消費者基本法成立
ついに消費者保護基本法も改正されて、その名も「保護」がとれて消費者基本法となってしまった。
なぜか内閣提出ではなく衆議院の議員立法なので探すのに苦労したが、国会サイトで見ることが出来る。
もう保護される対象ではなく、自己責任をとる自立した「消費者」と扱われるのであれば、なおのこと、法的手段を行使して自己の権利を守らねばならず、それが可能となる訴訟制度(例えば団体訴権)が備わっていなければならない。
消費者が数千円、数万円の被害を被ったとき、その集団的な回復を効率的に、コスト倒れにならないように実現するためには、クラスアクションか、あるいはせめて消費者団体による消費者のための損害賠償請求を認めるとか、消費者側が勝訴した場合は相手方から弁護士費用も回収できる片面的な敗訴者負担制度とかが必要である。
三菱自工のリコール隠しが乗用車にも波及したと仮定しても、現行制度では責任追及を一般消費者がするすべはない。深刻な事故が起きるまで、お上の差配に任せるほか、何も出来ないのである。
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