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2004/12/07

PublicCommentを形骸化させる地方

ちょっとカテゴリーに迷うが、知り合いからの話。

パブリックコメントは役に立つかといわれれば、役に立たないという声がかなり大きいが、これは実施する側の心得一つでいくらでも変わりうるものだ。

わずかな審議会の類への参加経験からいっても、パブリックコメントを1ヶ月程度の期間おいて募集し、その意見一覧表を作成して再度審議会の議論に供し、問題が指摘されたところを逐条的に見直す作業をしているところは確かに存在する。
そうかと思うと、1週間程度の募集期間で、その結果も概括的な報告がなされればよい方で原案見直しの機会など全くないというところもある。事務局は各委員が忙しいので委員長一任でやっていると強弁する。

そんな中で、地方の審議会では、首長のでる全体会で決定した成案をパブリックコメントにかけるところもあるという話を聞いた。成案ということは、それ以上修正の余地はないというものらしく、少なくとも修正の機会はないらしい。

こうした地方は、もうパブリックコメントの意味などまるで理解せず、ただ単に形式とかプロセスの一つとしてしか考えていないのだろう。しかも、建前としては市民の意見を幅広く聞いて施策に反映させるといいつつ、形ばかりのエクスキューズという理解でいるから、本当に施策に反映させるところがあるとは思っていないらしい。

こういう姿を見聞きすると、なるほど自分の責任と考えている行政事項を地方に委ねるなんてとんでもないと考えたり、事務は委譲しても権限は委譲しないと考える中央官僚の気持ちが分かろうというものだ。
もちろん中央官庁の方でもパブリックコメントを形骸化させているところがないことはないので、地方はレベルが低くて中央は高いという風には思わないが、現実にレベルの低いところを見聞きすると、印象に残ってしまうものである。

なお、パブリックコメント形骸化の原因は、もう一つ、募集される側の消極性もある。つまり、パブリックコメントにかけても、取り上げる意味のある意見はほとんどなく、そもそもテーマによっては意見自体がほとんどない、だから無意味だし、無意味ならとにかく効率的に形式だけ整えてしまおう、というものだ。

パブコメの広報の仕方にも問題があると思うが、やはりそれを使いこなせるかどうか、民度の問題も否定できないところだろう。

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