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2004/05/06

新着判例・訴訟物は違うが再訴は信義則違反として却下した例

大阪地判平成16年4月27日知財判例速報

このURLは保存性がないのかもしれないので、一応コピーを手許においておく。もしリンク切れがあったら連絡して下さい。

キューピーのイラスト、人形をめぐる著作権侵害訴訟で、前訴における著作権侵害に基づく請求権と本訴の請求権が訴訟物を異にするとしたが、実質的に蒸し返しであるとして、一部却下した。

一般論部分は次の通り。
「前記1のとおり、第一次訴訟における訴訟物と、本件訴訟における訴訟物は異なる。
      しかしながら、権利の行使は信義に従い誠実にこれをしなければならず(民法1条2項)、民事訴訟においても、「当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない」(民事訴訟法2条)ものである。民事訴訟において、後訴の請求又は後訴における主張が前訴のそれの蒸し返しにすぎない場合には、後訴の請求又は後訴における主張が信義則に照らして許されないと解すべき場合があり得る。信義則によって後訴の請求又は後訴における主張が許されないものとするかどうかを判断するに当たっては、前訴と後訴の内容、当事者が実際に行った訴訟活動、前訴において当事者がなし得たと認められる訴訟活動、後訴の提起又は後訴における主張をするに至った経緯、訴訟により当事者が達成しようとした目的、訴訟をめぐる当事者双方の利害状況、当事者の衡平、前訴の判決によって紛争が決着したと当事者が抱く期待の合理性、裁判所の審理の重複、時間の経過などを考慮して、後訴の提起又は後訴における主張を認めることが正義に反する結果を生じさせるような場合には、後訴の請求又は後訴における主張は信義則に反し許されないものと解するのが相当である。」

具体的当てはめ部分は長いので、直接判文にあたって考えてみましょう。

著作権については、原著作物の権利と二次的著作物の権利とが重畳的に成立する。そこで幾通りもの著作権に基づく請求権が同一の不作為を目的として成立する。
しかしながら、これらはそれぞれ別個の権利であるだけに、また別個の主体に帰属することも当然あるだけに、通常の請求権競合事例とは異なる。

ただ、その違いが訴訟物論的にどう取り扱われるべきかというと、あまり通常の請求権競合事例と差はなくなるかもしれない。
おそらく新訴訟物理論の訴訟法説では一個の訴訟物ということになるのだろう。
これに対して二分肢説では、別個となる余地があるかもしれない。山本和彦説でも別個の訴訟物と解されるのだろうか?

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