判決の射程を間違えて、判断をして第二小法廷が追随してしまっただけです。
    これはその後出版された 最高裁判例解説にもかかれています。

      ★判例時報16年11月11日号・寺本論文に間違いを指摘されて、「しまった」とおもいつつも 
        あわてて、第二小法廷は16年12月に【最高裁16年判決】を出しただけとすいにんされます。

       ・・・・ そこに調査官(38期)の判断過失があれば・・・国家賠償の対象とすべきは当然ではありませんか?

      ★ 今般〔判例時報4月1日号〕で・・・16年はんけつの志田原調査官(38期)が、私の事件の最高裁不受理をかばって、
         事件の総合判断をして不受理にしただけだという、
         いいわけにならないいいわけをかいています。
         
           私の事件の1審勝訴判決は・元調査官(31期)・佐久間邦夫裁判官がだしたもので・・・16年最高裁判決と同旨です。
           名高裁と 第二小法廷が・・・13年判決の射程を 間違えただけです。

      
       
       ★ [裁量制を否定する見解]・について詳細をご教授願えたらありがたいのですが・・・。
           ご住所がわかれば・・・訴状・答弁書などを送ります。
    

February 24, 2005
jurisprudence判例変更は法の下の平等違反?
岐阜の弁護士さんが、注目すべき訴えを提起した。
最高裁が同種の訴訟で半年内に違う判断を下したので、「裁判を平等に受ける権利を侵害された」として国賠を求めたのだ。

例の、火災保険の免責で、故意による火災かどうかの証明責任が保険会社にあるか被保険者にあるかが争われたケースに絡み、

原告美和勇夫弁護士が代理人となって保険金を請求した事件では、名古屋高裁が被保険者に証明責任有りとして請求を棄却した。

そして上告は不受理となった。


ところが上告不受理決定から半年後に、別の事件で保険会社に証明責任があるという判断を最高裁が示した。
最判平成16年12月13日
そこで、美和弁護士が、何故自分の事件では不受理となって今回の判決と違う結論が維持されてしまったのか、と怒り、

国賠請求に至ったというわけである。

国賠は、結論から言って難しいだろう(不受理判断について違法とするのは限りなく無理であろうから)が、理論的には極めて興味深い論点だ。
これを認めてしまうと、そもそも判例変更は不可能となる。

常に変更前の判断により負けた側が賠償を求めてくるだろうから。
しかし判例変更は、確かに以前の判断と今回の判断とで当事者に不均一な解決をもたらす。

古い例だが公務員スト禁止が違憲かどうかも、短期間に政治的な理由で判例変更があり、

しかも刑事事件であったから被告人相互間の不公平さが浮き彫りとなっていた。
今回の美和弁護士の事例も確かに不公平さが際だつ。
ただ、刑事事件であれば、判例変更の遡及効を認めず、将来に向かって判例変更する(その事件の被告人はとりあえず以前の判例に従う)というやり方もできるが、

民事ではそうはいかない。

どちらに転んでもいずれかの当事者が不利益を被るのであるから。

また、上告受理申立制度も、確かに裁量上訴制の導入なのだが、裁量と恣意とは異なる。

そして前述の12月13日判決の事件が上告受理申立された時点で、美和弁護士の事件が不受理となっていたのかどうか、前後関係が不明なのだが、

〔大阪高裁判決は16・3・4です。〕

〔私の事件は、16年2・3日最高裁記録到達・5月28日不受理決定です。〕

仮に同時期に同種の事案が受理申し立てされて一方のみ受理、他方は受理せず、しかも確定した判断が食い違うというのでは、

特段の事情がない限り法の下の平等に反するということになるだろう。
加えて、平成8年に上告受理制度を立法したときは、

アメリカ型のサーシオレイライ導入ということで「重要」かどうかの判断は

まさに裁量に委ねられているといわれていた。

しかしその後、「重要」とは結論に影響を及ぼすべき法令違反のことなり(つまりすべて)という主張が裁判官の中からも出てくるなど、

「裁量性」を否定する方向での議論が有力化している。

そのような中で、今回のケースはいかにもまずい処理だったということになりそうだ。

February 24, 2005 in 法律・裁判 | 固定リンク

  
 *************:
   美和 勇夫  isao miwa
    isao-m@ob.aitai.ne.jp
************************

投稿: 美和勇夫 | 2005/05/30 14:44

この注目の〔國賠事件〕について・・・

 時代遅れのタイプの判例に従って〔紋切り型の判決〕をするのであれば、
事実関係についてあれこれ審理せず、ただちに弁論を終結して、
 不受理は最高裁の裁量できまること。
[主張自体失当]を理由に請求棄却判決をするのも一つの手でしょう。
  (これが最も官僚的)

 時代遅れの判例を変更して〔新しい
判例法理〕を打ち立てる決意であれば、
できる限り最高裁の内情について審理し、
なぜ不受理にしてしまったのか、調査官の
手落ちがなかったのかを調べ・・・
その上で認容か棄却かを決めるのも一つの手、
(これが最も格好いいでしょう)

どちらの手でいくのか、現時点では決断できないのであれば、

とりあえず、
この事件が〔新判例〕を確立するのにふさわしい事件かどうかを見極めるため、
美和弁護士が担当した〔名古屋の事件記録〕と、平成16年12月の最高裁判例の〔大阪の事件記録〕を取り寄せて、
両事件を詳細に『比較検討』してみることが必要です。

とにかく、この国賠事件を担当している下級審の裁判官は相手が最高裁だけに、頭が痛いだろうなと思います。
(それだけ、この事件は面白くて興味深い)

◆ 提訴の時にスマトラ津波の事件が発生し、この事件が中部地区で報道されただけです。
中央のマスコミはこの事件を知らないのが残念です。


投稿: 美和勇夫 | 2005/05/30 15:55

この判決が18年1月25日岐阜地裁であります。
 おそらく 地裁は最高裁にびびって
「最高裁が事件を受理するもしないも 自由裁量である」 という判決になるでしょうから、
控訴・上告します。

大体、最高裁の誤りを最高裁が判断するという 裁判システムが おかしいのです。

 ※ 以下 【訴状 解説版】です。

最高裁判所を相手に
日本国へ損害賠償を求める訴え

   国家賠償裁判
  


平成16年12月27日提出・岐阜地方裁判所へ 
    訴えた者  岐阜弁護士会所属     弁護士 美和 勇夫 62才

訴訟代理人弁護士  浅   井  正 , 
                       

上 同     伊  藤  静  男 ㊞
           元名古屋弁護士会 会長


上 同     安  藤  友  人 ㊞ 
               元岐阜弁護士会会長

他 11名の弁護士

第1 請求の 要点
1 日本国は原告・弁護士・美和に対し、最高裁の怠慢裁判による『損害慰謝料』金100万円を支払うべし

第2 請求の理由
1 原告・弁護士美和は、
名古屋高等裁判所・平成15年の火災保険金請求事件(1審名古屋地方裁判所)で敗訴した有限会社千石屋の委任を受け、
民事訴訟法318条により、平成15年11月10日付で、最高裁判所宛・
上告受理の申立をした
 (訴えを「上告受理申立」といいます)

2 
有限会社千石屋は、最高裁判所に金111万1200円 もの 上告受理申立手数料を納めた。
 申立手数料は、1審の名古屋地方裁判所へ提訴した際に納めた申立手数料の2倍の額が必要だった。

この裁判は、1審勝訴(〇〇火災は1億4589万円を支払へ)、
2審高裁は『支払いを認めない・全面敗訴』であった。

3 民事訴訟法318条は、
 「最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重大な事項を含むものとして認められる事件について、
申立により決定で上告審として事件を受理することができる」   と規定している。

4 原告が、
名高裁判決には、平成13年4月20日の最高裁判所の生命保険の判例】を誤って引用した判断があり、
その他『法令の解釈に関する重要な事項を含むもの』があると鋭く指摘して、上告申し立てをしたのに関わらず、


最高裁判所【第2小法廷】は

何ら理由を付けず 平成16年5月28日、
「ただの1枚の紙切れ決定」で、「受理しません」
という・国民の常識ではおよそ理解しがたい決定をしてきた。

5 
この『最高裁の不受理決定』は、「違法」「違憲」である。

当然・訴えの受理をして調査裁判をするべき事件であるのに、
調査を怠って不受理決定とした最高裁裁判官らは、受理裁量権を逸脱させ、違法不当な裁判をしたものである。

、最高裁判所及び最高裁調査官(エリートとよばれている裁判官)による調査判断には、日本国の【終審裁判官としての裁判】を怠った重大な「過失」がある。

いわれなき不受理決定により原告には少なくとも100万円の精神的慰謝料の「損害」が発生した(国家賠償法1条1項)。

6 よって、原告は、被告・日本國に対し 国家賠償請求権に基づき、金100万円の慰謝料の支払を求める。

第3 関連説明
1 違法について
 
(1) 民事訴訟法318条は、
憲法14条、32条の関連から、受理することが最高裁の勝手気ままな【自由裁量権】に委ねられているものではない。、

【一定の重大な判断すべき事由】がある場合は、必ず受理しなければならないものである。

この上告受理申立に対しては、『当然・受理決定すべき義務』があったものであり、不受理決定は 違法・違憲である。

 (2)★★ この事件についての一審「名古屋地方裁判所の判断(佐久間邦夫裁判長)」は大略、次のとおりであった。

 争点(このパチンコ店の火災は原告が放火したものか。)について

被告・保険会社は,
商法629条が【偶然な事故であること】を保険金支払の発生要件としていること,

「保険金の不正取得の防止」 及び 「立証責任の分配の原則」からすると,

保険金請求者側である千石屋が,火災が偶然な事故・【放火でないこと】
を証明すべきであると、 主張している。

ところで,約款・契約においては,
「保険金を支払う場合」として,

1条1項に「火災,落雷等の事故によって保険の目的について生じた損害に対して損害保険金を支払う。」旨の規定が置かれ,

「保険金を支払わない場合」の事由の一つとして,

2条1項(1)に,
「保険契約者,被保険者又はこれらの法定代理人の故意・
(放火)若しくは重過失によって生じた(火事)損害に対しては保険金を支払わない。」 
   という規定が置かれている。

そこで,検討するに,
1条1項は,
保険会社は, (1)から(3)に規定する事故によって生じた火災などの損害に対して損害保険金を支払う旨の規定であるところ,

2条は,
「保険金を支払わない場合」について4項にわたって規定し,そのうちの1項において「次に掲げる事由によって生じた損害に対しては,保険金を支払わない。」とし,具体的に(1)ないし(8)の事由を規定している。

このような契約の構成にかんがみると,
保険金を支払わない場合の一事由として規定されている【保険契約者等の故意・放火又は重大な過失】は,
火災によって損害が生じても、支払わなくとも良いとされる場合であり〇〇火災が証明すれば・その支払い責任を免れるものと解することができる。

実際,被告の主張に従うと,放火により火災が発生した場合には,
放火犯が自分とは何ら関係のないことを保険金請求者側において明らかにできない以上,保険金の支払を受けることができないことになりかねず,

失火の場合、(軽過失)は、支払われる事と比較しても、保険金請求者側に酷な結果をもたらすことになるといわざるを得ない。

したがって,原告が本件契約に基づき保険金を請求する場合においては,

請求者は,契約どおり火災が発生したことを主張立証すれば足り,
保険者である被告が,火災は原告の故意放火又は重大な過失によって生じたものであることについて主張立証責任を負うと 解すべきである。
      注 (この判断はのちの平成16年12月13日・最高裁が正しいと認めました。)

(3) ★★これに対し、
『1審の立証責任分担等の法律判断が間違っている』と
逆転不当判決した
【名古屋高等裁判所の間違った判断】は、次のとおりであった。

 
    この約款に基づいて保険者に対して火災保険金の支払を請求する者は、
発生した火災が偶発的な災害(放火ではないこと)であることについて主張、立証すべき責任を負うものと解する。

  その理由は以下のとおりである。
    
 商法の定める損害保険の総則として629条が、
「損害保険契約ハ当事者ノ一方カ『偶然ナル一定ノ事故』ニ因リテ生スルコトアルヘキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ、相手方カ之ニ其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効力カ生ス」

と定めていることからすれば、

火災保険について定めた665条の「火災」とは、一切の火災を意味するものではなく、放火ではないなど・・「偶然ナル事故」と認めうる 火による災害 を指すものであることは明らかである。

そして、約款1条1項が「保険金を支払う場合」として、
「火災、落雷等の事故によって保険の目的について生じた損害に対して損害保険金を支払う」旨定めているのも、これと同趣旨のものと解するのが相当である。

従って、発生した【事故の偶発性】(放火でないこと)の証明が保険金を請求出来る要件である と解すべきである。

もし、このように解するのでなければ、保険金の不正請求が容易となるおそれが増大する結果、保険制度の健全性を阻害し、ひいては誠実な保険加入者の利益を損なうおそれがあり、相当でないからである。

(最高裁平成10年(オ)第897号同13年4月20日第二小法廷判決・民集55巻3号682頁を参照しなさい)といった。”
 
 注 (この転落死か自殺か・の生命保険の争い事件の引用が、誤っていたことをのちの最高裁平成16年12月13・判決は指摘した)


◆◆つまり、
名古屋高等裁判所は、
立証責任の分配につき、最高裁判所の平成13年4月20日生命保険判決内容を、
 読み誤って この火災保険に引用して、
  
① 発生した火災の偶然性が保険金請求権の成立要件であるから、火災が偶然に発生した・放火でないこと・を 〇〇屋が自ら証明しなくてはならない。

 注(たとえば離婚裁判で、『不倫をしていないことを証明せよ』 というようなむつかしいもの。)


② 保険会社は、有限会社千石屋の故意放火・重過失などによって火災が発生した ことを主張、立証しなくとも良い。
 と言った。 

(4) これに対し原告は、
名古屋高等裁判所の判決は、立証責任の分配の法則についての解釈を誤り、
更に商法645条、641条の解釈をも誤り、最高裁判所の平成13年4月20日判例の引用も誤っている、として、
 次のとおり的確な上告受理の申立を行った。

 注 (のち平成16年12月13最高裁判決は    原告主張理論を認めた。)

即ち、
①本件の火災における保険金の支払請求についての立証責任には、
(本件の保険約款・契約からしても)一般法則が適用されるべきで、
     
a. 〇〇屋が保険契約により、火災の発生を  主張、立証する責任を負い、
     
b. これに対して、保険会社が免責・不払い事  由を主張、立証する責任を負う
    
②商法665条・641条・640条の規定、文理、保険会社との約款内容に照らせば、
故意または重過失は、保険会社が立証責任を負うのは明らかである。
     
③ 名古屋高等裁判所が引用した最判平成1   3年4月20日判決は、
     「生命保険契約に付加された災害割増特約」についての「約款」に基づき、
その災害死亡保険金の割増し支払を請求するものであって、
事案が異なりその引用が誤っている。

 (高裁が引用した最判は火災保険について  の立証責任を述べたものではない)
      
(5)火災保険については、商法665条において、
「火災によりて生じたる損害は、その火災の原因の如何を問わず、保険者これを填補する責めに任ず」

但し、640条(戦争その他変乱)、641条(被保険者の悪意・重過失)の場合は、この限りにあらず と規定している。
    
、平成13年4月20日の『生命保険にかかる最判』は、
〔生命保険〕の基本契約に付された「特約」について立証責任を判断したものに過ぎない。
    
生命保険契約では、
被保険者の『死亡それ自体が保険事故』とされており、死亡が自殺によるものであることは

『保険金不払い・免責事由』とされ(商法680条1項1号)、自殺であることは、保険者において、免責事由として主張・立証すべきものである。
 (生命保険と火災保険は性格がことなる。)
    
しかし、最高裁で問題となった生命保険約款には、
天寿による死亡ではなく、交通事故死・転落死等には、割増して保険金が支払われる場合の、「特約・約款」の規定があって、

【その割増金支払請求の場合】は、
自殺等ではなく不慮の事故(交通事故・転落死など)偶発的な事故・であることを、約款規定どおり、保険金請求者において立証すべきものとされているにすぎない。
  
 注 (基本生命保険金は 死亡の証明で文    句なくはらわれる。)

(6) およそ裁判・判決というからには、最高裁  といえど、本件の申立に対しては、

① 何故にこの火災事件は、最判平成13年4月30日の生命保険の判例内容と相反しないのか。
(同じなのか?)

② 何故に申立は、立証責任に関する商法の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められないのか。

 について最高裁が申立を受理し、
 理由をつけて判断説明するのは、当然の理であった。
    
【受理裁量権】を得手勝手に行使し、「受理すべきものと認められない」とし
て(たった1行で)はねつけたのでは、
最高裁判所裁判官・調査官らは何を
調査し、一体何を根拠に不受理と判断したものか、不明であり、最高裁判所
の判断が誤っているかどうかは皆目分からない。

 【最高裁判所の判断に誤り】があった場合は  どうするのか!!

日本国の最高裁判所は、絶対に誤りを犯さない所であり、
仮に最高裁判所
が誤っても絶対に最高裁判所は責任をとらない(明治憲法3条の天皇のように)神聖不可侵の存在なのであろうか?
    
最高裁判所のこのような裁量権の行使は、
封建時代、軍国時代に横行した「民は由らしむべくして、知らしむべからず」の思想に基因するもので、
国民に
「知る権利」のある現代にそぐうものではない。
   
(7)名古屋高裁には、【最高裁生命保険の判例引用の誤り】があったものであり、

商法609条、640条、641条、665条等法令の解釈に関する重要な事項を含む事件(1審と2審では法律判断が異なっている事件)であった故、
(放火臭い事件は各地の地裁・高裁でも証明責任につき、判断が分かれていた)

当然上告審として最高裁の判断が示されなくてはならない義務のある事案であった。
    
「受理するも、受理しないのも、最高裁の勝手であり、最高裁の自由裁量である」といえる事案ではなかった。
    
「立証責任の分配・どちらにどのような証明責任があるのかをめぐる法則」
 に関する解決問題は、

今後の高裁・地裁など・下級審が下す判決への影響も大きいものであり、
最高裁判所は本件申立に対し、
当然明示の具体的判断をすべきであったのにこれを怠った。

この最高裁の決定を批判して、弁護士美和と共に、最高裁への上告申立書を作成した寺本嘉弘弁護士(名古屋弁護士会所属・元裁判官)は、
最高裁に対し、怒りをこめて、

法曹界ではもっともよく読まれる・権威ある判例時報・平成16年11月11日号において

火災保険金請求の立証責任・『最判13.4.20生命保険判例の適用範囲』につき、

名古屋高裁の判例を痛烈に批判し、火災の発生は保険金請求者が立証責任を負い、放火その他の免責事由は保険会社が立証責任を負うべきものであるという、
極めて的確かつ重みのある「論文」を発表した。 

この論文では火災保険の立証責任については、本件で原告美和が主張しているのと全く【同一の重要な問題点】が詳しく論じられた。

この時点で『判例時報が取り上げた』ということは、とりもなおさず、
本件が法律的にきわめて重要な事項を含んでいたという証拠であった。
       
 注 (発表された論文を読んだ最高裁はおお   いに驚きあわてたとおもわれる。)

〇〇屋に1億4589万円もの理由なき損害・打撃を与えた事案に対し、十分な調査・検討を怠り
 『受理すべきものとは認められない』
という、
 木で鼻をくくったような、たった一行の
   「問答無用の最高裁の不受理決定」は、

まさに憲法での「◯・Xをつける国民審査の対象者」たる最高裁裁判官としての職務違背、最高裁裁判官としてあるまじき怠慢であったと言わざるを得ない。
    
 最高裁が上告を受理せず、何らの理由判断をも示さなかった怠慢行為は、国家賠償法1条1項の違法行為に該当するものである。

(8)原告は、代理人として
最高裁が受理して判断すべき法的根拠を説明し、
 「1億4589万円の一審認容判決をけった名高裁判断には誤りがあり、本件には適法な上告理由がある」
 
「最高裁は本件を必ずや名高裁に差し戻す
 はずである」
と依頼人を説得して、極めて的確な上告申立をした。

然るにこの不当決定により、
「何故上告を受理されなかったのか」
「上告が受理されると騙して事件受任をしたのか」
などと非難され、
その代理人たる能力を疑われたが、

依頼人に対して、何らの理由も説明することが出来なかったという耐え難い精神的屈辱を味わった。
  
(9) 最高裁への上告は時間を選べない。(高裁判決から14日以内)
一度上告し、不受理になれば、再び上告は出来ない。

本件で〇〇火災が〔不当に利得した形〕になっている1億4589万円の支払を求めての
 「再審救済」も 最高裁は認めない。

おりしも 平成16年12月22日、神戸地裁は
「兵庫県警の捜査対応は著しく不合理で違法性を帯びる」として国家賠償法1条に基づき兵庫県に9700万円の支払いを認めた。

本件の最高裁の不受理対応も同様・著しく不合理で違法性を帯びるものであった。
    
(10) 一体、封建時代、軍国主義の世の中ならばともかくとして、現代の日本国において、役所への不服申立に際して「110万円もの高額・法外な申立手数料」を取りながら、
 たった一行で、

「申立は受理すべきものとは、認められない」
   として退け、
平然としておられる(一切の手数料返還もしない)所は、最高裁判所以外に存在しないであろう。
    
最高裁判所に所属しているエリートと呼ばれる優秀な裁判官である調査官らは 

一体どのように 本件にかかる判例・学説を検討し、どのような調査報告を裁判官にあげ、このような不受理決定としたのかその経過を明らかにしていただきたい。

最高裁の・外部からは見えない密室・権威主義の「不透明構造」が本件の怠慢を生んでいる。
    
日頃「国民の為の司法改革」を口にする最高裁の実情がこのように寒いものであることを日本国民も国会議員も、マスコミも、まるで知らない。
    
全国の弁護士、法曹関係者は、このような最高裁の実情に何故目をつむっているのか。(個々人の・事件問題としてかたつけてしまっている。)
    
有名な誤判「八海事件」の映画「真昼の暗黒」で高裁において死刑にされた阿藤被告が「まだ最高裁がある」と絶叫したが、

一般の国民は、日本国の終審裁判所たる最高裁とはそういう「最後の砦」であると信じている。本件の有限会社千石屋もそうであった。
  
(11) 最高裁は、これまで【下級審裁判官が誤った裁判】をしたことなどについての多くの 国家賠償請求事件で、訴えを退けて来た。
  
裁判官がした争訟の裁判に上訴・再審等の訴訟法上の救済方法によって是正さるべき瑕疵が存在したとしても
これによって当然に国賠法1条1項にいう違法があったものと言えるものではない
   
裁判官の行為により、国家賠償法によって国が責任を負う場合は、
裁判官が、〔違法または不当な目的〕をもって裁判をしたなど、

裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認められるような特別の事情がある場合でなければ、
国家賠償法1条の違法は認められない」

 (最判昭和37年3月12日)”
   【有名な国賠の判例】
    注(この判例があるゆえに おおくの     裁判官にたいする 国家ばいしょう
      「誤判賠償請求など」が みとめられないのです。)

注 (原告が 多治見の刑事裁判官を訴えた国賠事件で平成15年11月10日初めて名高裁が30万円の慰謝料を認められたが・・・。)

   などとして、

「下級審裁判官」を
 警察官や検察官など日本国の他の公務員 と著しく区別・優遇して、
下級審裁判官に対する国家賠償法上の違法成立判断を極めて限定的に解してきたが、

本件の〔最高裁判所の裁判官〕は、下級審の裁判官ではなく、
憲法79条によって「国民の審査に付されるべき対象者・最高裁裁判官」である。
    
最高裁の裁判官が、受理すべき事案をなぜ不受理扱いとしたのかを示すことは、
罷免をすべきかどうかの国民審査(任命後の衆議院選挙の際)の判断材料としても、我々国民にとっては欠くべからざることである。
 (怠惰は大きな判断材料となる)
    
 最高裁に対しては、下級審と異なりこれ以上の【上訴】という救済方法はないのである。。
    
何の理由も示さず、
「受理しない」とだけ言い放たれたのでは、
果たして本件について第二小法廷の5名の裁判官が膨大な一件記録についてきちんと目を通して検討したものであるかどうか甚だ疑わしい。

原告の主張につき、最高裁調査官が原告の上告受理申立書において主張した事実に十分目を通したとは判断され得ず、
他の多くの上告事件と同様「十把ひとからげ」事件として安易に「不受理」事件として扱った十分な疑いがある。  


決定理由が全くないのだから検討をしたという証明痕跡がない。

「事件が多くて忙しい」などと言うのは、下級裁判所でも同じことであり、全く理由にならない。

(民間の会社であればそのような怠惰役員はマスコミに指弾され、罷免を待たずとも責任を取って辞任するであろう)

(12)原告は以上の通り【不受理決定という耐え難い屈辱】を受けてから、
杜撰な最高裁の責任を問うべく、本件「国賠提訴」を平成16年12月27日と決め、その準備を着々と続けていたのであるが、

この間、なんと、
 本件不受理決定をした
『同じ最高裁判所第2小法廷』は、
平成16年〔12月13日〕、突如
本件と上告受理判断事由を全く同じくする火災保険金請求事件において、

〔大阪高裁〕で 負けて 上告した保険会社に対し、

(要旨)
   
「保険金の支払事由を火災によって損害が生じたこととする店舗総合保険契約に基き、保険者に対して火災保険金の支払を請求する者は、
火災発生が偶然のものであることを主張・立証すべき責任を負わない」
  
 「最高裁平成10年(オ)第897号、同13年4月20日判決、平成12年(受)第458号、同13年4月20日・生命保険判決は、
 いずれも本件と事案を異にし、本件に適切で ない」
       と判旨した。
    
この判断は、まさに原告が半年まえに、的確に上告受理申立を行った趣意(寺本論文とも)(まがうことなく)全く同一のものであった
    
注 (最高裁は 同じことが書かれていても、原告の上告理由書はいいかげんに読んで
5月に不受理処分とし、
11月の判例時報の論文は天下に発表されたものだからエリを正して読んだのであろう。)


2 
本件不受理決定が【憲法32条に違反】することについて

(1)「裁判を受ける権利は、政治権力から独立の・公平な司法機関に対して、全ての個人が平等に権利・自由の救済を求め、かつ、そのような公平な裁判所以外の機関から裁判されることのない権利である。

「裁判を受ける権利」(憲法32条)は、
「個人の基本的人権の保障を確保し、『法の支配』を実現する上で不可欠の前提となる権利である。

特に「最高裁判所」(憲法76条1項、81条)は、人権保障の最後の砦である。
  
本件上告申立は、1審、2審で結論が分かれ、しかもまだ最高裁判例のなかった火災保険における立証責任が争点となる事件について、
最高裁判所の「裁判を受ける権利」に基づいて上告受理を求めるものであった。
  
原告は、1審、2審で結論が分かれ、しかもまだ最高裁判例のなかった、火災保険における立証責任という、重要な争点について「最高裁判所」の裁判を受ける権利を有していた。
  
本件不受理決定は明らかに憲法32条に違反している。


本件不受理決定は「受理裁量権」を逸脱しており、憲法32条に違反する。

3 【憲法14条違反】について
  
最高裁第2小法廷は、本件の名高裁判断に対する上告受理申立を受理しなかった。

然るに大阪高裁での全く同じ争点事件は、原告の本件受理申立における主張・論点をそのとおり認め、大阪高裁の判断を維持し保険会社の上告を棄却した。
  
名高裁判断に対する本件を不受理とし、わずか半年後、同一の問題点を含む大阪高裁判断に対する事件について『逆の結論』を導くことに合理的理由は全くない。

明らかに最高裁判所の怠慢不当扱いにより、憲法14条に反する結果が惹起され、〇〇屋は1億4,500万円相当の保険金取得権を失い、原告は弁護士としての信用・信頼を失墜した。
  
本件は(最高裁自身が過去の最高判例で指摘する)
国家賠償法1条による賠償が認められる要件である「違法不当な目的による裁判」にも匹敵する公権力の行使に当たる公務員の『過失』に十分該当するものである。

よって、最高裁の・許すべからざる怠慢過失に基づき日本国にたいし損害賠償を求めるものである。

投稿: 美和 | 2005/12/15 11:47

   その後の最高裁国家賠償請求事件の結果です。 

■最高裁の上告受理は
     いかなる事件でも全くの自由裁量であろうか?


 最高裁への上告手続の実体については弁護士でも知らない人が多い。
 
高裁に「法律解釈の誤り」があった場合の全てにわたって最高裁が上告を受け付けてくれるわけではない。
 
従来あまりに「法令解釈の誤り」の上告事件が多く、最高裁がパンクしそうになったので、民訴318条に【上告受理の制度】というものが設けられて上告が制限されることになった。
 
民訴318条に言う上告受理の要件は、
 
 原判決に最高裁の判例と相反する判断がある事件その他の
【法令の解釈に関する重要な事項を含むもの】と認められる事件を、
最高裁は上告審として受理することができる。
と規定されている。
 
従ってあくまで最高裁が重要だと判断しない限り、上告は受理されない。
 
しかし事件を受理するもしないも、上告受理権限は
【最高裁の全くの自由裁量】であると扱わせてよいのだろうか?

318条の「法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」とは何かということが当然問題になる。

 私は「火災保険金支払いに関する立証責任」に関し最高裁が法令(立証責任)の解釈を誤って上告を受理しなかった責任を追及して、
 その「著しい最高裁裁判官の手落ち」(過失)に対し平成16年12月26日・岐阜地裁に100万円の損害賠償を求める国家賠償裁判を提起した。
 
平成15年10月28日、名高裁は
平成13年4月の最高裁「生命保険契約に付加された災害割増特約事件」の立証責任論を間違って引用した結果、
火災保険金請求者側に故意・重過失のなかったことの立証責任があると言って
    『一審逆転判決』を出した。
 
早速に上告し「上告受理申立」をしたが、最高裁は平成16年5月、あろうことか(110万円もの印紙代をぼったくりながら)
私の数十ページにわたる名高裁立証責任の誤りを的確に指摘した
上告申立を、
漫然と三行半の『例文・不受理事件』として一件落着・確定させてしまったのである。

(名地裁一審担当裁判長は最高裁調査官経験のベテラン裁判官であり、認容された火災保険金は約1億5000万円であった。)

 私の最高裁「不受理国賠事件」を契機に
愛知県弁護士会の寺本弁護士の[火災保険立証責任]に関する支援論文が判例時報平成16年11月11日号に掲載されて識者の注目をあびた。
    (この原稿は最高裁の13年4月判決の判例解説よりさきに書かれた)
 
その結果、最高裁は平成16年12月(今ではすっかり有名事件となったが)火災保険上告事件を受理し、
最近では自動車物損事故の故意・重過失さえ立証責任は保険会社側にあるという判決を出すに至ったのである。

 しかし、私が提訴した国賠事件においては、「最高裁不受理の手落ち」を1審も2審も認めなかった。


最高裁は【総合判断】をして(16年12月判決の半年前の)あなたの火災保険事件の場合は受理しなかっただけである
という全く具体的理由説明のない・2行の逃げの言い訳に終始した。
 
13年4月の生命保険特約最高裁判決を誤って引用した当の名高裁は、
民訴法338条の火災保険金請求の【再審】請求すらも一切認めないのである。


法務省民事局参事官編集の「一問一答新民事訴訟法」によれば、
民訴法318条の【受理ケース】として次の3つがあげられている。

①最高裁の判例がない解釈問題について最高裁の判断を示すべき場合
②最高裁の従前の判例を変更すべき場合
③高等裁判所の誤った法令解釈を高等裁判所の判決として確定させることが適当でない場合

 私の平成16年5月上告不受理事件では、
当時、東京高裁や私の一審判決が「故意過失のあったことの立証責任は保険会社にある」としていたものを、
名高裁は間違って逆の立証責任判断を出したのだから、
 
 終審裁判所たる最高裁は①③にあたる場合として私の上告を
【当然受理】して最高裁としての初の判断を示すべき場合であったのに
 調査官の過失・裁判官の怠慢からかこれを怠った。

(世上有名となった16年12月の最高裁判決は大阪高裁立証責任判断で敗訴した保険会社からの上告事件をわざわざ受理したものであるが、

もともと大阪高裁の立証責任論は正しかったものであるから上記③にあたるものでもなく、わざわざ最高裁が受理しなくともよかった事件であり、先行した私の上告こそ受理すべき事件であったことは明白である)

尚、6ヶ月前不受理の名古屋高裁事件・6ヶ月後受理の大阪高裁両事件ともに「火災の具体的事案」は殆ど似通っており、
なんと両事件の最高裁の担当調査官は同一人物であった。

 名古屋高裁事件を不受理とし、大阪高裁事件を受理するという差別理由はなく
 単に最高裁の調査官が誤った調査判断に5名の最高裁裁判官がめくら判を押しただけであろう。

1・2審国家賠償裁判で、調査官の上記2件の【調査報告書】が開示されれば
私の事件の不受理の理由は一目瞭然となるのに国は開示を拒否し、
国賠事件担当の下級裁判所は最高裁の過ちを隠蔽するため
「最高裁への・調査報告書・嘱託の取寄申請」を採用しなかった。

かくして
【最高裁不受理の真相】はヤミに葬られ、
一審勝訴でありながら高裁の不手際、最高裁の過失不受理により、私の方は110万円の印紙代を取られたあげく、
一銭の保険金も受けられないという不条理が公正であるはずの司法の場でまかり通ることになった。
 
 今や高裁・最高裁・国・法務省・この国賠事件の解説を執筆する最高裁調査官が執筆して関係する判例時報までが
私の国賠事件では一体グルになる様相を呈している。、
私の上告事件を、あれは【総合判断】で受け付けなかっただけだという・全く万人を納得せしめがたい・理由にならぬいいわけで逃げている。

 挙句は『およそ最高裁が上告事件を受理するもしないも最高裁の全くの自由裁量である』と名古屋高裁が見解を示した。
 
これでは一体最高裁とは何の為の「終審裁判所」であろうか?  当然上告した。
 
 民訴法318条の上告受理申し立ては、
全ての事件について「自由裁量」であるはずはなく、法務省民事局参事官編集の解説にある上記①②③の場合は
「覊束・きそく・裁量」として受理すべきであるという判断を求めるものであった。
 
 ところが最高裁は
まさに民訴318条が全くの自由裁量であるかどうかの判断・
318条が新設された際の法務省民事局解説が妥当であるかどうかの判断を示すべき場合であるのに、

またも最高裁は私の上告を318条によって手前に都合よく『不受理事件』として闇に葬ってしまったのである。

 318条は自由裁量か覊束裁量の場合もあるのかが一般の民事事件に絡んでの上告申立であったならば、
 最高裁は受理して判断をしたであろう。
 
 だいたい、
【最高裁の手落ち】・過失を下級裁判所や当の最高裁が裁くこと自体がおかしい。
社長の過失を課長や部長が裁けるはずがない。

最高裁の過失はマスコミや我々が裁かなければいけない。

 

投稿: 美和勇夫 | 2007/03/01 17:28

最高裁の重大過失・国家賠償請求裁判


   上告受理は最高裁の全くの自由裁量(勝手気まま)で良いのか? 「その1」
   
             はじめに

 元最高裁判事の滝井繁男弁護士(大阪弁護士会)は日弁連の自由と正義・平成19年3月号
 「ひと筆」で次のように言われる。
“ 上告審に持ち込まれる年3500件の民事上告事件は、「民訴法改正」で上告受理申立理由が
  制限されていることを理解されずになされているものが大半である。
 
  改正民訴法は、「最高裁としての法令解釈を示す必要があるもの」に限って受理申立を許して
  判断を示すのだから、上告受理申立事由が正しく理解されていれば、上告事件は激減する
  はずである。
  上告受理要件を理解しない濫上告が増えることで最高裁は激務となり、
  「まだ最高裁がある」という上告人の叫びへの最高裁の具体的救済機能の途が閉ざされて
   しまいかねない。
  改正民訴法は上告理由を大幅に制限し、最高裁としての法令解釈を示す必要のあるものに限って
  上告の受理を受けてその判断を示すこととした ”
 

 法律に則して言えば、民訴法318条の「法令の解釈に関する重要な事項を含むものと
 認められる事件」が上告受理事件になるのである。

          1 上告が受理される判断基準は何か?
 
  それでは最高裁は、「濫上告不受理事件」と「上告受理事件」をいかなる基準で区別
  するのであろうか?
 
  法務省民事局参事官編集の「一問一答新民事訴訟法 」によれば民訴法318条の受理ケースとして  次の3つをあげている。
  
    ① 最高裁の判例がない解釈問題について最高裁の判断を示すべき場合。
    ② 最高裁の従前の判例を変更すべき場合
    ③ 高等裁判所の誤った法令解釈を高等裁判所の判決として確定させることが適当でない場合。
 
 しかし例えこれらのケースに該当していたとしても、上告受理は最終的には最高裁の全くの勝手・
 [自由裁量]にゆだねられていると言ってよいのであろうか ?

 【平成16年12月13日】・最高裁第2小法廷 から火災保険立証責任に関するはじめての
 画期的判決が出され「火災発生の故意・重過失は保険会社が立証しなければ免責されない」
 ことになり保険業界に激震が走ることになった。


 ところがこれに遡る【平成15年1月29日】・名地裁 が
(平成16年12月13日最高裁判決の立証責任と同じ法理で)1億5000万円の火災保険金支払いを 認めた事件があった。 

 しかるに【平成15年10月28日】名高裁民事4部 は、平成13年4月の最高裁「生命保険契約に 付加された災害割増特約事件」の立証責任論(生命保険に付加された割り増し特約契約部分の保険金請 求に関する立証責任を論じたにすぎないもの )を、間違ってこの火災保険金請求法理に引用し、
 『火災保険金請求者側に故意・重過失のなかったことの立証責任がある』として
 『一審逆転判決』を出した。
 
 この『名高裁立証責任の誤り』に対し、私が後の最高裁16年12月13日判決とほとんど同旨の
 上告受理申立をした。(裁判費用・印紙代は110万円もとられた)
    当時まだ火災保険立証責任に関する最高裁の判例はなかった。

 従って前記1の①③にあたるケースとして「最高裁により火災保険立証責任にかかる初の判断」が
 示される事が当然に予想された。
 然るに(当時火災保険の立証責任法理は東京高裁 ・名古屋高裁で高裁レベル判断が対立していた
 のにかかわらず) 最高裁第2小法廷は【平成16年5月28日】
  この上告事件を「みくだりはんの判決・決定」で『不受理』として切り捨てた。

 この最高裁「不受理決定」に対し愛知県弁護士会・寺本嘉弘弁護士の[火災保険立証責任]に関する
 『批判論文』 が判例時報【平成16年11月11日号】に掲載された。
 同弁護士は私の上告事件にたずさわり、この「立証責任論文」は16年5月上告不受理事件に対する
 上告理由を基礎にして敷衍された同一の論旨であった。

 ◆その1ヶ月後の【平成16年12月13日】同じ最高裁第2小法廷は、保険会社からの
 「大阪高裁火災保険上告事件」を受理して、免責の立証責任は保険会社側にあることを確認した。
 その後「自動車物損事故の故意・重過失」さえ立証責任は保険会社側にあるという判決 が出されるに 至っているのは周知の事実である。
 
 しかし平成16年12月13日の最高裁判決は「大阪高裁立証責任 」判断で敗訴した保険会社が
 平成13年4月20日の最高裁『生命保険判決法理』を自己に有利に引用して主張した上告事件を
 退けたものであった。

 最高裁としては、「もともと大阪高裁の火災保険立証責任論は正しかった」のであるから正しい高裁
 レベルの判断としてそのまま定着させてもよかったものである。

 上記1の③にあたるものでもないのだから、わざわざ最高裁が受理して大阪高裁判決法理を正当として 追認しなくともよかった事件とも言いうる。

    ◆◆それよりなぜ6ヶ月前の『名古屋高裁上告事件』は受理されなかったのであろうか?
 6ヶ月前不受理の名古屋高裁事件・6ヶ月後受理の大阪高裁両事件を対比すると
 「火災発生並びに保険金請求に至る具体的事案」は殆ど類似している。
  両事件の最高裁第2小法廷の担当調査官 は同一であった。
  名古屋高裁事件を不受理とし、6ヶ月後大阪高裁事件を受理するに至るこれといった差別理由は
  全く見当たらないのである!

            〔 参考文献 〕


① 法務省民事局参事官室編 
一問一答新民事訴訟法354頁・上告受理の解説がある

② 法律学の争点シリーズ・ジュリスト増刊民事訴訟法の争点 最高裁判所における上告受理と
  許可抗告 高田裕成296頁 上告受理事件が解説されている。

③ 最高裁【平成16年】(受)第988号 判タ1173号161頁・
     (最高裁の画期的判決といわれるものである)
 保険金の支払事由を火災によって損害が生じたこととする火災保険契約の約款に基づき、
 保険者に対して火災保険金の支払を請求する者は、火災発生が偶然のものであることを主張・
 立証すべき責任を負わない。
       結論において大阪高裁・同旨の原判決は正当である。

④ 名地裁【平成12年】(ワ)第1975号 判タ1133号232頁
 店舗総合保険契約に基づき保険金の支払を請求する者は、火災が発生したことを主張・立証すれば
 足り、保険者が免責される為には火災が請求人の故意又は重過失によって火災が招致されたことに
 ついて主張・立証責任を負う。 (私が一審勝訴した判決)

⑤ 名高裁【平成15年】(ネ)第169号 判タ1152号262頁
 店舗総合保険契約に基づき火災保険金の支払を請求する者は、発生した火災が偶発的な災害で
 あることについて主張・立証責任を負う。
 支払免責約款は、保険金が支払われない場合を確認的注意的に規定したにとどまると解すべきである。    (最高裁平成13年4月20日生命保険特約判決を引用した誤った判決)

⑥ 最高裁平成10年(オ)第897号 判タ1061号65頁
 『生命保険に付加された災害割増特約・における災害死亡保険金』の支払を請求する者は、
  発生した事故が偶 発的な事故であることについて主張・立証責任を負う。

⑦ 東京高裁【平成12年】(ネ)第1989号 平成12年9月25日判決
 プレジャーボートの火災事故が船長等の故意による関与行為によって発生したものとすることには
 疑問の余地があるとして保険会社に火災保険金の支払請求が認容された。
 保険会社において支払を免れる為には保険請求人が火災に関与した事実について立証責任を負うと
 された。

⑧ 最高裁第二小法廷決定 平成16年(受)第184号 

⑨ 【寺本論文】判時1868号12頁 
     火災保険金請求の立証責任(最判平13.4.20の適用範囲)
  火災保険の場合基本契約について、その契約の成立及び火災の発生ならびに保険金請求者の利益と
  なる特約の存在発生を保険金請求者が立証責任を負い、保険者の利益となる特約の存在・発生
  ならびに放火その他の免責事由は保険者が立証責任を負うものとの結論にならざるをえない。

⑩ 最高裁平成17年(受)第2058号 平成18年6月6日 判タ1218号187頁
 自動車保険契約の約款に基づき、車両に傷がつけられたことが保険事故に該当するとして、
 車両保険金の支払を請求する者は、事故の発生が被保険者の意思に基づかないものであることに
 ついて主張・立証すべき責任を負わない。

⑪ 【大阪高裁平成15年】(ネ)第1929号 平成16年3月4日判決 
     金融・商事判例1221号40頁
 本件火災の偶然性の主張・立証責任は、保険金の請求者が負うべきものであり、請求人は火災の発生に ついて外形的類型的な事実を主張すれば足り、火災が故意・過失によって生じたものでないことまで主 張すべき責任を負うとは言えない。( 最高裁・16・12・13の判決の元の事件)

⑫ 当事者照会に対する国の回答書によれば最高裁調査官は、松並重雄調査官である。

    
        2 国家賠償裁判による問題の提起

この不受理事件に対し国家賠償裁判が提起した。

「火災保険金支払いに関する立証責任」に関し最高裁第2小法廷が、
最高裁13年4月20日生命保険契約に付加された災害割増特約判決の引用是認からか、法令(立証責任)の解釈判断を誤って民訴法318条の上告を受理しなかったことは
 「最高裁第2小法廷裁判官の手落ち」(過失)事件と主張したものである。
                                   ( 以下・続く)

投稿: 美和勇夫 | 2007/10/30 23:35

最高裁の重大過失と国家賠償裁判   〔その1からの続き〕

    2 国家賠償裁判による問題の提起

 最高裁が不受理事件にしたこと対し国家賠償裁判を岐阜地裁に提起した。
  (不受理で損害を受けた私が岐阜県に住んでいるから岐阜地裁となった)

 「火災保険金支払いに関する立証責任」に関し 最高裁第2小法廷が、
  最高裁13年4月20日生命保険契約に付加された災害割増特約判決の引用を是認し、
  法令(立証責任)の解釈判断を誤って民訴法318条の上告を受理しなかったことは
  「最高裁第2小法廷裁判官の手落ち」(過失)事件と主張したものである。

  平成13年4月の最高裁生命保険に関する最高裁判所判例解説 は、3年後の【平成16年暮れ】に
  なって刊行されたが、同判例解説には「平成13年生命保険契約の付加割り増し特約判決の射程は、  約款上保険事故に偶然性が取り込まれていない火災保険等に及ぶものではないことは明らかである」     と説明されている。
 
  しかしながら国家賠償裁判においては、下級裁判所である岐阜地裁 も名古屋高裁 も
  「最高裁の不受理」についてなんら不受理判断に手落ちがあったかかどうかの実質審理を経ないで
   私の請求を棄却した。
 
  「最高裁第2小法廷は、総合判断をして16年12月判決の半年前の事件の場合は上告を
   受理しなかっただけである」
     という全く具体的理由説明のない、抽象判断が示されただけであった。
 
   およそ「総合判断」というからには、何と何を総合して判断をしたのかという総合判断をする
  「前提事実」があるはずである。
   最高裁が総合判断をしたと言うからには、例えば名古屋高裁事件は大阪高裁事件に比べ
  「きわめて放火くさく立証責任を論ずるまでもない事件である」とか「保険金の一部が未払いで
   あった」・・・とか不受理の総合判断に至ったなんらかの前提事実というものがあるはずだが
   岐阜地裁では「どういう前提事実があったか」の審理を全くしていない。
 
   平成16年5月の上告不受理事件では、当時、東京高裁や名古屋一審勝訴判決が
   「故意過失のあったことの立証責任は保険会社にある」としていたものを、
   名高裁が13年4月20日の最高裁生命保険判決を間違って引用して逆の立証責任判断を
   出したのだから、
   終審裁判所たる最高裁は1の①③にあたる場合として当然上告を受理してとりあげ、
   最高裁としてなんらかの『初の判断』を示すべき場合であったと思われる。

  1・2審国家賠償裁判で、調査官の上記2件の「調査報告書」が開示・対比されれば、
  不受理の理由(総合判断の前提事実)は一目瞭然となろうが国からの開示は拒否され
  「最高裁への調査報告書の嘱託による取寄申請」も採用されていない。
     (通常の役所の不受理過失裁判事件なら不受理原因究明を必ずやるものである)

            〔 文献の紹介 〕

 ⑬ 最高裁判決の解説・民事篇 平成13年度(上)1月~5月 法曹会470頁 志田原信三
   13年4月生命保険判決の射程が、約款上保険事故に偶然性が取り込まれていない火災保険
   (損害保険)等に及ぶものでないことは明らかである。
    約款の保険事故において偶然が要件とはされていない火災保険に係る保険金請求事件では、
   請求原因ではなく、抗弁のレベルで自招損害か否かが争われるべきものと考えられる)

 ⑭ 岐阜地裁平成16年(ワ)第785号 18年1月25日国賠判決 判時1928号113頁
   当該事件が民訴法318条所定の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件に
   該当するか否かは事実関係の下での原判決の結論の当否を含めた総合判断によりなされるのが
   相当であるから、
   時期や事実等が異なる別件の上告が受理されたことをもって憲法14条に違反するということは
   できない。
   本件最高裁裁判官らは民訴法318条1項で規定された裁量権を行使して決定をしたものと
   推認される。

 ⑮ 名高裁平成18年(ネ)第147号 18年8月30日・国賠判決 判タ・判時共に不掲載
   最高裁判所の上告受理を義務付ける法律上の根拠は何ら存在しない。
   諸般の事情を総合考慮して慎重に上告をするか否かを決すべきことは当然である。
   判断の結果について当不当の問題がありうるとしても(不受理が)民訴法318条に反して
   違法であるものと判断される余地はない。


            3 再審の訴えについて

 ところで最高裁の判例引用を間違えた名高裁民事4部の誤った判決は「再審開始の対象事件」に当たる のではないだろうか?(この点に関する文献は見あたらない)

 民訴法338条1項の再審事由・8号には
「判決の基礎となった民事の判決がのちの裁判により変更されたこと」とある。

 立証責任法理を間違えて引用し、平成15年10月に逆転判決を出した名高裁民事4部が基礎とした
 民事判決は、平成13年4月20日最高裁の生命保険割増特約事件の立証責任法理であった。

 ところがその後、平成16年12月13日(後の裁判)、大阪高裁上告事件において
「最高裁平成13年4月20日生命保険契約に付加された災害割増特約事件」の判決法理を
 火災保険金請求事件に引用することは誤っていることを、
 最高裁第二小法廷判決がその『理由』の中で指摘した。

 ◆従ってこのことは
 民訴法338条8号の『判決の基礎となった(名高裁)民事判決が・・のちの〈最高裁〉裁判により
 変更された場合』にあたるとして名高裁民事4部に『再審の申し立て』をしたのである。
 
 ところが名高裁民事4部は、
 「名古屋と大阪では事件が異なる。たとえ大阪火災保険金請求事件において
 13年4月20日最高裁判決の引用が誤っているという判断が示されたとしても、
  民訴法338条1項8号の再審事由にあたるものではない」
       として、『火災保険金請求の再審請求』は却下 した。

 しかし名高裁が平成13年最高裁生命保険判決法理を基礎として(誤って)一審逆転判決を出した
 ことは間違いなく、のちの16年12月13日最高裁判決がその法理引用の誤りを理由の中で指摘   (変更)したことは間違いない事実である。
       (高裁は間違った証拠を採用したようなものではないだろうか)

 「事件が違うから」というのであればいかなる判例も先例たり得ない。

 ここで問題となるのは、生命保険最高裁判例を間違って引用して誤った判決を出したのは名高裁
 民事4部であるのに、再審を開始するかどうかを決定するのも当の同じ民事4部であるという
 事件配転のおかしな仕組みである。

 当の部は、やり直しの裁判である再審は出来れば避けたいのが人情と言うものではなかろうか。
 
 例えば再審事由の1項6号「判決の証拠となった文書が偽造であったこと」が判明した場合などは、
 同じ部が再審を担当してもいっこうに構わないだろうが、
 判断を誤った当の部が338条1項8号の理由があるかどうかを判断するのは妥当ではない。
 
 ◆最高裁はこの「火災保険金再審請求の上告」も不受理事件とした。
 
 かくして、最高裁不受理総合判断の真相はうやむやとなった。
 火災保険立証責任正当法理による事実認定で一審勝訴支払い容認判決がありながら、
 最も公正であるべき司法の場で、高裁判断の誤り、最高裁の不受理、高裁再審の拒絶により、
 火災保険金が一切受けられないという不条理が生まれることになった。
 
 『当、不当の問題はあっても、およそ最高裁が上告事件を受理するかしないかは最高裁の全くの
  自由裁量であり、違法判断評価が生ずる余地がない』というのが国家賠償裁判における
  名古屋高裁の判決であった。
     (最高裁の不受理は不当であっても責任を問えないという理屈である)

             〔 文献の紹介 〕

 ⑯ 名高裁平成17年(ム)【保険金請求再審事件】 平成17年2月25日決定 
   判タ・判時共に不掲載である。どういうわけか・・・・
  再審制度が確定判決に対する特別の不服申立制度であることからすれば、再審事由を解釈によって   類推拡大することには慎重を要すると言うべきである。
  確定判決後当該判決が適用・依拠した法令や最高裁の判例に変更があった場合は
  民訴法338条1項8号の予定する場合ではない。
 
 ⑰ 前掲最高裁平成16年12月13日判決
 本約款に基づき保険者に対して火災保険金の支払を請求する者は、火災発生が偶然のものであることを 主張・立証すべき責任を負わない。原審大阪高裁の判断は正当である。
 所論引用の最高裁平成13年4月20日(生命保険付加特約)判決は本件と事案を異にし、
 本件に適切でない。 上告の論旨は採用することが出来ない。

       4 上告受理が【覊束裁量】とされる場合はないのか? 
 
 最高裁には年間3500件もの民事上告事件があるのだから最高裁には『切り捨てご免の裁量権』も
 あるといえるのだろうか。

 民訴法318条の「上告受理申し立て」を受け付けるかどうかは、
 全ての事件について全く「自由裁量」であるはずはなく、法務省民事局参事官編集の解説にある
 前記1の①②③の場合は「覊束裁量」として受理すべきではないかという最高裁の重要判断を求め
 【上告】を提起した。
 
 ところが最高裁は、
『民訴318条が全くの自由裁量であるかどうかの判断』『318条が新設された際の法務省民事局解説 が妥当であるかどうかの判断』を示すべき重要な場合であると思われるのに、
 この上告も318条によって『不受理事件 』として受理しなかった。

 『318条は全くの自由裁量か覊束裁量の場合もあるのか』が一般の民事事件に絡んでの上告申立で
 あったならば、おそらく最高裁は1の①の事案として受理し初の判断を示したのではなかろうか。

  平成17年9月の「最高裁判所裁判官国民審査公報 」で、ある裁判官は国民審査に向けて
  次の如く神妙に述べておられる。

「最高裁は最終審としての判断を示すところであり、その職責の重大性を考えますと、
 身の引き締まる思いがします。
 最高裁に申立をする当事者は、それぞれ特別の思いを持って臨んでいると思いますので、
 その思いを受け止め、一つ一つの事件を大切に慎重に扱いたいと思います」 
 
 最高裁においては、いかに上告受理申立事件が多くあろうと、そういう身の引き締まる思いでもって
 民訴法318条の「法令解釈に関する重要な事項を含む事件かどうか」の判断が
 はたしてなされているかきわめて疑問である。

 ⑱ 平成17年2月4日決定 最高裁第二小法廷・上告不受理の切り捨て

 ⑲ 選挙公報は、平成17年9月11日 岐阜県選挙管理委員会・ 掘籠幸男・最高裁裁判官

                                      以上

投稿: 美和勇夫 | 2007/10/30 23:39

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