« 住基ネットカードを差し込まないと投函できないポスト | トップページ | 難解語の解答 »

2004/08/07

ロースクール民訴の問題解説

名古屋は花火大会なのに雷雨のあいにくな天気で、南山法科大学院棟から見ると、花火と雷の競演だったが、次第に雲が勝って花火が見えなくなってきている。

民訴期末試験問題についての解説を書いておこう。

基本的にはソフトの買主が売主に引渡請求をして勝訴した後に、売主が買主に代金支払い請求をしたところ、契約が錯誤無効だと主張したということなので、最判昭和44年6月24日に似たケースである。
これに一部請求と相殺の問題が絡んできて、複雑な様相を示している。

まず、錯誤が認められる場合には、その錯誤主張自体が前訴判決の争点効なり信義則なりに照らして認められるかどうかが問題となる。錯誤の抗弁が認められるのであれば、予備的相殺の抗弁は問題とならない。
ただし、その場合でも相殺の抗弁に供している債権を反訴請求できるかどうかは問題となる。というのも錯誤が認められるかどうか、相殺の可否の問題に入るかどうかは審理が終わるまで分からず、二重起訴の実質的な適用があるかどうかの前提条件が決まらないということになるからである。

錯誤が認められない場合には、相殺の抗弁が問題となる。3000万円中1000万円の請求に対して2500万円の債権で相殺するという場合、判例の取る外側説なら500万円の請求が残るが、それでよいか。
また、相殺の抗弁と反訴請求とが二重起訴禁止に触れるかどうかの問題は、添付の判決を下に考えてほしい。添付の判決は抗弁後行型において相殺の抗弁を不適法としたものだが、この事例では抗弁先行で、かつ同一訴訟手続内での反訴である。
反訴なら矛盾判断のおそれは一応ない、しかし控訴審では別々となるおそれも当然ある。そのあたりを踏まえて、最高裁判決の応用を考えて論じてほしい。
また、反訴の提起により、先行する相殺の抗弁を却下するという可能性も考えてほしい。

加えて、かりに反訴が二重起訴禁止に触れて不適法とする結論を採るのなら、本訴が一部請求であるため、相殺に供して消滅するのは500万円に限られること、ただし外側説であるから2000万円の部分も審理の対象とはなっていることをどう理解するか、そして反訴全体が二重起訴の問題になるのか、それとも500万円の部分のみが二重起訴禁止に触れると解すべきなのか、論じておく必要がある。

|

« 住基ネットカードを差し込まないと投函できないポスト | トップページ | 難解語の解答 »

法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31412/1144761

この記事へのトラックバック一覧です: ロースクール民訴の問題解説:

« 住基ネットカードを差し込まないと投函できないポスト | トップページ | 難解語の解答 »