news:金魚すくい大会の不正は法律上の争訟?
民法教員さんはあまり好きではないニュースというエントリにしているが、以下のようなニュースを紹介されている。
「埼玉の男性が、金魚すくい大会で不正を行ったとして、優勝を取り消された上永久追放、過去の記録についても抹消とされた件について、主催者を相手取って処分の無効確認と、慰謝料の支払いを求めた」
Yahooニュース
ニュースを読んでみると、結構事実関係に争いがあるような気もするが、不正だとされた男性が主張しているのは、大会規定で用具を主催者の用意したものに限るとする部分の解釈だ。
競技前に渡されたすくい具ではなく予選で使用したすくい具を使ったのが不正だとされたらしい。
これは果たして法律上の争訟といえるのだろうか???
契約の解釈の問題ではあるが、法的な解決になじむものなのかどうか、ちょっと疑問を感じる。民法教員さんの「好きでない」というのもこのあたりの感覚だろうか。
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コメント
トラックバックありがとうございました(お礼が遅くなり申し訳ありません)。
おそらくは優等懸賞広告(類似の)契約となるのだと思います(民法532条)。「処分取消」が法律上の争訟となるのか私も疑問ですが、賞金支払債権の有無、あるいはまた不名誉な処分という形での名誉毀損(不法行為)は裁判として成り立ちうると思います。
ただこの事件の場合、主催者側が、法的なトラブルを避けるために規約を徹底的に(それこそ法律専門家も交えて)検討したことはおそらくないでしょう(し、検討するべきだというのもおかしい気がします)から、「法律上の争訟」にあたるとはいえ、法律による解決を求めるのはどうなのかなあ、という思いが「好きではない」という表現の裏にはあります。
そのさらに背景には、私が最近「契約」というものを、相互にリスクとリターンを計算してとりきめるもの、もう少しいえば「リスクを引き受ける代わりにリターンを得るという、一種の財の配分に関する取り決め」という発想で見ていることがあると思います。そうした「配分」という意識がない当事者を相手にして、「契約の効力」を云々することに疑問をもっているのかなと、自分自身を分析しています。
投稿: よしなが | 2005/01/09 14:58
吉永さん、コメントをどうも。
なるほど、法律上の争訟というよりは、昔の津のため池隣人訴訟みたいな躊躇ということでしょうか?
これからもよろしくお願いします。
投稿: 町村 | 2005/01/09 19:10