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2004/12/13

news:水俣病患者に謝罪すれど基準は変えない

最高裁が水俣病の認定基準に実質的にダメを出した。
これをうけてか、環境省のお役人が原告に謝罪したという。ところが一方では認定基準の見直しはしないとのこと。

謝罪を伝えるニュースによれば、環境省の滝沢秀次郎環境保健部長らが12月11日、大阪市などにある原告患者の自宅を訪れ「申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪したとのこと。
ところが、10月の判決直後のニュースでは次のように報じられている。

「最高裁判決でも認定基準は否定されてない。見直しはしない」。11月24日、大阪市内で開か
れた関西訴訟原告団と環境省との交渉。国に認定申請しては棄却され続けてきた原告の患者は
「反省の気持ちがあるなら認定してほしい」と涙ながらに訴えたが、同省の滝沢秀次郎環境保健
部長はこれまで通りの答えを繰り返した。

環境省に滝沢秀次郎という人が二人いるわけではないので、同じ人が一方では謝罪し、他方では認定基準を変えないという。

しかし同じ認定基準でやれば、今回の原告らも認定されないのであろう。最高裁判決を前提としてもう一度チャンスがあっても、やはりもう一度同じ苦しみを患者らに味合わせるつもりなのに、どこから「申し訳ない気持ち」がでてくるのか?
なんとなく、悪事をして捕まった奴が、反省してますと裁判官の前でいっているのを思い出す。もっとも捕まった犯罪者は「もうしません」といい、実際もうしない人もたくさんいるわけだが、環境省は「もうしませんとはいいません。でもごめんね」というのだ。

政治決着の経緯やらなにやらあって身動きとりにくいことは理解するが、患者の数はどんどん減りつつある。一刻も早く、最初から見直し、過去の和解例も洗い出して、公正な救済をすべきなのだ。

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コメント

 確か、つい先日も同じようなことがありましたね。何の病気かは忘れましたけれど、裁判所は(確か最高裁だったと思うのですが)行政の責任を認めましたね。行政側は謝罪しつつも認定基準・損賠等の考えは変えないとのこと。本件ではこれが先例になっているような気がします。
 さらには政府側の考えとして、恐らく「国家無答責」が現在も慣行として続いているのでしょう。

投稿: K | 2004/12/13 19:54

>10月の判決直後のニュースでは次のように報じられている。

>「最高裁判決でも認定基準は否定されてない。見直しはしない」。

あ、すみません。勘違いしていました10月にこの旨の会見がなされていたのですね。

投稿: K | 2004/12/13 23:27

水俣病の未認定患者はお年寄りだけだと思われがちですが、最近の状況は少し変わってきています。水俣病が発生した当時子供だった方がとしをとることによって、症状が表面化しだしたというのがあるみたいです。なので、水俣病問題は今も直進行中である問題だと思います。

投稿: みな | 2004/12/14 01:51

この問題はそれこそ被害者・行政・チッソの三位一体の抜本的仕切りなおしが必要だと思います。謝るのも大切ですが、構造改革に知恵を絞りきることが大切です。場合によっては機能強化された内閣官房がリーダシップをとってやるべきじゃないですか。

というのも、公健法上の認定制度というのは、時間のかかる民事訴訟の穴を埋める形で、行政による迅速な救済(補償費・医療費の給付)を目的としていますが、水俣病として認定されると、チッソとの間の補償協定(1973年)が適用されて(第三者のためにする契約)、その結果、ほとんどの認定患者はチッソから平均1600万円の補償金を受け取る仕組みになっています。原告側の言い分ですが、1600万という当時としても破格な補償金のおかげで認定基準(1977年)がやたらと厳しくなったと言われています。1600万円を払うに値する障害かどうかという足切り基準になってしまったと。
こういう基本的な構図をさらにこじらせているのが95年の政府解決です。
認定基準を緩和すれば莫大な財政負担(チッソへのさらなる公的資金注入)になるのみならず、政府解決で泣き寝入りした人たちとの不公平が生じるからです。しかし、国が加害者であると認定された以上、汚染者負担の原則を維持すべく、チッソに金融支援する論理は珍妙なものとなります。政府自身が政府解決策の誤りと自らの加害責任を率直に認めた上で、障害の程度に応じた救済の原理原則を立て直すべきではないでしょうか。
助けてと声を上げると「金の亡者がニセ患者が」と叩かれる伝統社会がいまなお残る中で、意地でも国の責任を認めさせた原告たちの思いを滝沢さんは身を震わせながら聞いたはず。賢者はこの難解な知恵の輪を解いてほしい。

投稿: swan_slab | 2004/12/14 06:16

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