LawSchool の学生の質
扇情的なタイトルだが、最近の判例タイムズを読んでの感想である。
高橋宏志教授の「法科大学院の半年を振り返って」判タ1164-31では、半年の経験として次のように述べられている。
「学生は実に熱心であった。予習をやってこない学生はほとんどいなかったと思われる。しかしながら、結果は見るも無惨であった。(中略)私が担当した上級民事訴訟法の採点だけでしか言えないが、ほぼ50人のクラスで不可が2割ほど出てしまったのである。」
これを聞いたある先生、今年は不可が一人もいなかったけれども、来年からは考え直すそうだ。
南山法科大学院の授業でも、厳格な成績評価は当然のことである。
もっとも、私の授業に関していうと、この冬休みに連続してレポート課題を出し、だいぶクラスの学生諸君の質が見えてきた気がする。かなり書ける学生が大部分を占めているという印象だ。不可となる学生は、2割よりかなり少なく、1割未満かもしれないと思う。
ただし、学生諸君がレポートで見せた能力を、試験の場でも発揮できるかどうかが問題なのだが、それには反復して練習するしかない。解決を求められている問題を事例の中から正しく見いだして、これを現行法と判例実務に基づいてどのように処理できるか、そしてどのように処理するのが適切なのかを、手早く、要領よくまとめてみせる訓練は、同時に実務家としての訓練でもある。
ただ、これを読んで、答案練習や論点暗記に励む試験対策をやられると、これまた困ったことなのだが。
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