Word:考えるとは事実のあてはめ
大野晋氏によると、「考える」という言葉は「犯罪者の実際にやった悪事が、刑罰の条文のどれに当たるかと事実と条文を突き合わせて決定すること」に由来する。
大野晋『日本語練習帳』(岩波新書)7頁の記述だが、考えるの最古の例は日本書紀で、刑罰を決めることとして使われているそうだ。
語源的には、「かむがへる」が元の形で、「か」=事ないし所 + 「むかえる」=向き合わせること
つまり事実を条文に向き合わせて当てはめをすることを意味するそうである。
他の例としては、帳簿記載と実際の田畑の配置を突き合わせて調べることにも使い、これは「校ふ(かむがふ)」という字を使ったそうだ。
つまり、法解釈適用とは「考える」ことそのものというわけだ。
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