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2005/02/20

NET上の引用・転載ルール

コメント欄で井上さんが書かれたことに触発されて・・・

引用の作法も、ネット上の公正さとか慣習とかは紙媒体と違う場合があっても良いかもしれません。

紙媒体内部であっても、小説と短歌・俳句の類では引用とか転載とかの許容基準が異なるでしょうし、小説と新聞記事とが同じ基準で引用かどうかを判断するのもおかしいです。新聞記事については明文上も異なるルールが設定されていますが。学術論文の保護も、著作権(表現の保護)とは異なるルール(アイディアの保護)が妥当していますし、現にアイディアを盗用すれば表現が同一でなくとも盗作とされます。

 BBSやプログ、ウェブでの表現が無断で転載されるという問題についても、一度法律を離れて、利用の正当性・不当性を考えてみる必要がありそうです。
 ちょっと最近は勉強に手が回らず、新しい文献のフォローが行き届いていないため、どこかで議論されているのかも
しれませんが。

 さし当たり、思い浮かぶのが、「電車男」ですけど、2ちゃんねる上の無断利用通告だけで一切著作権がクリアできるとは、少なくとも現行法上は考えにくいです。にもかかわらず、あのような利用形態を正当と認めることはあり得るでしょう。
 またBBSに無断で雑誌記事を転載する現象も、著作権侵害に問われた判決がありますが、なくなりませんね。紙媒体だけの記事は手間がかかるから、あまり転載されませんけど、ネット上の記事は手軽に転載されています。現行法を離れて、どういう場合が不当なのか、どういう場合なら許されて然るべきなのか、再検討する必要があると思います。
 新聞のネット記事に至っては、すぐ消えてしまう関係上、ネット記事に依拠して何らかのコメントをしようとする場合は転載しておく現実的な必要性もあります。

 そんなことを考えると、「公正な慣行」や「引用の目的上正当な範囲」(いずれも著作権法32条)を柔軟で抜本的に解釈し直すことが「文化的所産の公正な利用に留意しつつ・・・文化の発展に寄与すること」(著作権法1条)という著作権法の目的に適うように思います。

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