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2004/07/24

取調べの可視化と白骨温泉

 法務省(警察)は取り調べの可視化に強硬に反対し抵抗している。裁判所もこれに物わかりがよいのだが、法務省(警察)の言い分はよく分からない。
 取り調べが録画・録音されると被疑者が真実を語らないとか、膨大な費用と手間がかかるとかいわれているが、費用と手間は技術の問題である。デジタル情報保存技術を活用すれば、少なくとも保存可能期間を除けば、問題はない。
 これに対して取り調べ過程が可視化されると、被疑者が真実を語らなくなるのはどうしてだろうか?
 弁護士側は、暴行脅迫、無理強い、利益誘導などの不当な取り調べがなくなると主張しているが、おそらくはそのような不当な取り調べをしているとは法務省(警察)側は認めないのだろう。
 ただ、優しい顔をしていれば真実を語らないし、ある程度強くでることも必要だということくらいはいうので、何をもって不当というかの認識の違いはあるのかもしれない。
 でも、不当でないと考えているのであれば、可視化されて法廷に顕出されることも拒む理由はないと思うのだが。

 そこで思い出すのは白骨温泉の入浴剤事件である。
 最初に聞いたときは、さもありなんと、よくある話でばれたのは運が悪かったのだろうくらいに思っていたが。
 しかし最初の方のニュースに出てきた人は「反省してる」というくらいで、あまり悪びれてもいなかったから、そんなもんだろと思っていた。
 ところが、やはり大人になりきれていないというか、ばれても隠してしまう人というのはいるのだ。テレビ撮影用に一日だけやりました、なんてばれるに決まっている嘘を、それもばれたときは信用を決定的に落とすと知りつつ、ついてしまう。

 要するに、ばれたらまずい、世間様に公開することはできないという意味で「悪いこと」だとは思っているが、ばれなければオッケー、悪いことをしているわけではないもんねー、という意識があるのだろう。
 まあ、そういう場面はあるだろう。被害者がない違法行為とか、第三京浜を170キロで駆け抜けたとか、仲間内では自慢するけど世間に公開はしないといことはある。
 しかし、取り調べの公開できない部分とか、温泉宿ぐるみでやっている入浴剤での調整などは、その外側に騙されたり、踏みつけにされた被害者が存在する。ばれなければオッケーなのは、自分たちだけである。

 情報を公開するかしないか、組織の中にいるとどうしても公開しない方向がデフォルトになりがちで、しばしば「どう使われるか分からない」とか「誤解を招く」とかいって情報を公開しないことを正当化しようとする。
 しかしその背景には、青天白日の下にさらすことができない後ろめたさが潜んでいることが多い。つっこまれたら困るというのも、対応が大変だというだけでなく、どこか誠実な対応ができなくなる自信のなさが伴っているのだ。

 そのあたりの感覚(眉につばを付けるといってもいい)が、メディアリテラシーの一要素ではないかと思う。

なお、白骨温泉は営業を停止しているようだが、入浴剤を入れないお湯で堂々と営業すればよいと思うのだが。嘘ついて隠そうとしたのは格好悪いにしても、温泉は温泉なのだろうから。

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