Winnyシンポ-本質からはずれた感想
Winnyシンポでは色々な話が聞けて、楽しかったが、本来のWinnyに関する議論でないところで気にかかったところがある。
九州大学のネットワーク管理者の先生が発表されていた、管理者の側から見たP2Pへの対処についてである。
記憶の限りでは、次のような内容が語られていた。
P2Pソフトによるファイル交換で著作権団体からのクレームがあり、対応を迫られている、それも大学執行部の方からの対応要求が厳しく、情報処理センター(に相当する管理担当機関)だけの判断では済まない状況になっている。
それに対してP2Pソフトによるファイル交換はどのようなファイルが交換されているか実際に見てみないと分からないが、P2Pソフト利用自体は検出可能である。リスク管理という点からも、P2Pソフトの利用を制限または禁止する方向での検討がなされていた。
トラブル対応という点でも、大学のネットワーク管理者の先生は研究者であり、ネットワーク管理の仕事に専念しているわけではないのだから、その仕事量をなるべく増やさない方向での対処が必要だ。
以上に対して疑問が一つ。大学のネットワーク管理は研究者が片手間でできる仕事か? 片手間であることを前提に管理のあり方を決めるのは考える筋道がおかしい。
本来であれば、保守管理といった側面も、情報倫理の面も、専門部署があってしかるべきであり、とりわけネットワーク利用者の送受信する情報の中身に関わる部分を扱うのは極めてデリケートであって片手間に済ませることは困難である。
片手間に済ませようと考えるから、問題の多いソフトは使わせないようにしようと、投網をかけるような規制を安易に取りがちである。その結果は盥の水と一緒に赤子を流すことになる。
確かにいつも新しい管理部署に予算をつけることは困難で、専門家が従来管理を引き受けてきた以上は、そこにプロボノをお願いすることになりがちだが、例えば個人情報管理体制については新しく予算を回さざるを得なくなっている。大学のインターネット資源も、元々の学術的実験ネットワークから営利利用もできる実用ネットワークになったのである。新しい仕事を始めているのであるから、新しいコストがかかるのは当然である。
#大学のインターネットが営利利用されることを、SIネット関係者は認めたがらないが、大学自身が受験生集めの道具としてフル活用している現在、学術ネットワークの非営利性というのは全くの虚構にすぎない。
##つい力が入ってしまうのは、やはりご多分に漏れず、研究室からP2Pソフトの利用をデフォルトで排除しようという安易な姿勢が身近なところでも発生しているからだ。全く困ったものである。
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コメント
この議論は白浜シンポジウムでは1999年ごろに話題になったのと同じですね。
当時は「大学のネットワーク管理者は商用ネットワークと同じか?」という議論が白熱しましたが、実態を聞くと大学と言えども対外的には「大学だから」というのは通用しないという事例が紹介され、さらにアメリカ系企業では社員にどういう扱いをしているのか?といった質問もあって、その時の雰囲気は「仕方ないね、やるか」といったところになったと思います。
その後は「大学だから」という特例的な措置ではなくて学生がネットを使用する時にという括り方になって、例えば図書館からのアクセスとか研究室からアクセスといったところに問題は絞られています。
一般の教室からはネットワークアクセスを制限していますから。
この、研究室からのアクセスで先生(教官)の知識というか判断不足が問題になっているようです。
投稿: 酔うぞ | 2004/07/04 11:38