Korean LS−日韓学術交流セミナー
本日南山大学で行われた日韓学術交流セミナーでは、韓国のロースクール導入議論の最新状況が伝えられた。
韓国では、2004年の10月4日に、2008年からのロースクール制度導入を決定した。
現在の司法試験は、日本と似ていて、短答式、論文式、口述式の司法試験に合格すると二年間の司法研修院での実務修習を行い、はれて弁護士資格が付与される。
ちなみに司法試験の短答式には必修の憲刑民のほか、選択科目が刑事政策や法哲学など、そして語学関連科目として昨年までは7言語のうち一つを選択していたが、今年から英語一本になり、TOEFL等の民間試験合格で代替する予定だという。
司法試験合格者数は1995年まで300人程度だったのが、現在は1000人規模である。
(韓国の人口は4700万)
今回決定されたのは、日本と同様に、3年制の大学院で、法学専門大学院という。
入試も法律学ではなくLSATと大学の成績などで評価する点、法学既修者は大学によって一部課程が免除される点、研究者教員と実務家教員とが授業を担当する点など、日本の法科大学院制度とよく似ている。
異なるのは、入試に語学が必ずある点や、ロースクールを設置する大学は法学部を廃止しなければならないとされている点(設置しない大学の法学部は存続する)、ロースクールの総定員を何人とするかが議論となっており、1200人から1300人程度というのが有力であること、司法試験に変えて弁護士資格試験を導入するが、これには予備試験のようなバイパスはないこと、合格者数は現状通りと考えられていることなどである。
但し、まだ確定しているわけではなく、セミナー出席者によれば、韓国ではこれまで何度も改革がつぶれてきた経験があるので、今回もまだひっくり返るかもしれないと様子見をしている段階だそうだ。
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