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2004/08/31

レッシグ・フリーカルチャー

山形守岡訳を一読し、心に残った一節を書き留めてみる。

「知的財産は道具でしかない。それは豊かな創造性をもつ社会の基盤を作るけれど、創造性の価値に対しては従属的な立場でしかない。」−−−pp.32-33.

「著者を保護するかもしれない手段のいくつかは、DDTが自然環境に対して持ったのと同じように、文化環境に意図せざる影響をもたらす」−−−p.159

そのほか、面白いエピソードには事欠かない。ウォルト・ディズニーとか、P2Pとか、エルドレッドとか。

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仮処分審理中は待ってやるのが法曹界の常識???

ほう、そうかいなんてオヤジに言われそうだが、報道によると、根来という人はそう言ったそうだ。
前エントリにコメントしてくれた小倉さんによれば、よくあることだそうで。

日本の仮処分制度にオートマティック・ステイ効があるというのは確か法律に書かれていなかったと思うが、「常識」とは知らなかった。
私には、法曹界の常識と言われると仲間内の馴れ合いとかいう言葉が思い浮かぶのだが。

いずれにしても、法(特に労組法とか弁護士法とか)や契約(自サイトには載せていないプロ野球協約)をないがしろにしてやりたいことをやる(特別委員会なんか否決されるに決まっとるモンは開かんでもよい)業界、あるいは契約の相手方を対等な立場と全く扱わない(話し合いなんて一選手の分際で無礼だ)態度の方々であるから、お上の判断を待つ間は畏まって静かにしている、という態度に出るのも不思議はない。
というか、そういうプレモダンなごり押しをやろうとする人に限って、権力のいうことにはご無理ごもっともで従うのが常識というものだろう。

少なくとも奇妙といったのは撤回しなければならない。

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2004/08/30

仮処分中だから球団合併承認しないでくれ

朝日新聞のサイトによれば、近鉄合併差し止めの仮処分審尋において、東京地裁が当事者の日本プロ野球組織に対し、「仮処分手続き中であることから、30日午後に行われる12球団の実行委員会では合併を承認しないよう要請した」とのことである。

実に奇妙な話だ。

もともと仮処分は時間の経過により権利の実現が困難になるのを防止するためのもの。仮処分の当否判断は、従って時間との戦いというギリギリの状況下で出さなければならないものである。
そして保全の必要性が強ければ強いほど、そうしたギリギリの状況となる。
保全されるべき権利の存否は、一応確からしいという程度でしか判断できなくとも、仮処分は下さなければならない。間違った判断を下した場合は、異議・取消の余地があり、また申立人は保証金を用意して損害賠償支払いに備えることになる。

ところが、合併を承認しないよう要請というのは、全くの事実上のものであり、法的効果はない反面、そのような要請をするかどうかの基準もない。全く恣意的で、まるで大岡裁判か遠山コートかと思われる。

これに従うコミッショナーの方も奇妙である。一応法律家のはずだが、法的根拠のないお上の恣意的な「要請」に唯々諾々と従うのはどうかしている。
仮処分により手続が遅れたのであれば、その損害は無過失責任として賠償請求できるし保証金もあてにできるが、このような「要請」に従ったため遅れたのでは、保証金がないのはもちろんのこと、賠償正規人も追及できないだろう。
ご無理ごもっともの世界である。

要するに、近代法的なレベルにすら達していない法意識を、裁判所も元検事総長も露呈したというところだろう。

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新司法試験問題案

日弁連では、新司法試験問題案検討シンポジウムを開催するなど、新司法試験がどのような問題となるべきかの検討と提言を続けている。

今週末の9月4日には、名古屋開催と題して、南山大学名古屋キャンパスのG30にて、第二回シンポジウムを開催することとなっている。→案内ページ

日弁連シンポにおいて発表される問題案は、ウェブページで見ることができる。
第1回シンポで検討対象となった問題案は意見書のページから、PDFファイルで入手できる。
また、第2回シンポで検討予定の問題案は、民法・民訴融合問題に限っているが、私のT&V[B]ページで公開している。

いずれも、比較的多い資料を添付して、法的な知識にとどまらない法的な思考力や応用力と、事実分析力を必要とする問題となっている。こうした問題案の前提としては、以下のような事情がある。

 (1) 新司法試験は法科大学院の教育内容を踏まえたものとなるべきで、特に実務基礎科目も必修として課されていることを踏まえた内容とすること
 (2) 従来の司法試験とは異なり法的知識を問う問題にはとどまらず、一定の法的知識を前提として、実務家としての基礎的な能力を問うものであること
 (3) 試験時間が従来より長時間に設定されているので、長文の資料を読んで事実関係を把握し、法的分析を加えるタイプの問題が出題可能であること
 (4) 法科大学院の設立に伴って司法修習期間が短縮され、いわゆる前期修習がほとんど廃止されることから、少なくとも法科大学院教育の中で前期修習レベルの要件事実教育はなされることが想定され、新司法試験においても同レベルの知識ないし能力を試すことが相当であること
 (5) 新司法試験においては短答式試験が従来の憲刑民三科目にとどまらず、商法、両訴訟法にも課されることから、法的知識の面は短答式試験で問えばよく、論文式試験では知識を問わない問題も考えられること

こうしたことを踏まえると、現行試験とは形式・内容とも大幅に変わってくることが予想される。少なくとも論点ごとの答え方を機械的に覚えてはき出す、というようなやり方では対応できないものとなろう。反面、法的知識の量の勝負ではなく、基本的な法的知識を土台として、その応用能力が試されることとなりそうだ。
現行試験でも本来同じことのはずだが、現行の試験形式や時間ではどうしても限界がある。

これ以上の詳しいことは解説参照。

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2004/08/29

執行保全関係の裁判所サイト

マイブックマークに裁判所サイト(執行関係)を追加した。
かなり前から裁判所の中でも競売関係だけは先行して民間アウトソーシングしたりしてウェブによる情報公開を進めてきていた。バブル崩壊後の執行渋滞に対する一つの対策として予算が付いたのだろうと思うが、あまり報道されないまま、ずっと続いているようだ。

下記のリストにあるように、サイトを開いている裁判所の選択には一貫したポリシーは感じられない。執行の渋滞解消が喫緊の課題となっている裁判所に限っているわけではなく、むしろそうでないようなところが多いような気もする。

私としてはとにかく情報の幅広い流通を裁判所が行い、それも最高裁の統制下で統一サイトだけでやるより、各裁判所の独自ドメインや独自契約で進めることが望ましいと思っているので、一応評価できる。
願わくば、執行関係にとどまらずに、様々な専門部がそれぞれの知見をウェブで公開してほしい。そうすることが、裁判所を身近なものにする一歩だろうと思う。
例えば最高裁サイトの中で大阪地裁医療集中部がやっているように。


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援助交際、今度はしてくれるって・・

前の職場のメールアドレスから転送されてきたものだが、今度は援助される側としてお誘いされた。
以下、著作権無視の完全転載。引用ではアリマセン。
------------
突然のメールで申し訳ございません。率直に言わせていただけば既婚者である私と割り切った関係を持って頂けませんか?
代価として月に15万円前後のサポートをお約束します。
難しい事は言いません。月最低二回以上会って頂ければ問題ありません。2人の時に恋人のように接して頂ければ結構です。
貴方の時間を少し拘束してしまうので金銭が発生するのも致し方ないと考えています。
上記を踏まえた上で契約関係になってはいただけませんか?興味を頂ける内容だと思います。貴方さえお手すきでしたら明日にでも会ってみたいと思っている次第です。場所はご指定ください、重ねてどこにお住まいかもお願いします。  
-----------
そうすなー、15万円だとちょっと安い気がしますが。

ま、それはともかく、この後に差出人名と気取ったメールアドレスが書かれていた。
これって、ひょっとするとその名前の人に対する嫌がらせのなりすましなのかな?

こういうのこそ、不当請求などと違って、送りつけられても耐えて無視するしかなさそうだ。

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2004/08/27

仮処分---プロ野球選手会からUFJまで

このところ仮処分が大流行のようだ。

諫早湾干拓事業の差し止め仮処分が認容されたのは、かなり大事件だが、その前にはUFJ銀行と東京三菱との統合交渉差し止めが話題をさらった。

日本プロ野球選手会までもが、仮処分申請するといっているが、これは特別委員会開催を命じる断行の仮処分なのだろうか、それともUFJのように合併交渉差し止めか?

考えられるところとしては、日本プロ野球協約19条に基づく特別委員会の開催と議決があるまで実行委員会の開催または合併に関する審議議決を差し止める仮処分というのがいちばん素直であろう。

#日本プロ野球協約は、当然プロ野球機構のサイトにあるだろうと思ったら見あたらず、上記選手会のページに2004年版のPDFファイルがあった。
 本来はプロ野球機構が載せてしかるべきだと思うが・・。

ちなみに最近の報道に現れたその他の仮処分事件には以下のようものがある。
●広島県内の県立高校を自主退学させられた男子生徒3人の復学を認めた広島地裁の仮処分
●オリックスと近鉄の合併差し止めを求める仮処分申請
●グーグルに対してPreispiratenという商標の使用を差し止めるハンブルグ地裁の仮処分
●住友信託対UFJの統合交渉差し止め仮処分に最高裁への抗告許可
●富士フイルムが写ルンです詰め替え品の輸入差し止めを求めて東京地裁に仮処分申請
●札幌円山幼稚園が日照権侵害を理由に、三井不動産に13階以上の建設差し止め仮処分申請
●東京都教職員が都教委に対して日の丸君が代研修「再発防止研修」の無効を求めた仮処分申請が東京地裁により却下決定
●大阪市住民が関西電力のマンション建設に日照権侵害を理由に差し止め仮処分を申請

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2004/08/26

おい、ブッシュ、世界を返せ!

あの「華氏911」のマイケル・ムーア監督が書いた、なんとジャンル付けしたらよいか迷う本である。

内容は、イラク戦争についてアメリカ政府が繰り返してきた嘘八百を暴き立て、ビン・ラディン一族とジョージ・W・ブッシュおよびその周辺との密接なつながりを強く示唆する諸事実について「どうなってんだ?」と質問をぶつけている。

まだ途中までしか読んでないが(今忙しいので)、最初の章の質問を並べてみよう。
1.この25年間、ブッシュ大統領と一族がビン・ラディン一族と断続的にビジネス関係を持っていたのか?
2.ブッシュ一族とサウド王家とはどんな関係があるのか?
3.透析治療を受けているオサマ・ビン・ラビンは本当にテロ指令者なのか?
4.テロ直後にアメリカにいた24人のビン・ラディン一族を、FBIの事情聴取もさせないまま出国させたのはなぜか?
5.テロリスト容疑者の銃購入履歴を検索して調査するのをやめさせたのはなぜか?
6.テキサス州知事時代、タリバンの代表者がテキサスでエネルギー関連企業と商談していたのを知っていたか?
7.テロのニュースを聞いた後のブッシュの行動はなんだったのか?

第2章の、アメリカ政府が嘘八百並べ立てているというのは、かなり周知のことだ。
でもそれを知りながら、指をくわえている現状の異常さは、この本を読んで改めて感じる必要がありそうだ。

公式サイト
オスカー授賞式でのマイケル・ムーア監督スピーチ

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2004/08/25

Winny初公判の傍聴券配布場所

Winny事件の初公判が9月1日に迫っているが、傍聴券配布の案内を京都地裁のサイトで見つけた。

 それによれば、午前9時20分に庁舎西側構内(柳馬場通に面した出入り口付近)で、整理券を受け取り、パソコン抽選で入れるかどうかが決まるようである。

 ネタもとは更紗姫のイチゴ畑日記

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駒大苫小牧、道庁に凱旋

komadai-captain.jpg
写真の駒大苫小牧キャプテンの雄姿は札幌に到着したときのもの。
komadai-tate.jpg
選手達はみな、胸に金メダルを下げていた。

苫小牧への凱旋に続いて、この日は札幌にバスで移動して道庁を訪問し、高橋はるみ知事に挨拶に訪れた。

残念なことに、たくさんの人に囲まれての報告会には行けなかった(一応仕事に戻りました。昼飯に出たとき偶然通りかかっただけでした。)

それにしても、その後もテレビに引っ張り出されてつき合わされている日々。疲れてんだから休ませてあげたら?
高校生が頑張っちゃうのは仕方ないとしても、周りにいる大人は何をしておるのか。

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2004/08/24

ハンドルと実名

小倉さんのページにあったトラックバック先にトラックバックしてみた。
インターネットのバーチャルな世界で、ハンドルネームに擬似人格を込めて演じさせるというのは、ある種のカタルシスがありそうだ。
まあ異なる人格を演じてみせるなんてのは、現実社会でもよくあることだ。家庭と仕事とは別人格とか、趣味の世界では別人格とか・・。

ただ、別人格にこだわると、本来の自分の興味関心がストレートに出せなくなるという難点がある。
とりわけ、法律の話というのはそれなりに面白いものだから、ついつい仕事と趣味とを兼ね備えてしまう。

ということで、実名も露わに書いちゃうのが、一番精神衛生によいかもしれない。

ただしその場合は同僚にジンギスカンくさいぞといわれたりすることを覚悟しなければならないのだが・・・。

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2004/08/23

札幌控訴院

今回は札幌の裁判所で民事訴訟手続の実態調査を行っている。

札幌にはこのような裁判所がある。
sp-apc.jpg
裁判所といっても、これは旧控訴院の建物で現在は市の資料館となっている。
このように伝統的な裁判所の建物がきちんと残っているのは、札幌のほかには旧名古屋控訴院があるだけである。

我々が調査に訪れているのは、こんなレトロな建物ではなく、近代的なビルである。近代的というのはこの場合よい意味ではないが・・・。

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架空請求は無視しないで警察に!

法律ちゃんねるの架空請求への対応策に、「無視していればいいのが基本」と書かれているが、同じプログの架空請求の罰則のコメント欄では、酔うぞさんとのやり取りの中で、少なくとも詐欺未遂となることが結論として出されている。

全くその通りなので、ようするに架空請求というのは立派な犯罪である。従って、架空請求を受けた人々は、集団で警察に被害届を出し、詐欺師グループをモグラたたき的に摘発していくべきであろう。

警察も、口座開設人ばかりを逮捕していないで、おおもとの請求者どもを逮捕立件していくべきだ。

消費者センターの窓口でも、「無視しましょう」ではなくて、「警察に届けましょう」が正しいアドバイスだと思うのだが。
国民生活センターのアドバイスでも一応「悪質な架空請求は警察に」と書かれている。
しかし警察のページにあるアドバイスは、すぐ警察に届けろという直截な書き方がされていない。摘発例もあるのに。

東京都のサイトには、架空請求業者名が一覧表になって公開されている。これらの業者がどうして摘発されないのか、不思議である。

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札幌ビール園

いつも来ても変わらないのが、サッポロビール園。
P1000357.jpg
北大に入学したときも、大学院に入ったときも来たけど、そのときと同じ煙突だった。
今日来てみると、敷地に日ハムの室内練習場などと書かれていたけれど、ほかは大体同じ。

岡田さんはニッカをホテルで飲んでるようだが、おーい、日本女子ソフトチームがオーストラリアに負けちゃいそうだよ。

そんなことを書いているうちに日付が変わり、女子マラソンが始まっていた。

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2004/08/22

駒大苫小牧、まさかの快挙!

Inokenblogに先を越されたが、初の甲子園全国制覇を果たした駒大苫小牧の皆さん、おめでとう。

ちょうど北海道に来ているのに、盛り上がっているところに行けないのは残念。
テレビもオリンピックばっかりで、ローカルニュースはぜんぜんやっていないのだな。

今日札幌でのったタクシーの運転手さんが、とても興奮して色々話していたのが唯一優勝の興奮だった。

明日は大通公園を歩いて行くので、おめでとうの横断幕があるかな?

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TasmaniaのDV政策

ドメスティック・バイオレンスに対する対策は、世界中でブームとなっているかのようだが、タスマニアでも新しいDV対策(ここではFamily violenceというらしい)が始まったとのこと。
司法省の担当者に話を聞いた。

今年から始まった新制度では、DVの諸形態、直接的な暴力だけでなく、人前での侮辱、経済的な締め付けなども含めて、犯罪としており、しかもそれは親告罪ではないとのことなので、警察が認知すれば被害者の申告がなくとも検挙される。
必ずしも刑事訴追されるとはかぎらず、心理的なセラピーにかけられることもあるようだが、ともかく摘発される。

民事的な保護命令などによる救済はもちろん整備され、またシェルターも公設のものが用意され、州により警備も付けられている。

こうした対策にはかなりの予算がつぎ込まれたが、目的はとにかくDVを減らすこと、州民が安全に暮らす環境を州の責任で整備することで、そうすることで逆にDVの対策にかかる費用が減らせるというのが本音のようだ。

このやり方がよいかどうかは、正直言ってよく分からないし、親密圏の自律性(法は家庭に入らす)という観点も重要ではないかという感想を持ってしまう。
いずれにせよ、新しい政策の実施成果が出るのが楽しみである。

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2004/08/21

北海道の高校が初めて甲子園決勝に!

オリンピックの影でいつもにまして影の薄い甲子園だが、
駒大苫小牧が決勝進出!
準決勝だけでも76年ぶりの快挙だというのに、史上初の決勝進出とは凄すぎる。

北海道に20年住んでいた私としては、感情移入してしまう。

その北海道に、明日避暑ではなくて実態調査に出かける。

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ブログウォッチャー

blogwatcher.pngブログウォッチャーというシステムが、東京工業大学の奥村研究室により始められている。

その簡単な解説がblogWatcherとはというページに記載されているが、RSSなどによる情報収集ではなく、日付表現を鍵として定義し直したブログページを自ら収集し、常時監視によるテキストマイニングをしているといのこと。

キーワードによるバースト度が、注目の話題を示すので、現在の注目話題は何かを探すのには手軽だ。

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2004/08/19

オーストラリアには検察官がいない?

オーストラリアにおいて、私人訴追制度があるため検察官がいないとの記述を日本の文献かウェブのどこかで読んだ。しかし、オーストラリアに来てみるとそれは全くの誤りであることが判明した。

確かに、私人訴追制度はあるようだが、それは重要でなく、検察官の公訴提起が優先する。
検察官は、Director of Public Prosecution などという名称ですべての州に存在し、専門職である。

学生諸君には常々、本に書いてあることを鵜呑みにするんじゃない、予備校テキストも間違っていることがあると言っておきながら、うっかり「私人訴追の国」などと早とちりしそうになってしまった。実際あちこちの裁判所や政府機関の人に、「この州には検察官はいるのか?」と質問しては、怪訝な顔で「もちろんいる」との答えをもらったが、その程度の恥で済んでよかった。

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タスマニアとメルボルン・道路交通事情

今回、タスマニアのホバートとビクトリアのメルボルンで、それぞれ短期間ながらレンタカーで動いた。
それぞれの地域の運転事情は、同じ国とは思えないくらい違うものであった。もちろん交通ルールは一緒なのだが、かたや離島ともいうべきのんびりしたお国柄、かたや大都会で環状高速があり、郊外に幅広く町が広がっている場所。運転事情が違うのも当然かもしれない。

メルボルンは、高速が100キロ制限だが、多くの人は10キロ程度オーバーしても平気だ。しかし150キロで飛ばすものはほとんどいない。
町中は広い道を一方通行にしているので、5車線くらいある。それを頻繁に車線変更しながら、ということは割り込みながら、右に左に曲がっていかないと目的地に着かない。この辺は懐かしいフランスのリヨンと同じだ。

ところがホバートの人は、交通違反ということをしないらしく、100キロ制限なら100キロ以下で走る。
そして高速とは思えぬ田舎道が、100キロ制限となっているのだ。よほど急いでいるものは無理して走るが、そうではなければ、まあ70から80キロくらいでのんびりいく。それでも道は狭いし、曲がりくねっているので、スピード感は凄い。

そして所々60キロとか40キロとかに制限がかかると、律儀にそれを守る。
一通は多いが、車が少ないので割り込みもそれほど苦労はない。

最初はホバートで運転したので、さすがオージー、のんびりしているわいと思ったが、メルボルンに行って非常にびっくりした。

しかし、日本での運転事情と比較すると、メルボルンでものんびりしている方だろう。

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最高裁といっても・・・

タスマニアにせよ、ビクトリア州にせよ、日本の最高裁とはことなり一審も扱う裁判所である。
州最上級裁判所とでも訳した方がよいかもしれない。

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2004/08/18

UFJの統合交渉差し止め、最高裁に抗告許可

最高裁がこのような決定事件の当否を判断出来るようになったのは、平成8年民訴改正の最も成功した点といえる。

それはともかく、この様な件について司法の過剰介入という批判があるようだ。それも、仮処分を命じた判断にも過剰介入といい、仮処分を取り消した判断にも過剰介入という批判が向けられている。

契約があり、契約条項の効力として条項に反する行為を差し止められるかどうかを判断することは、司法の本来の役割であり、これを過剰介入というのはまるで法律を知らない人のいうことであろう。あるニュースでは、法曹界でも「統合交渉という高度な経営判断に司法が過剰介入すべきでない」という意見があるといわれているが、愚かなことである。
契約の効力の有無に司法が判断を下さないで、どこが判断するというのか?

逆に仮処分を取り消したことについての判断の仕方が、純粋に法的な判断によらず、影響の大きさとか政治的経営的判断の考慮を入れたからということで、過剰介入だというのは、一応理解出来る。
しかしこれも、結局のところ法的判断というのは当該事案をどのように落ち着きを付けるのがよいか、仮処分であれば紛争経過において必要な現状維持策は何か、ということを判断せざるを得ないのであり、どちらに判断するにせよその影響を無視することは判断者にはできない。

ということで、UFJ問題については、常識的なレベルでの無知をさらけ出した感情的な反応が目立つ。

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タスマニア最高裁=陪審評議室

tas-jury.jpg
見にくい写真だが、タスマニア州最高裁の陪審評議室。

オーストラリアでは陪審が刑事民事とも維持されている。ただし、民事は数が減って重要性も減じているとのことだが、先日メルボルンで見た民事法廷は陪審制であった。

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Tasmania最高裁

タスマニア最高裁=Supreme Court of Tasmaniaを訪問した。

RegisterのIanに法廷を案内してもらい、色々と疑問点を説明してもらった。

sc07court-p.jpg

写真で見られるように、タスマニア最高裁の法廷は円形をしている。
これは建設当時の長官がアメリカに行って、この構造の法廷を見て、導入しようと決めたそうだ。
Ianはフレンドリーすぎて困ることもあると言っていた。

そのほか、陪審の評議質もラウンドテーブル、Mediationのための部屋もボート型テーブルであった。

ビデオリンクはこちらでも活用されていて、証人が座ってしゃべる部屋も見せてもらった。

午前中のLegislation Databaseとともに、充実した一日だった。

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2004/08/17

肝炎薬害訴訟弁護団のブログ

薬害肝炎・名古屋弁護団のブログが立ち上がっていた。
竹内弁護士より直接教えてもらった。ご苦労様です。

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2004/08/16

タスマニア=世界で一番空気のきれいなところ

タスマニアに移動した。ホテルの通信環境は電話線になってしまったので、しばらくブログも写真などはアップしにくい。
明日は裁判所と法令データベースシステムの見学の予定である。

タスマニア・オンライン法令
タスマニア最高裁データベース
タスマニア裁判所サイト

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2004/08/15

薬害肝炎署名のお願い

下品な話題の次は真面目な話。といってもこれも無断転載だけど。

以下、竹内弁護士のメールより転載です。
-----
来る8月24日は「薬害根絶デー」 です。
薬害肝炎訴訟原告団も文部科学省、厚生労働省に対して申し入れを行い、各地支える会も厚労省前などで支援行動を行います。
この際、厚労省に対して薬害肝炎汚染血液製剤の調査と納入医療機関公表を求める請願の署名を提出しますが、未だ十分な数が集まっていません。
そこで、支える会・名古屋でも緊急に署名を集めることといたしました。
ご協力いただけます方は、添付ファイルのPDFファイルをプリントアウトして署名をしていただいたうえ、当方までお送り下さい。(送付先は署名用紙末尾に記載されています。)8月23日までにお送りいただけましたら幸甚です。
よろしくお願いいたします。

なお、署名の提出は、8月24日以降も引き続き行ってゆきますので、23日までに間に合わなくても、お受けしてゆきます。(医療機関名の公表は年末になりそうです。)今後とも引き続きご協力のほど、お願いいたします。

署名用紙pdf(ファイルのダウンロード)
---------
とのことです。薬害肝炎にどのようなスタンスをとろうとも、肝炎を引き起こす可能性がかなりある血液製剤を使用した医療機関が判明しないことには、早期発見早期治療もままなりません。そのための医療機関公表です。
私からも是非、ご協力をお願いします。
町村泰貴

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援交のお誘い

といってもスパムだけど。

貼り付けてやれ。だれか相手してやって。
--------
いきなりのメール失礼致します。
どうも初めまして。美紀といいます。
結婚して4年、目下26歳です。
受付やってたんですが、何故か26歳年上の社長に目をつけられて
結婚しました。でも、えーとですね、主人の年齢が年齢なので
私、セックス面でとても満たされない日々を送っています。。
もとから人並み以上にエッチが好きってのもあるんですけど、
いますっごくしたくてしょうがないんです。。
どうしても我慢ができなくて、ネットで相手を探していたところ、
近い場所に住んでるらしい貴方を見つけて
こうしてメールしている次第です。
主婦という立場上、秘密厳守での関係を持ちたいと思っているのですが、
そちらとしては何か希望する条件はありますか?
私、仕事はしてないんですが、お金とか全然平気です。
主人からもらっているお小遣い、
全然使い切れてないのでサポートという形でも全然かまいません。
できればいいお返事いただきたいと思っています。
------

はい、全文転載です。引用の要件も満たしていません。著作権侵害で訴えてくれることをお待ちしています。

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ブログの論争

オージールールのラグビーと書いたら、早速異論が来た。

それをたどっていくと、おお、なんとお盆に帰郷した亡霊のごとく、ブログコメントでの熱き議論がなされているではないか。

一番激しいのは更紗姫のイチゴ畑のコメント欄かな。
激しい議論になる主役はいつもの小倉さんで、Benliでもフォローしている。
また最近ネット人格を主張されているハッカ飴Pさんも負けていない。

議論の本題はWinnyの件だが、そのこと自体にコメントするのはよそう。怖いから・・。
(小倉さんに死ぬほど罵倒されそうで、コメントしないのも怖いのだが・・・)

コメントしたいのはブログの網を舞台にした議論の特殊性(というほどでもないか)だ。
MLでの議論と大体似たようなバターンだが、違うのは、議論の参加者が自身のブログに見解をまとめたり、こそっとコメントしたり、トラバを付けたり付けなかったり、様々なスタンスで議論に参加している。
MLだとどうしても発言する人は舞台の上に上がるわけだが、ブログだと、劇場の小屋主の思惑はコメント欄やトラバの存続にのみ及び、場外でのつぶやきにはコントロールは及ばない。一つの舞台でのハプニングが別の舞台の演目に直結し、一人歩きも始める。掲示板よりも参加者の主体性が大きい。

その反面、議論は拡散する。内容的にも場所的にも拡散するので、全体をつかむことは困難だろう。
ブログが有益な情報源となりうるとすれば、こうした拡散状況の中で目指す情報をなるべく網羅的に効率的にアクセス出来るポータルサイトが必要である。

とまあ、そんなことを目の当たりにして面白かった。

議論の過程でどうしても気になるのが、「著作権は人権」とか「送信可能化権は人権」とかいう話があり、著作物も表現だとか言う言葉。

著作権って人権だったんですかぁ?

財産権という意味では基本的人権だけど、表現の自由とかとは同じレベルのものじゃないでしょうに。
支分権の送信可能化権に至っては、「送信可能にする権利」ではなくて、「送信可能にする行為を制御する権利」なんだから、そこんとこ間違えないようにしてね。

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2004/08/14

Footie オージールールのラグビー

息子の勧めでオーストラリアルールのラグビー、Footieを見に行った。
footy06.jpg

なかなか興奮するゲームである。

footy03.jpg

ルールは、ラグビーと同様にポールの間にボールを通せばよい。
ただし、ボールのパスはボールを叩いて渡すこと。投げてはいけない。
ドリブルは必要ないが、5メートルしか走れないので、時々バウンドさせる必要がある。ボールはラグビー型なので、これはリスクがある。
キックは自由で、キックしたボールをノーバウンドでとると、フリーキックまたはゲーム続行を選択出来る。ノーバウンドでとった地点からフリーキックできるので、圧倒的に有利であり、ゴールポストに近いところでキャッチすれば、それでほぼゴールが決まったようなものである。
タックルして相手を倒し、ボールを膠着状態に持ち込めば、バスケでいうジャンプボールになる。審判は思いっきり地面にボールをたたきつけて、跳ね上がりを取り合う。
場外にボールが出ると、スローインを審判がやる。その際は後ろ向きに、高々と投げ入れる。
ゴールポストは4本あり、真ん中二本の間にはいると6点、ゲームは中断して中央で審判のボール叩き付けから始まる。両側の二本と真ん中二本との間に入ると1点。サッカーのゴールキックのような形で再開する。

このほかにも細かいルールがあるようだが、少なくともオフサイドはなく、とにかく肉弾戦であり、観客もエキサイトして大声を上げる。1クォーター25分を4回、その都度サイドが代わるので、敵味方それぞれのひいき観客が入り交じって声援を挙げる。
メルボルンで見たのだが、メルボルンデーモンズシドニースワンズで、シドニーの応援の声の方が若干大きく、そしてシドニーが大勝してしまった。

フッティリーグ公式ページ

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オーストラリアの司法ネット

オーストラリアは様々な点で参考となる制度がある。
その一つがCommunity Legal Centerという組織である。

これは独立の非営利組織で、全豪で年間35万人もの人々に法的な情報提供と補佐、助言を無料で行っている。オーストラリア全体で、無報酬のボランティアスタッフしかいないところから10人以上の有給スタッフを抱えているところまで、207の事務所がある。
現在私のいるビクトリア州では、46カ所のセンターがあり、うち21カ所は特定テーマに関するセンター、残る25カ所は一般的な法的サービスのセンターである。

特定テーマとしては、消費者問題、障害者、DV、環境保護、家族、エイズ、労働問題、精神病、公共問題、賃借人などがある。

一般管轄を有するコミュニティ・リーガル・センターは以下の業務を行う。
・法的情報提供
・助言と補佐
・コミュニティの法教育
・コミュニティの発展
・政策提言や法改正活動

法的問題は、個別的な問題であるとともに構造的な問題でもある。ここの相談に対応するだけでなく、法政策改革への提言にも踏み込んで活動することが必要だというのが、ここの基本的な考え方だ。
この思考は優れたものだと評価出来る。

翻ってみて、日本の司法ネットにはそのような発想があるかどうか、心許ない。

日本の司法ネットがこの様に発展出来るかどうかは未知数だが、一部の消費者センターではこれまでも部分的に行ってきたことである。全く無縁な発想というわけではないであろう。

オーストラリアの仕組みも参考になると思うがどうか。

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2004/08/13

ナベツネこと渡辺オーナーの辞任と嘘つきのあぶり出し

情報を隠そう隠そうとする人は、決まって不祥事が明らかになると、今度が初めてですという。

万引きをさんざん繰り返した不良中学生でも、捕まったときは判で押したように「初めてやりました」という。
しかし、これまでやったかどうか、調査の必要はないと胸を張るほど猛々しいのはなかなかいないだろう。

渡辺恒雄オーナーが辞任したのは、大学生に裏金を渡したのがばれたからだという。
しかし実際に金を渡すことに同意した土井球団社長は、やはり辞任することになったようだが、その会見で
「過去にも同様に金品授与が行われていたのではないか、という質問には「私が知りうる限りではございません」とし、内部調査については「その必要は認めていない。調査機関などを設置する予定もない」と述べた」という(朝日新聞のネット記事より)。

他方、別の球団の首脳は「前からみんなやっているんじゃないの」といったということだ。

果たしてどちらが嘘つきなんだろうか?
私には自明としか思えないが・・・。

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E-Litigation--A. Stanfield

メルボルンのThomsonの書店で買い求めた本に、Allison Stanfield, E-Litigation, 2003がある。

オーストラリアのハイテクぶりは前から注目だったし、メルボルンの新しい裁判所でもその実現がかいま見られた。
本書はメルボルン大学法学部の上級研究員で<e.law>australiaのディレクターを務める弁護士Allison Stanfieldによる、電子訴訟手続実現のための現状報告と課題の提示である。

電子訴訟手続は、E-filingから始まり、Discovery、訴訟手続の進行管理、口頭弁論、控訴審のいずれにおいても重要であり、それぞれに適切なハードが必要である。
また、特にディスカバリーの過程の電子化は、世の中の文書が電子化することを前提にして、電子的ディスカバリーが大幅に時間とコストの節約になる。

日本法にはディスカバリーが法律上ないが当事者照会や起訴前の証拠収集処分、起訴後の文書提出命令などでは電子化された情報をどう取り扱うか、既に問題となってきている。
そして書証についても、電子情報をどう取り扱うかは問題となり、プリントアウトしたものを原本と扱わざるを得ない状況である。
E-Filingについてはようやく始まろうとしているが、予断は許さない。電話会議システムやテレビ会議システムは普通に使える状態となっているが、それが記録に結びついて管理されているわけではない。
そして訴訟進行管理の電子化は、まだ実験の域を出ないでいる。

こんな状況の日本において、本書は有益な指南書となるものである。

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2004/08/12

Melbourneの裁判所2

メルボルンの新しいカウンティ・コートに傍聴にいった。
特別の許可を得て写真をゲットしたが、大小はあれど、見て回った法廷はどこもこの様な感じであった。
melbournecourtroom.jpg
レイアウトが左右逆の法廷があるが、この法廷では左側に証人席があり、その後ろにモニターがある。
このモニターはテレビ会議システムで他の地方の法廷と結ぶ場合に使われ、モニターの一つは自分の法廷を、もう一つは相手側の法廷を映していた。

法廷に出入りするときは必ず一礼し、裁判官入廷時も起立して裁判官を迎え、裁判官がbe seatedというまで立ったままでいる。この辺は日本の法廷よりも厳粛である。

また、弁護士の法服も、地位によってか二種類か三種類あり、裁判官も紫の縁取りをした人とそうでない黒一色の人がいる。
テレビ会議システムを用いていた法廷では、誰も法服もウィッグも着けていなかったが、その事情はよく分からない。

民事法廷では、水泳の事故に関する訴訟で、ドクターが証人尋問を受けていた。陪審制であり、写真の証人席の反対側に、6人のJurorsが座っており、両当事者代理人が交互尋問をした後に陪審が退廷して評議に入った。即座に結審して評決を出すらしい。

また、刑事の控訴審法廷では、女性の単独裁判官が検察官と弁護人のそれぞれの言い分を自らパソコンに打ち込んでいた。その前にはデータベースをオンラインで呼び出していたようであり、ネットワーク化とe-Filingが完備していることが伺われる。

カウンティ・コートの新しい建物は、2003年にInterior Construction Awardを受賞している優れものである。
是非、写真集を作成して発行してもらいたい。

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2004/08/10

オーストラリア・メルボルンの裁判所

今、オーストラリアのメルボルンに来ている。
どこの都市でも裁判所を見物に行くのを趣味としているので、早速メルボルンの裁判所にいってみた。

4年前には工事中だった新しい裁判所ビルが完成していた。
時間がなくて中には入れなかったが、建物の前面にある女神のレリーフはなかなか格好いい。
RIMG0023.JPG

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日本学会事務センターが破産?

情報ネットワーク法学会の役員会で話題となった話だが、日本学会事務センターが破産する見込みのようだ。

ちょっと前に預かり金の流用が報じられていたが、読売新聞の記事によると、民事再生を申し立てて棄却されたとのこと。
それにしても、学会事務センターのようなところが財団だったというのがまず驚き。次いで、自社ビルを建設して借金がかさんだということだが、そもそも自社ビルを建てるような大層なところか、というのが驚き。さらにきわめつけは、関連会社に貸し付けをして焦げ付いたということだが、貸し付けなんかするなっていうの。

こういう財団というのは何でもできるのか? 関連会社があるということ自体驚きだが、それに貸し付けをするなんて余剰資金があったのも驚きだ。各学会はよほど暴利を貪られていたのだろう。
その挙げ句が6億円もの債務超過ということだ。

絶対に、関係者を背任罪に問うべきだろう。

ちなみに、情報ネットワーク法学会はこんなところには委託していない。また日本民事訴訟法学会も、かなり昔に委託を解消し、会員は口座引き落としの方法により会費を納入している。
しかし、日本私法学会は日本学会事務センターに委託している。私の会費として納めた金は、ちゃんと学会に行っているのだろうか?

日本学会事務センターのサイト。いつまであるか分からないが・・・。
ちなみにAcademic Societies Worldというサイトもある。

変な色気を出さないで、

定着した職員による学会事務処理の安定した体制を確立し,学会の要請に基づき学会事務を遂行する。
多くの学会がそれぞれ単独で事務所を開設する非能率・不経済を改善し,共同化しうる業務を共通に処理する共同利用施設を提供する。
学会事務の特殊性を理解した学会事務の専門家の養成訓練を行う。
学会活動の進展ならびに多様化に対応した学会事務のあり方を調査研究する。
コンピュータの導入等による学会事務の能率化を研究し,その方法を開発する。

この最初の二つだけをきちんとやってればよいのに。

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2004/08/09

難解語の解答

難解語at民法に答えを示します。

(初級編)
1) 瑕疵
 かし:新生銀行が振り回して有名になった瑕疵担保責任の瑕疵。もともとは傷という意味で、そのものズバリものに傷があった場合のほか、意思表示が不完全だったこと(だまされたとか、無理矢理いわされたとか)に使う。
2) 彊界
 きょうかい:本当はもう一段複雑な字だが、境界と同義。なんであんな字を使うのかは不明。
3) 雇傭
 こよう:歴史にでてくる祖傭調の傭だから、労役にかり出されるイメージ。防人とか。今は普通に雇用と書く。
4) 滲漏
 しんろう:意味は字から想像つく。水が隣地にしみ出てくることだ。
5) 法定果実
 ほうていかじつけ:読み方には何の変哲もない。意味は法律で定められたくだものではなく、利子など。
6) 抛棄
 ほうき:放棄に同義。

(中級編)
1) 心裡留保
 しんりりゅうほ:内心では思っていないことを口にする。やっかいなのは、心理留保と間違いやすいのと、心裡留保の意思表示でも原則有効なこと。
2) 囲繞地
 いにょうち:他の土地を囲んでいる土地。わかりやすさのためになくすそうだ。
3) 剪除
 せんじょ:切り取ること
4) 滌除
 てきじょ:これはもう廃止されてしまったが、抵当権のついた不動産を購入した人が抵当権を洗い流す手続。
5) 地窖
 ちこう:地面に掘られた穴。竪穴式住居か?
6) 踰越
 ゆえつ:飛び越えること。権限外の行為をしてしまうことで、代理権の範囲を超えて本人のための行為をした場合などに使われる。民法の基本の一つ。

(上級編)
1) 牆壁
 しょうへき:要するに塀などしきりのこと。
2) 溝渠
 こうきょ:みぞのこと。これは読み方が難しいが、暗渠排水とかの言葉を知っている人には易しい。
3) 椽
 てん:これ、間違いで、民法にでてくるのは縁側の意味での椽側。読み方もえんがわ。
4) 堰
 せき:日常用語かもしれない。
5) 注瀉
 ちゅうしゃ:雨水などが隣地に注ぎ込むこと。

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2004/08/07

ロースクール民訴の問題解説

名古屋は花火大会なのに雷雨のあいにくな天気で、南山法科大学院棟から見ると、花火と雷の競演だったが、次第に雲が勝って花火が見えなくなってきている。

民訴期末試験問題についての解説を書いておこう。

基本的にはソフトの買主が売主に引渡請求をして勝訴した後に、売主が買主に代金支払い請求をしたところ、契約が錯誤無効だと主張したということなので、最判昭和44年6月24日に似たケースである。
これに一部請求と相殺の問題が絡んできて、複雑な様相を示している。

まず、錯誤が認められる場合には、その錯誤主張自体が前訴判決の争点効なり信義則なりに照らして認められるかどうかが問題となる。錯誤の抗弁が認められるのであれば、予備的相殺の抗弁は問題とならない。
ただし、その場合でも相殺の抗弁に供している債権を反訴請求できるかどうかは問題となる。というのも錯誤が認められるかどうか、相殺の可否の問題に入るかどうかは審理が終わるまで分からず、二重起訴の実質的な適用があるかどうかの前提条件が決まらないということになるからである。

錯誤が認められない場合には、相殺の抗弁が問題となる。3000万円中1000万円の請求に対して2500万円の債権で相殺するという場合、判例の取る外側説なら500万円の請求が残るが、それでよいか。
また、相殺の抗弁と反訴請求とが二重起訴禁止に触れるかどうかの問題は、添付の判決を下に考えてほしい。添付の判決は抗弁後行型において相殺の抗弁を不適法としたものだが、この事例では抗弁先行で、かつ同一訴訟手続内での反訴である。
反訴なら矛盾判断のおそれは一応ない、しかし控訴審では別々となるおそれも当然ある。そのあたりを踏まえて、最高裁判決の応用を考えて論じてほしい。
また、反訴の提起により、先行する相殺の抗弁を却下するという可能性も考えてほしい。

加えて、かりに反訴が二重起訴禁止に触れて不適法とする結論を採るのなら、本訴が一部請求であるため、相殺に供して消滅するのは500万円に限られること、ただし外側説であるから2000万円の部分も審理の対象とはなっていることをどう理解するか、そして反訴全体が二重起訴の問題になるのか、それとも500万円の部分のみが二重起訴禁止に触れると解すべきなのか、論じておく必要がある。

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住基ネットカードを差し込まないと投函できないポスト

小倉弁護士のブログによれば、住基ネットカードを差し込まないと投函できないポストができたらしい。

似た例では、町中で犯罪が多発しているのは人々が身元を示さないで歩いているからだということで、身分証明書や免許証、クレジットカードなどを差し込まないと歩けない道ができたという話もある。

でもこれは笑い話ではなくて、実際高速道路は知らないうちに顔とナンバーを記録されないと通れず、さらには料金収受のために無線で身元を表示しながら入るのが一般的となっている。

Nシステムマップ 参照のこと

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2004/08/06

ロースクール民訴の問題

ロースクール既修者民訴の期末テストです。
論点はなんでしょうか?

 Yは、Xからネットワーク対応のデータベースソフトを、社員全員のライセンスを含め、総額3000万円で購入する契約を締結した。ところがXは商品の引渡をしようとしないので、売買契約に基づく引渡を請求し、代金との引換で引き渡せとの勝訴判決を得た。この判決はそのまま確定した。
 その後、今度はXがYに対して、代金3000万円のうち一部である1000万円の支払を求める訴えを提起し、前訴判決後にXが履行するべく商品を搬入しようとしたら事情が変わったといって引き取ろうとしなかったと主張した。
 これに対してYは、まず目的物にはインターネットを通じてアクセスする機能が欠けていてネットワーク対応とはいえず、従って当該目的物を対象とする売買契約は錯誤により無効であると主張した。
 次いで、仮に錯誤無効が認められないとしても、Xに対する2500万円の別口債権があるので、これをもって対当額で相殺すると主張した。
 さらにYは、当該別口債権2500万円の支払を求める反訴を提起した。

 裁判所はどのように処理すべきか? 錯誤無効が認められると認定された場合と認められないと認定された場合とに分けて論じなさい。

(別口債権についても、その存在は認められるものとする)

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携帯が壊れた・・

単なる愚痴です。
携帯を落としたら、ボタンが効かなくなりました。

以前の携帯は何度落としても壊れなかったのに、FOMAはあっけなく壊れました。

おかげで、プログの更新は携帯からできず、いちいちパソコンを起動しなければならないなど、出歩くことの多い私にとっては著しく面倒になりました。

機種変更ができる時期になれば、すぐにも代えますけど、お財布携帯はEdyカードをもっているのでイマイチ魅力がなく、軽い第二世代携帯もFOMAの便利さを諦めるかと思うとどうも。久しぶりに昔の携帯を使ってみると、信じられないくらいよく繋がるので感動ものでしたが、カメラで撮った画像をそのまま送れたり、ウェブが丸ごと閲覧できたリする便利さは捨てがたいです。

うーむ。

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2004/08/03

iPod Mini Green,我が家にはまだ・・

アネモネ・ブログの管理人さんには届いたらしいが、我が家にはまだ来ない。

それも発売日に妻がブルーを手に入れ、グリーンは配送の事故で遅れていますが二、三日中には、と言われてもう10日である。
一体いつ来るんだー>マックマート

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薬害肝炎名古屋訴訟の口頭弁論

今日たまたま名古屋地裁で仕事だったので、昼休みに傍聴してみた。

傍聴券というものをもらったのは初めてだが、空席はかなりある。

審理は準備書面の陳述と書証提出確認の儀式に続いて、パワーポイントによる原告側準備書面の要旨説明があった。
法廷には裁判官席と被告席の間の角にスクリーンを設置し、法廷中央にプロジェクターが置かれていた。
そして裁判官席とに二台、被告席にも一台、液晶モニターが設置されていた。
原告側の代理人が一人ノートパソコンを操作しており、となりの代理人が要旨説明した。
裁判官と相手方、傍聴人にはもれなくパワーポイントデータのプリントアウトが配られていたので、至れり尽くせりだ。

しかし、そうなるとパワーポイントによるスライドを照明落としてまで上映する意味があるのか疑問だ。
現に裁判官も相手方も、モニターにはあまり目を向けていなかったように思う。
プロジェクターを使う以上、紙以上の印象を喚起し、重要な点が何かを示す工夫が必要だ。法廷とは言え、アニメーションを使って順序を示したり、証拠の一部をトリミングしたりハイライトしたりくらいはしてもよいと思う。

でなければ、無駄だからやめようと相手方が言い出したとき、反論できない。

薬害肝炎名古屋訴訟のページの方も、また更新がなされていない。学生サポートチームのがんばりに期待したいものだ。

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キングアーサーと裸の小泉王

話題のキングアーサー、パイレーツオブカリビアンよりトロイ、もっと言うとロードオブリングにテイストが似ていた。
#製作が同じなのでパイレーツをイメージしていたが、考えてみるとカリブの話とブリテンの話だ。ブリテンが暗いのは当たり前だった。

その夜見た新聞には、映画好きで知られる首相が「華氏911」なんて見たくないといったとの記事があった。
変人宰相も批判に目を背けるようになったら末期的だ。

さらに国会議員が政府見解や事実関係を究明するのに有効な質問主意書を制限しようとしているニュースが同じ新聞に。

これも小泉裸の王様化の一貫なのだろうな。

ま、体制側がともすれば批判に応えるどころか目を背け、批判がでないように情報を隠したり、手段を封じたりするのは、いつものこと。
とはいえ、ここまで露骨なのは三菱自工とUFJにも負けませんね。

権力は腐敗するっていう教科書に出て来そうな話だ。

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2004/08/02

刑法の近寄り難さ

民法の難解さはまだまだ語り尽くせないが、民法ばかりが難しいと思われても困る。
小難しい理屈がいっぱいなのは何と言っても刑法だ。

罪刑法定主義なのにいつしょっぴかれるか分からないホウジョとか、電気は物じゃないといって特別規定まで作ったのに、猥褻情報のハンプや陳列を猥褻「物」の陳列などで処断しようとするご都合主義は、ひとまず度外視しよう。

刑法総論の授業で記憶に残っているのは、第一に行為論だ。

夜中に蜂に襲われる夢を見て、逃げようと手足を無茶苦茶に振り回したら、横で寝ていた愛人の頭に当たり、打ち所が悪く死んでしまった。この人の罪は何か?

こういう無意識の動作が、果たして人の行為と言えるか?
筋肉に電気刺激を与えると、動く。その動作は、しかし行為と言えるわけはない。でもそれなら精神障害でコントロールができない場合や薬物の影響での他傷はどうなのか?

行為論はさらに責任論ともオーバーラップして、学生を悩ませる。

ま、こういうのが好きで堪らないという人も確かにいるのだが。

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2004/08/01

民法の難解さ(続々)

コトバだけではないのが民法の難しさだが、その理論にもすこぶる難しさがある。

例えば、ある物の売買契約を締結したら、その物は誰の物になるだろうか?
普通は、売買契約が成立したのだから、買い主が持ち主になると考える。売り主から買い主に、その物の所有権が移るのは至極当然だ。民法にもそうやって書いてある。

ところが、昔の偉い先生はそうは考えなかった。売買契約が成立しただけではその物の所有権が移らず、所有権を移す行為をしないとならないというのだ。

感覚的には、例えば大根を八百屋さんで買うときはこんな感じになる。
「この大根下さい。」
「あいよ」と新聞紙に包んでくれる。
「ほい、150円」といって、150円と引換に手渡す。

契約は、「この大根下さい。」「あいよ。」で成立するが、物理的にお客の手に大根が渡るのは、金を払って引換に渡してもらうときだ。そうだとすると、所有権が移るのもその引渡のときだと考えることもできる。

そしてこれをドイツ風に理論を構築して、売買契約という債権行為だけでは互いに所有権を移したり代金を支払ったりする義務が発生するだけで、実際に所有権を移転させるという(物権的)効果を生じさせる「物権行為」が必要だといったりする。

これと同じような理論構成が、契約の解除の効果をめぐってもでてくる。売買契約を解除したら、買い主にある所有権が当然に売り主に戻るのか、それとも解除によって所有権を戻せという請求権が売り主に生じるだけなのか?

こんなことはどうでもいいと思われるかもしれないが、取引行為の基本的な仕組みに関わることだけに、正確な理解が欠かせない問題でもある。

具体例としてはオンラインオークションによる落札は契約成立を意味するのかどうか、という問題がある。
素人目には、オークションで落札したのだから、もうその売買契約は成立したと考える。
しかし、少なくとも最大手のヤフーはそのように考えていないし、現にオークションのセラーもビッダーも落札後に価格交渉を始めたりする。そして、それはそれで現実の当事者の公平な関係に合致していたりするのだ。

かくして民法は難しい。単にコトバだけ手直ししたり仮名をカタカナから平仮名に換えたり漢字を優しくしたりしたぐらいでは簡単で素人でも理解できるようにはならない。それが私人間の取引の公平さを実現するためにとられている解釈だとすれば、むやみに単純化することは有害とさえ、いえるのだ。

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民法の難解さ(続き)

民法が難しいのはコトバ(単語)が難しいからというわけではない。
前回挙げたような、誰も読めないような字を追放して分かりやすく書き換えたところで、コトバには解釈がつきまとうし、さらに法律学特有の論理もつきまとう。
例えば心裡留保というコトバ。なんと言い換えるのかよく分からないが、意味は「本心で思っていないことを他人にいうこと」だ。法律用語で表現するなら、「表示意思に対応する効果意思が欠けている状態」をいう。

もっとくだけていうなら、冗談もその一つだし、仮想事例もその一つだ。しかし思ってもいないことを口にしてしまうということ一般とは違う。
それから心裡留保の対象はあくまで法律行為なので、好きでもないのに「好きだよ」といったり、逆に大好きなのに「おまえなんか嫌いだー」というのは心裡留保の概念には入らない。

最近よく見かける実例としては、名義貸しのケースだ。銀行が、やばい人にお金を貸すときに、表面上の借り主や連帯保証人には別人の名前を使い、いわゆる迂回融資をする。当然やばい人なのでちゃんと返済されるとは限らない。焦げ付くと、名義を使われた借り主や連帯保証人に請求することになるが、この金銭消費貸借契約を締結するという意思表示は、表示があっても効果意思はない。そしてそのことを銀行は知っているわけだ。

だから、銀行は名義貸ししたにすぎない借り主に、金を返せとはいえないというのが「心裡留保」の規定の効果となる。

ところが、心裡留保は、原則有効な意思表示になるとあって、心裡留保による意思表示の相手方がその心裡留保による意思表示であることを知っていたり、当然知っていておかしくない状況だったりすれば無効になるという規定だ。
さらに、厳密に言うと名義貸しは心裡留保の規定の適用がストレートにあるのではなく、類推適用だという。

こういった様々なことが、「心裡留保」を規定した民法93条に詰め込まれているので、単にコトバを書き換えただけではわかりやすくならないのだ。

分かりやすくするために現代語にして、しかも解釈で認められていたところをなるべく条文に明確に書いた結果、日本語としてさっぱり分からなくなった例が、今年改正された破産法だ。
長くなりすぎるので、ここでは引用しないが、現行破産法72条の簡潔な文章と、新破産法160条以下とを読み比べてみるとよい。

要するに、法律の文章をなるべく分かりやすくするとか、時代にあった用語にするとかいうことに反対するわけではないが、それでは話は済まないというのがここでいいたいことだ。
法律の文章自体は、専門用語を奇妙に言い換えるなどせず、むしろ簡潔な規定をおいておく方が望ましい。
その解釈は、必要があれば法律に取り込むにしても、同時にリステイトメントや注釈書でアップデートにしておく方が利用者としてはかえってアクセスしやすい。
そしてどのみち、一般人にとってはわかり安いガイドブックと、案内人となる法曹がたくさんいて安価に気軽に利用できる方がよい。むしろアクセスのために不可欠である。

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