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2005/02/01

jugement既判力関連判決=コーヒードリッパー事件

大阪地判平成17年1月27日は、コーヒードリッパーの意匠にまつわる紛争だが、前訴と後訴とで同一の事実関係を巡って争いがあり、訴訟物が異なり、既判力や信義則による遮断が問題となった事例である。

本訴原告は金属加工業者で、被告はコーヒー店である。
被告はベトナムコーヒードリッパーの日本版を作りたいとして、原告にドリッパー鋳造金型作成を依頼した。
契約の正式契約前に試作品を作って原告が被告に提供し、なんどか設計変更もしたが、最終的に代金面で折り合わず、契約締結には至らなかった。
その後、原告はコーヒードリッパーの金型について特許申請し、被告は見本として提供されたものを元にコーヒードリッパーの意匠登録をした。

前訴は、原告が被告から依頼されて製作した本件金型を引き渡さず、これを利用してコーヒードリッパーを製造、販売したと主張して、主位的には金型製造契約が締結されたことを前提として、予備的には原告の契約締結上の過失に基づいて、本訴被告が本訴原告に対して不法行為に基づく損害賠償を請求したものである。

①原告と被告との間で、コーヒードリッパーの金型製造契約が成立したとは認められない、②原告には、被告に対し本件金型が200万円ないし230万円で製造できると誤信させた過失及び原告が契約成立に向けての努力を怠った過失があるとはいえず、また、虚偽の供述をするなどして真実発見に協力しない過失があるともいえない、③原告は、金型製造契約成立に向けて当事者間で具体的な交渉が進行していたから、信義則上、遅くとも平成14年5月ころまでに、被告に対し、被告から取得したコーヒードリッパーの仕組みや製造方法に関する情報を利用して、原告の名前と計算をもってコーヒードリッパーを製造、販売してはならない保護義務を負担したのに、この保護義務に違反して原告コーヒードリッパーを製造、販売したから不法行為が成立する、として、その損害について、被告は、原告が上記「保護義務に違反して原告コーヒードリッパーを製造、販売し、しかも原告自らを発明者として特許出願をしたことにより、精神的苦痛を受けた」として、慰謝料50万円及び弁護士費用10万円とこれに対する遅延損害金の支払いを原告に命じた判決が確定した。

本訴は、逆に原告が被告に対し、①原被告間のコーヒードリッパーの金型を製造する契約についての契約締結上の過失に基づく損害賠償金530万円、及び、②原告が被告に見本として渡したコーヒードリッパーの意匠を使用して意匠登録出願を行い意匠登録を得たことを不法行為であるとしてこれに基づく損害賠償請求100万円、並びにこれらの遅延損害金の支払いを求めた。

さあ、前訴判決は本訴に既判力を及ぼすか? また本訴提起が信義則違反だという主張についてはどう考えたらよいだろうか?

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