通信事業者への八つ当たり
世の中めちゃくちゃな話があるものだが、これはもはや電波系の域に入っているのではないかと思っていたら、まあ無事請求棄却となったらしい。
何の話かというと、ヤミ金の脅迫的な取り立て電報を受け取った被害者が、電報配達業者のNTTを訴えたという件で、7月7日に大阪地裁で判決があり、「電報に脅迫的内容が含まれていると分かった場合は受け付けや配達を拒否するべきだ」との主張は退けられた。
ここまであからさまに検閲を要求し、検閲義務を怠ったといって責任追及する人々にはあきれ果てると思っていたが、こうした主張は決して少数意見ではないらしい。
先日の消費者行政関連の集まりで聞いた話では、不当請求はがきについても、郵便局で配達しないように差し止められないかという意見が「まじめに」出ていたし、郵便局に申し入れて断られた人までいた。
電子メールでも、受信側メールボックス管理者は大量スパムやウイルスメールでメールボックスの維持管理に支障を来しつつあるが、そうなると送信側メールサーバーの管理者にフィルターをかけろと圧力をかけたくなる。機械的に大量送信などのメルクマールでフィルターするのであればまだしも、スパムかどうかを実質的に判断していこうとすれば、限りなく検閲に近づくことになる。
えーと、先のヤミ金電報事件も原告側弁護士さんに知り合いがいたりすると、気まずいことになるが、なんでも試してみればよいという調子で実行しては、消費者の権利にフレンドリーな層の信用を貶めることにもなりかねない。
現にヤミ金電報事件の提訴では、消費者法に熱心な法律家全体の評判が落ちたことを明らかにしておこう。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- フランスの司法信頼度調査2024(2025.11.07)
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- 民事裁判IT化:“ウェブ上でやり取り” 民事裁判デジタル化への取り組み公開(2023.11.09)
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)


コメント