jugement:JASRACの著作権侵害事件
なかなか皮肉な事件だが、小林亜星の「どこまでも行こう」と類似する服部克久「記念樹」について、JASRACがテレビ局などに使用許諾を出していたことについて、小林亜星から著作権を譲渡された出版社が損害賠償を請求したという事案。
この場合著作権侵害を追求しているJASRAC自身が著作権侵害責任を問われたわけだが、東京高裁はこの請求を否定した。
まだ最高裁サイトには掲載されていないようだが、報道によれば東京高判平成17年2月17日。
原審は「著作権を侵害しているか否かの慎重な検討を怠り、判決確定まで漫然と許諾し続けた」としてJASRACの過失を認めた。しかし、東京高裁は、小林亜星の著作権に触れるという判断が一、二審で分かれたことを挙げ、「最高裁の判断を見極めようとしたJASRACの対応を非難するのは困難」と述べた。
JASRACは著作権許諾料を取りつつ、その分配を保留していたとのことである。
なんだ、JASRACも著作権侵害の認定の難しさを分かっているんじゃないか。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- メーキング・オブ・モータウン(2021.03.31)
- リコーダーの小池耕平さんチャンネル登場(2020.12.30)
- Musique: Can't Take My Eyes off You(2020.12.02)
- music:Look Nowと #MeToo(2018.12.05)
- musique アル・ジャロウ死去(2017.02.13)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- The Welkin(2022.07.08)
- 最近買った本:江戸時代の罪と罰(2021.11.15)
- 最近買った本:スポーツと法(2021.10.12)
- フランスで流れている東京五輪予告ビデオ(2021.05.22)
- 新型コロナ から若手音楽家を守るプロジェクト・#イニツィウムオーディトリウム(2020.05.30)
「法律・裁判」カテゴリの記事
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
- Wikipediaの記事を裁判に証拠として提出することの効果(2023.01.08)
- 民訴125条と新たな法定訴訟担当(2023.01.04)
コメント