Jugement:訴訟救助の算定基準を緩やかに解した例
帰国した残留孤児による国賠請求事件において、広島高決平成16年9月14日は、訴訟救助の資力要件の有無を判断するに当たって、申立人と同居している成人した子ども世帯及び孫世帯の収入を合算すべきではないと判示した。
なかなか格調高いこの決定文、是非本文に当たってほしいが、肝心なポイントは以下のとおり。
1・訴訟救助は裁判を受ける権利の実質的な保障として憲法・国際人権規約の趣旨に適った解釈がされるべきであり、貧困者への恩恵という視点で解釈すべきではない。
2・資力要件の有無を判断するに当たっては,生計を共にして同居する家族については,単に同居等していることだけから当然にそれらの家族の収入を申立人の収入に合算するというのは相当ではなく,少なくとも,本来申立人から独立して生計を営むことのできる者がたまたま何らかの事情により生計を共にするなどして同居している場合(本件における抗告人らとその家族との同居等がそのような場合であることは,一件記録から認められる。)における当該同居人の収入は,これを申立人の収入として合算すべきものではないと考えるのが相当である。
3・同居人の収入と合算して資力要件を算出することとすると、自らに収入の乏しい者は,生計を同じくする同居家族の同意がないと訴訟そのものの提起ができないことになりかねない。
4・本件において,抗告人らの子や孫らは,抗告人らと生計を共にして同居しているとはいえ,本来,抗告人らと独立して生計を営むことのできるのに何らかの事情によってたまたま同居等しているという場合であるから,少なくともこのような場合については,訴訟救助の申立てに関する資力要件の有無の判断は,抗告人ら個人の収入のみに基づいて行われるべきである。
4の判示を重視するなら、この決定の射程は非常に狭くなるが、3の趣旨からいって、この決定の射程は広く一般的に及ぶと解すべきだ。
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