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2004/12/29

jugement:民訴参考判例=任意的訴訟担当

裁判所ウェブの掲載判決から、債権質権者による授権で質権設定者が任意的訴訟担当により債権を訴求できるという中間判決がある。

判決の主要部分は以下である。
「任意的訴訟担当は,民訴法54条1項本文が訴訟代理人を原則として弁護士に限り,また,信託法11条が訴訟行為をなさしめることを主たる目的とする信託を禁止している趣旨に照らし,一般に無制限にこれを許容することはできないが,必ずしも民訴法30条(選定当事者)の場合に限られるものではなく,当該訴訟担当がこのような制限を回避,潜脱するおそれがなく,かつ,これを認める合理的な必要性がある場合には許容されると解すべきである。本件においては,原告は,そもそも,本訴請求債権の実体上の債権者であって,本来実体法上有している取立権を,本件質権の設定によって制限されているにすぎない。このような原告が,質権者から取立権を受任し,自己の名においてその取立てのための訴訟を提起,追行しても,民訴法54条1項本文,信託法11条による前記制限を回避,潜脱するおそれがないことは明らかである。また,A銀行が,別除権協定により,本訴各請求権の取立てを原告に委ねたのは,全国の業者に対し同種の質権等を多数有すると考えられる同銀行が,取立事務の負担を軽減するためであると推認され,本件のような任意的訴訟担当については,これを認める合理的な必要性があるというべきである。そして,以上のことは,法定訴訟担当者である質権者からその訴訟追行権を受任した場合であっても,なんら異なることはない。
また,確かに,本件で,原告に原告適格を認めた場合,本件における終局判決の既判力はA銀行には及ばないが,そのようなことがらは,任意的訴訟担当においては常に生じ得る問題であって,そのことをもって,任意的訴訟担当の適法性が否定されると解すべきではないし,本件においては,A銀行が本訴各請求権につき被告に対して後訴を提起し,被告が再訴の負担を被る事態に至ることは,実際上,ほとんど考えられない。
以上から,原告は,任意的訴訟担当として,本件訴訟を提起,追行することができるというべきである。」

前半部分は問題がないが、後半、「また、確かに、」以下の部分は疑問がある。
本件ではA銀行に質権を設定したXが、Aから授権されて任意的訴訟担当者としてYに支払いを求める訴えを提起したのである。それならば、Aには民訴115条1項2号により判決効が及ぶはずではないか。
逆に本来の債権者としてYが提訴した場合なら、A銀行に判決効が及ばないが、そちらの構成は認められないとされたはずではないか?

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