2025/02/26

Book:アメリカ・イン・ジャパン

20250226-04738 今年読んだ10冊目は『アメリカ・イン・ジャパン

社会学者として知られる吉見俊哉先生のハーバード講義録である。

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2025/02/17

Jugement:新型コロナの軽症者収容のためホテル借り上げを具体的に依頼しながら契約しなかった地方自治体に契約締結上の過失責任が認められた事例

岡山地判令和7年1月28日判決全文PDF裁判例Watch

P1070165 原告は岡山のホテルであり、2020年4月に被告自治体の担当者Cによる新型コロナウイルス感染者の軽症者について収容する施設としてのホテルの借り上げ調査に際して、その提供を申し出た。5月1日から7月末までの借上げ予定で、Cと医師らによる現地確認が4月16日、被告からファックスされた借り上げの申出書に記入して原告が被告に提出したのが4月22日、そして4月27日にはCら複数の被告職員が原告ホテルを訪問し、5月1日からの借上げを希望し、月に720万円とする条件を提示、口頭で5月1日からの借り上げを希望する旨をCが原告に伝え、Cに同行した被告職員が医療関係者を伴ってホテルの各所に分かれて視察し、具体的な運用方法を協議確認した。加えて、電話の増設、本館ロビーに県の詰め所を作りそこで電話を受けること、窓を開閉できるようにすることなどを要望し、原告は同日電話増設等の工事を発注した。なお、契約書案は、原告の要請により被告から未確定版として4月28日に原告に送付された。

そして4月30日にもCが原告ホテルを訪れ、今後の日程や5月2日にマスコミ発表することなどを確認した。

 以上のような経過ののち、5月1日午前に被告が原告と契約しないことを決定し、その旨はCが原告ホテルに行って伝えた。その理由は部屋が狭いこととタバコの匂いがするということである。

 こうした事実関係を前提に、裁判所はどのように判断したか。

 

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2025/02/11

Cinema:敵

今年観た3本目の映画は筒井康隆原作の「

 

筒井康隆ワールド全開のシュールさである。

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2025/02/10

Cinema:はたらく細胞

今年観た二本目の映画が「はたらく細胞

 

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2025/02/07

jugement:福岡小学校教諭の公務災害死について市の安全配慮義務違反が認められなかった事例

福岡地判令和7年1月14日(判決全文PDF裁判例Watch

[事案]

 福岡市立の小学校教諭Aが在職中にくも膜下出血で死亡し、以下のような事情から公務災害として認められた。

 ア 亡Aの本件小学校での時間外勤務時間数は、本件疾病発症前1週間が32時間、同発症前30日間が73時間にとどまっており、当該時間外勤務時間数のみでは亡Aが過重で長時間に及ぶ時間外勤務(発症日から起算して1か月程度にわたる週当たり平均25時間程度以上の時間外勤務の連続)に従事していたとまでは認められない。
 イ もっとも、亡Aが、①赴任初年度であるにもかかわらず、6年1組の担任に加え、学年主任及び生徒指導主任を任されたこと、②校長、教頭及び主幹から日常的に細かく業務をチェックされ、忙しいのに主幹から仕事を依頼され、校長の言動が精神的負荷となっていたこと、③責任感が強く、修学旅行の準備などの過重な業務を回避しなかった上、夏季休暇明け以降、妊娠した6年3組の女性教諭のサポートに加え、教育実習生の指導、PTA主催のバザーの準備等の行事が重なったこと、④自宅での持ち帰り作業時間について、本件疾病発症前30日間につき29時間程度あったと認められること等の負荷要因を前記アの時間外勤務時間数と総合的に評価すると、亡Aは本件小学校において通常の日常の職務に比較して特に過重な職務に従事していたものと認められる。
 ウ 基金の委嘱した医師は、亡Aには飲酒や喫煙の習慣はなく、健康診断結果を見ても本件疾病を発症させる特段のリスクは見られない旨の医学的所見を示している。

Aの配偶者である原告が、市の安全配慮義務違反を理由とする損害賠償を請求したのに対して、福岡地裁は請求を棄却した。

 

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2025/02/05

Book:偽証

今年読んだ9冊目は深谷忠記さんの『偽証

20250205-71705 前回読んだ深谷作品のタイトルが『立証』で今回は『偽証』ということで、似たような話かといえばぜんぜん違う。

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2025/02/02

Book:ヒポクラテスの困惑

今年読んだ8冊目は中山七里さんの『ヒポクラテスの困惑

20250202-40432

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2025/01/31

Jugement:原発事故に関する東電取締役等の任務懈怠により東電に与えた損害の賠償を命じた株主代表訴訟

東京地判令和4年7月13日PDF判決全文裁判所判例Watch

Temis2 東電の取締役等4名に対して、13兆3210億円の損害賠償を東京電力に対して支払えとの主文である。

前提事実だけでも82頁、判決文全体は別紙を除いても413頁もある。

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2025/01/26

Book:立証

今年読んだ7冊目は、深谷忠記氏の『立証』。

20250126-115215 解説によれば2007年に『傷』というタイトルで発表され、2011年に改題されて『立証』という文庫で出て、2022年に新装版がでたとのこと。

したがって、物語の時代背景はスマホ以前の世界である。

深谷忠記氏の作品は、このブログでは『執行』というのを取り上げていた。死刑執行と冤罪に関する話で印象深いものであった。

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2025/01/21

Book:アオキくんはいつもナス味噌

今年読んだ6冊目は、一橋大学教授の青木人志先生が出された自伝的エッセイ集ともいうべき『アオキくんはいつもナス味噌

1961年に生まれ、私大勤務も国立大勤務も経験された法学部の先生ということで、私とほぼほぼ同じ条件の研究者であり、最後までたいへん共感を持って読んだ。

20250121-45920 文中にも出てくる「シラケ世代」というのは、私の記憶ではやや上の世代(2、3歳ほど上)に与えられたレッテルで、私がシラケ世代と言われたのは高校時代だったように思う。それでも、私たちの世代に対するレッテルとしてぴったりで、いわゆる全共闘世代やその余韻が強く残る先輩たちからすると、ノンポリという言葉が使われなくなるほどに政治的なパッションがないのが普通に見える、その意味でシラケている世代というわけである。もちろん、ゲバ棒とヘルメットでデモに参加する行動には出なくとも、実存主義の申し子さながらに悩み戸惑うことは普通にあり、シラケと言われるほどに無気力無関心だったわけではない。学生運動のようなわかりやすい単一目標に向けた直接行動に全員が立ち上がるというような構図に、背を向けたり、斜めに構えたりしがちな世代ということなのかもしれない。

 

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«arret: 第二次大戦戦没者合祀絶止等請求事件最高裁判決