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2004/08/14

オーストラリアの司法ネット

オーストラリアは様々な点で参考となる制度がある。
その一つがCommunity Legal Centerという組織である。

これは独立の非営利組織で、全豪で年間35万人もの人々に法的な情報提供と補佐、助言を無料で行っている。オーストラリア全体で、無報酬のボランティアスタッフしかいないところから10人以上の有給スタッフを抱えているところまで、207の事務所がある。
現在私のいるビクトリア州では、46カ所のセンターがあり、うち21カ所は特定テーマに関するセンター、残る25カ所は一般的な法的サービスのセンターである。

特定テーマとしては、消費者問題、障害者、DV、環境保護、家族、エイズ、労働問題、精神病、公共問題、賃借人などがある。

一般管轄を有するコミュニティ・リーガル・センターは以下の業務を行う。
・法的情報提供
・助言と補佐
・コミュニティの法教育
・コミュニティの発展
・政策提言や法改正活動

法的問題は、個別的な問題であるとともに構造的な問題でもある。ここの相談に対応するだけでなく、法政策改革への提言にも踏み込んで活動することが必要だというのが、ここの基本的な考え方だ。
この思考は優れたものだと評価出来る。

翻ってみて、日本の司法ネットにはそのような発想があるかどうか、心許ない。

日本の司法ネットがこの様に発展出来るかどうかは未知数だが、一部の消費者センターではこれまでも部分的に行ってきたことである。全く無縁な発想というわけではないであろう。

オーストラリアの仕組みも参考になると思うがどうか。

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