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2004/12/18

divers:センセイ考

カテゴリー的には雑感というところだが、早稲田ロースクール生のブログに先生という記事を見つけたので、我が身を振り返ってみた。

そう、私も大学院生の頃は、同じように思ったものだ。「先生と、呼ばれるほどのバカでなし」と内心思っていた。
その後、就職すると、弁護士先生からも「センセイ」と呼びかけられ(実は院生時代でもそういうことはしばしばあったが、その理由は後述)、裁判官や書記官からも「センセイ」、かえって同僚からは「マチムラ君」と呼ばれていたので、そちらの方がずっと居心地はよかった。
ところがだんだんと、学生さんとのおつきあいが長くなると、そちらの局面ではセンセイと呼ばれるのがむしろ当然になってきた。

引用元のプログで、
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自分のことを「先生」と呼ぶのは学校の先生位だろうなあ、と思う。学校の先生の中には、「先生」という単語を一人称で使う人が結構多いように思う。
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と書かれているが、これも全く意外ではない。
というのも、家庭の中で子供に向かって「お父さん(お母さん)はね・・・」と呼びかけることはしばしばあるが、それと同じ感覚で学生には「先生は・・・と考えているよ」などといったりする。
そして例えばPTAとか学童保育の先生とかに「お父さん」と呼びかけられることがたくさんあるとしても、そういう人たちに向かって一人称として「お父さん」は使わない。これと同様に、学生に対しては「先生」を一人称に使っても、私に「先生」と呼びかける同僚、弁護士、大学職員、その他一般の人に対しては、決して一人称で「先生は・・・」ということはない。
学生に対してだって、ある程度親しい関係のあるゼミ生に対してぐらいではないか。あるいはゼミ生的な感覚になってしまう少人数クラスとか。

要するに子供扱いしているというか、子供に接するような近しさの現れというか、まあそういう感覚があるのだろうと思う。

他方、他の人に先生と呼びかける習慣は、習慣としての外に、もう一つ重大な利益がある。名前がすぐに出てこないときにすこぶる便利なんだな。
これが大学院生のような半人前研究者に対しても弁護士が「先生」と呼んでいた理由であり、要するに個人として認識されていなかった現れなのだ、あのセンセイという呼ばれ方は。
それが証拠に、大学の先輩の弁護士などでよく知っている方からは、決してセンセイなどと呼ばれない。「町村君」と呼ばれていた。

同僚間でセンセイと呼び合うのも、例えば学生の前では普段「さん」付けで呼んでいる人を「・・先生」と呼んだりする。これはまあ意識的にそうするときがある。

とにかく、先生と呼び合ったり自称したりすることにはあまり大した意味はなく、偉いんだという自意識の現れというわけでもない(そう言う人もいるが)。
いや、でもどこかで自意識と結びついているのかもしれないデス。

後一つだけ。弁護士さんには先生と呼びかけて全く違和感がないが、裁判官にはなんとなく馴染めない。この間もシンポジウムの司会で、パネルに一人裁判官がいた。その人だけさん付けするのも異様な気がして、全員「先生」付けにしちゃったが、全員さん付けにすればよかったと思ったものだ。
全員さん付けのときに困ったのは、本当に偉い大先生、特に自分が学生時代に習った大先生が含まれているときで、これはこれで凄く違和感がある。

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コメント

トラックバック有り難うございました。
色々と偉そうなことを書いてしまい、少し反省しています。。

確かに「先生」という言葉が全て「敬意」を含んで用いられているわけではありませんね。便利である、というのが殆どの場合の理由かな、と思います。

ただ一般企業からロースクールに入ってみて、やはり法曹の世界とは他の世界とは違うんだな、と思ったエピソードの一つとして「先生」という敬称がありました。

実際はそれ程尊大な人は多くはないと思いますので、それ程気にすることもないのかな、とも感じています。

投稿: hiro32 | 2004/12/19 16:56

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町村教授のブログ http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2004/12/divers.html で、「センセイ考」というテーマで論じられているの ... [続きを読む]

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